インディアンジュエリーフェア開催いたします!
12月19日(火)※平日開催※
ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「漢字の日」だそうです。
イベントが2つも重なると、なんか物々しいですね。diariesじゃないみたい。
まあ、diariesぽさなんてどうでもいいんですけど。変わり続けないとダメだと思いますしね。
というわけで、先日やっと行けました!!!
先月オープンしたGigiさん!(address:茨城県つくば市東新井17-7 2F tel:029-860-6007)
目的は、もちろんオープン祝いの言葉を言いに、
そして気になってたあのメニューを食べてみたくて、、、
ザックリいうと、これより美味いカルボナーラを食べたことがないってくらい美味いです。
パスタにバターを乗せただけ。それだけでOK。
Gigiらしいプリミティブな料理ではないでしょうか?
そのほかにも、
まあ美味いに決まってるんですけど、まずは生ハムだけをつまんで、次にモツァレラチーズをつまんで、
そしてやっと合わせて食べてと、へぇ~ふぉ~~~!となりますよ。
茨城県石岡市は鈴木牧場のミルキーなモツァレラも、最大限に生かされておりました。
トリッパも煮込みではなくサラダで。夏になったらまた食べようと思う。
ざっと紹介するとこんな感じなのだが、不思議と食べれば食べるほどもっと食べたくなる。
そんなに腹が減ってたわけじゃないんだけど、途中から食欲が増しちゃって、
「なんか入れてんじゃないの?」ってシェフに尋ねたくらい!
本能的に、これは食べた方がいい!って思ったのではないでしょうか!?
ん~まいった。Gigiに行ったらLa Stallaにも行きたくなるし、逆もまたそうなんでしょう。
エンドレスイタリアンループ。
イタリアンが多いつくば市は、フィレンツェと姉妹都市になるべきではないでしょうか?
じゃ、今日はイタリアつながりで、こちらの商品をご紹介いたします。
ドウゾ!
【ブランド】Arpin(アルパン)
【アイテム】Gentleman Bonneval Jacket
【価格】¥89,640-(税込)
【コメント】
来ましたよ、大物が。
ちょっと話はそれますが、昨年より本格的にダウンジャケットの取り扱いを辞めました。
本格的に辞めましたってのもおかしいですが、いろんなダウンが出てきてて、
でも結局ダウンてスペック勝負になっちゃうでしょ?
そうすると生地だのフィルパワーだの調べるのが疲れちゃって。
スペック勝負=No.1を決める闘いじゃないですか。
でも最近のダウンジャケットってどれも良くてさ~、1番なんて決められないよー!
なので、私はセレクトすることから逃げました。最近耳にする「戦わない経営」みたいなもん?
私どうにもヘタレでございますので、楽な方へ楽な方へと行ってしまうのですが、
結果的にナンバーワンではなく、オンリーワンな服を取り扱う方向へ行ってる気がします。
で、そのおかげでというかなんというか、これまた国内ではあまりなじみのない、だけどすごいブランド仕入れましたよ。
何がすごいって、まずはブランド説明が異常に長いから!
てことは?俺もお客様も好きなやつ!ですよね???
ではまずはブランド紹介からどうぞ。
Arpin(アルパン)は1817年、イタリア、スイス、両国の国境にほど近いフランスのサヴォワ(SAVOY)県、Seez-Saint-Bernardにて創業いたしました。
200年近くを遡る当時、かの地はサヴォワ家の領土、サヴォワ伯国としてフランスからは独立した自治区として存在していました。
標高4810.9mのモンブランなどにより形成されるアルプス山岳地帯です。
サヴォワ県にあるイゼール川沿いの渓谷、タロンテーズ・ヴァレーにおける織物文化の起源は17世紀まで遡ります。
アルパンは初めてその文化を商業化し、そして今なお継承する唯一のメーカーです。
アルパンは現在も当時と変わらぬ場所で、唯一無二の生産背景を駆使し、山に住み、愛する人々のために製品を作り続けています。
およそ2世紀もの間、その製造工程はほとんど変わっておらず、今でも現役で稼働する機械のいくつかはフランスの国家遺産として登録されています。
創業当時、アルパンの生地はアルプス山脈を旅する遠征隊の防寒用として支給されていました。
彼らのアイコンでもあるボンヌバル織は、その優れた耐久性と保湿性から、当時のサルディーニャ王国の国王、
(後に史上初めてイタリア統一を成し遂げ、イタリア王国の初代国王となる)ヴィットーリオ・エヌマエーレ2世(Vittorio Emmanuel Ⅱ)が
率いる遠征隊のアルプス山脈登頂時にも使用されました。
ヴィットーリオはその類まれなる機能性に魅了され、その後も彼らのプロダクトを愛用しました。
またモンブランを行き来するマウンテンガイドを寒さから守るためのブランケットや防寒着として幅広く利用され、
フランスの著名な冒険家、ポール=エミール・ヴィクトール(Paul Emile Victor)が、フランス国設探検隊を結成し北極点に到達した際にも、
アルパンの製品は彼らを極寒世界から守り続けていました。
ヴィクトールは後に、「私を包み込み、いつも過酷な現状にさらされているアルパンの服の方が、
守られている私の肌よりもよっぽど長持ちをする(それぐらいアルパンの服は丈夫だ」と語っている。
ボンヌバル織はアルパン社が作り上げたごく初期のウール生地で、1900年代、サヴォワの自治区、
ボンヌバルの人々が多く高山ガイドに従事していたことからつけられた名前です。
高名なガイドであったPierre Blancはこのボンヌバル織りを非常に気に入り、各地へガイドへ赴くたびにこの生地を売り歩きました。
こうしてアルパンの生地はイタリア、スイスの隣接する国々でも好評を博し、その名声を築いていきます。
今でも作り続けられるその生地は、フランス国家遺産として登録される縮絨機を用い、
昔と変わらぬ方法で仕上げられ、アルパンを代表する素材として愛されています。
今日、紡績機や織機の一部は近代化されたものの、その製造工程は今もほとんど変わらずに行われています。
地元農家の手により、長い歴史を持つアルペン山脈の放牧地でのびのびと育てられ、その地の草だけを食べて育った羊たちの、
厳選されたピュアヴァージンウールのみが、秋の毛刈り後アルパン社に納められ、気の遠くなるような工程を経て彼らの生地は生まれます。
そのすべてのこだわりが、驚くべき耐久性を持った、唯一無二の品質を生み出しています。
アルパンが創業した当時の登山・越境は、その過酷な環境もあいまって時に命を奪う危険と隣り合わせの行為と言えました。
必ず同じ場所に帰ってこれるという保証はなく、人々は今よりも慎重に山越えの計画を練っていた事でしょう。
それ故に無事に旅を終えた際の喜びは大きく、登山家達は無事帰還した際にまとっていた自分のジャケットのボタンを記念として取り置き、幸運の証として大切にしていました。
次に新しいジャケットを手にいれた際には、その幸運を引き継ぐべく、新しいジャケットの一番下のボタンと付け替えました。
その為、彼らの登山服の一番下のボタンは常に他の物とは違うものが付いていたと言われています。
アルパンのジャケットの最終ボタンは常に違うメタルボタンが取り付けられています。
偉大なる先人達から引き継いだ「幸運」があなたの手元に届く事を祈って。
【沿革】
1817:生地サプライヤーとして軌道に乗りつつあった事業を元に、Jean-Baptiste Arpinにより正式に法人組織としいて工場の登記が行われる。
1821:モンブラン山岳ガイドが正式な法人団体として組織され、そのユニフォームにArpinの生地が採用される。
1830:ボンヌバル織の生地をつかったニッカポッカが製品化され、瞬く間に登山家、兵士、探検家の間で人気を博す。
1843:Paul Arpinが2代目の代表就任。
1858:Vittorio Emmanuel Ⅱはプチ・サン・ベルナール峠遠征時、テントクロスとしてボンヌバル織りの生地を利用した。その保温性と耐久性にいたく心を打たれたヴィクターは、
遠征後直接工場におもむきJean-Baptisteに感謝の意を伝えたと言われている。
1890:ボンヌバル織がイタリアの国設ヒマラヤ遠征隊のユニフォームに採用される。
1908:Paulの息子であるPierrとEdouardの2人が3代目代表に就任。
その年、水力タービンによる発電機を工場に導入Tarentaise地方では最初に電力が供給された画期的な場所となり、余剰電力は近隣の村々にも配給された。
1949:フランス国設北極探検隊にアルパンの製品が採用される。
1960:Leon Arpinが4代目就任。1990:Gerard Arpinが5代目就任。
1992:アルベールヴィルオリンピックのユニフォームとして採用される。
1999:所有する14基の機械が歴史的有形物としてフランス国家遺産として登録される。
2003:フランスオートクチュール組合のコレクションにボンヌバル織が採用される。
2007:フランス農林省により「現存する文化遺産継承企業」として指定を受ける。
なげーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
ついに沿革まで入っちゃったよ!これただの商品説明よ!?
過去最高のブランド説明ではないでしょうか!?あ~疲れた。
途中から「俺は何を書いてんだっけ?」て冷めそうになったけど、
でも冷めさせないくらいの熱量のあるブランドです!だから書ききれました!
でもまだまだこれから!
どうぞ詳しくみてやってくださいね!
まずはdiaries内での立ち位置から申し上げましょう。
このアルパンのジャケットは、今季セレクトしたアイテムの中では、「最も暖かいアウター」でございます。
現在、当店ではワイルドシングスの最後のデナリジャケットが売れ残っておりますが、
それを除けば最も暖かいアウターとして考えています。
ブランド説明にもある通り、1992年のアルベールヴィルオリンピックの公式ユニフォームを作ったということを考えれば、
例えば日本でいうところの水沢ダウン的なものと考えてもいいかもしれません。
でもこちらは毛織物。とことんローテクでございます。
先日ご紹介したLock&Coのローデン生地はチロル地方の名産ですが、その西隣に位置するアルパンには、こんな織物があったんですね。
その名も「Bonneval(=ボンヌバル)」。
山岳地方の・・・とか、ピュアヴァージンウールを用いて・・・とか、
現存遺産企業としてのアルパンが、国家遺産に指定されている織機を使い、昔ながらのやり方で作られているとか、
最もらしいことをいくら説明しても足りないので、この画像をご覧ください!
フランス語で何言ってるか全然分からないけど、素材がどれだけすごいかは何となくわかりました!いや分かった気がします!!!
さらにアルパンならではのストーリーは、やはりイタリア初代国王、ヴィットーリオ・エヌマエーレ2世から感謝状を得たというところでしょうか?
なんたって「初めてイタリアを統一した人」ですよ!!!
屈強な漢(おとこ)に違いないでしょうよ!
そんな人物が感謝状を贈るくらいなので、タフに違いありません!
中国で言う秦の始皇帝みたいな人物であれば、キングダムの次回作はキングダムイタリーで決まりですね!(何が?)
いやそれにしても確かに素晴らしい生地です。
例えば、40年代ごろの軍物のダッフルコートのような。
今作ったらどれだけコストかかるんだろう?そもそも今の技術で作れるのか?ってのがあるので、
ヴィンテージの良さや魅力ってのはそういう生産背景にもあるのですが、
未だにこんな生地を作っているブランドがあるなんてすげえなって感じです。
生きた化石を見た気分。さすが国が遺産企業に登録してるだけあります。
それに加えてアブレイジョンレジスタントファブリック(耐摩耗性素材)とあり、
なるほど保温性だけでなく耐久性に優れているのが分かります。
またこのように、登山服としてのディテールを盛り込んでいるのが、アルパンらしいところでもありますかね。
ここでもアルパンでしか聞いたことがないディテールがあります。
それがこの部分。
これは「ラッキーボタン」というもの。一番下のボタンがメタルボタンに付け替えられています。
ブランド説明にもありましたが、冬の登山は命がけで、生きて還ってこれるだけでも幸運です。
そのため、弦担ぎとして役目を終えた服から1つのパーツを取外し、次の服に移し替える風習があったそうです。
これを聞くと、ヴィンテージでもボタンが付け替えてある服を見るけど、もしかしたら?って思っちゃう。
いいね~こういうの。
自分の服に「ラッキーボタン」が付いているってのはもちろん良い。
さらにそれだけでなく、新品やらヴィンテージやらの垣根を超えた楽しみ方ができる服ってのが、
個人的にもdiariesとしても物凄く良い!!!
どれだけ服を見てきても、どれだけ服を商売として扱ってきても、
こういうのを見聞きすると、まだまだ知らないことがあって楽しいし、もっともっと服にのめりこむことができる。
服が好きでよかったと思うし、服にもそして服を通して自分の未来にも希望が持てる気がするんです。(ちょっと気持ち悪いかな?)
話を戻して、
カジュアルなジャケットですが、ウールジャケットのくせして、本切羽です。
そしてラッキーボタンだけでなく、普通のボタンもちゃんとしてます。
ポイントで赤を使うの好きですよね。
そういえばこの小さいプレートは?
スイス?ではありません。
Croix de Savoieとあり、英語でCross of Savoie。つまりサヴォイアの十字架。サヴォイア公国の国旗です。
サヴォイア公国は1702年に消滅しましたが、その時代から続いているよってのを静かに主張しているのでしょうか?
ちなみにサヴォイアの場所は、フランス・イタリア・スイスの国境が交わるモンブランの近くです。
というわけで、早速ですが着てみました。
フランスのブランドではありますが、イタリアぽいですね!
う~ん、この手のウールジャケット着てる人って、バイヤー憧れの展示会・フィレンツェのPittiとかにいそう。
そういえば、diariesでも6年前まではこんなウールジャケットありましたよ!
殆どの方は知らないだろうな~?
フィルソンですよ。フィルソンの中でもブラックレーベルてやつ。イタリア企画でイタリア製のやつ。
通称フィルソンイタリー。
当店で扱っていたRailroad Jacketも買っておけばよかったな~と今更後悔してましたが、
このアルパンに出会って、ついにその後悔が消えました。
なので、フィルソンイタリーが抜けた穴を補って余りあるブランドがArpinであると言えます。
襟を立てても寝かせてもOKな感じ。いいよね。
適当に羽織っても様になるやつです。
まあコーディネートはベタに細身で合わせてもいいのですが、
もちろんワークパンツなど太目のパンツも合いますよ。
ちなみに、アルパンのコートもオーダーしてたんだけど、届かなかったわ~・・・・・
素材調達が大変なのかな???
でも日本の冬なら、このジャケットでも十分暖かいと思うので、
コートをお探しの方も是非検討してみてください。
それではまた。お店で会いましょう。