diaries blog | Joseph MALINGE(ジョセフ・マランジュ)| Amiral

※12/15(木)は、休店日とさせていただきます。

※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ!)

※コロナ対策実施中です。

※お正月はOLD TOWNの受注会やります!

OLD TOWN order exhibition 2023S/S

期間:2023年1月3日(日)~1月9日(月・祝)

OLD TOWNの受注会を行います。オーダーの際、デポジットとして1着につき10000円をお預かりいたします。

オーダーした製品は、4~5月頃の入荷となります。

 

 

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「忠臣蔵の日」だそうです。

忠臣蔵といえば、以前、両国にある吉良上野介の吉良邸跡を訪れましたが、(そのあとの赤穂浪士の逃走路なども)

この浅草・両国・清澄白河・門前仲町あたりのエリアに興味を持ったのは、

藤沢周平(たそがれ清兵衛が有名)の用心棒シリーズと獄医シリーズの舞台だったことから。

年を取ってきたのもあってか、歴史を感じることができる、いわゆる江戸に思いを馳せるようになりました。

なので元々古い町並みというものには興味津々。

人々が暮らしてきた町並みは、どこも面白いんです。

そんなわけで、着物を見に行った結城ですが、当然町もブラブラと。

最近は、古い蔵を利用したお店が増えてきましたが、結城にもありました。

こちらは喫茶カヂノキ。カフェの利用も良いですが(プリンが美味い!)ランチも良さそう(カレーの匂いにやられた)

 

また最近できた感度の高いお店も良いですが、昔からのお店にも。

創業1832年の味噌屋さん。

創業190年・・・ハンパない・・・

 

ちなみにその向かいにはサウナがオープンしてました。

その名も蔵サウナ。名前の通り、蔵を改装したサウナです。サウナーの方は是非!

 

そして結城といえば?

蔵元の武勇がございますね~

お酒を買いつつ、歴史を感じていたのですが、ふと目に留まったこちらの飾り。

なんでも「杉玉」というそう。

これは奈良県の三輪神社(酒の神様!)が作っているもので、お守りみたいなものですかね。

いつも新酒が出る時期に交換されるんだそうです。

ちょうど新種というのは11月ごろに出るので、茶色い杉玉は昨年の、緑の方が届いたばかりのもの。

今の時期にしか見れない光景なんですね!!!

インテリアにいいかな~と思ったのですが、うちは洋服屋なのでダメかな?

このように、蔵元の人からお話を伺うのも旅の楽しみの一つ。

他にもファミーユとかkokyuとか(どちらも予約必須)あるので、是非とも結城も訪れてみてください。

 

 

 

じゃ、商品紹介です。

ドウゾ!

【ブランド】Joseph MALINGE(ジョセフ・マランジュ)

【アイテム】Amiral

【価格】¥85,800-(税込)

【コメント】

まだまだ、全然商品が紹介しきれてません!

すごいの控えてますよ~!

入荷以来、地味~~~に人気(があるのかないのかも分からない)ジョセフマランジュでございます!

すぐには売れないけど、でも確実に良い物なのは分かる。あとはタイミング・・・みたいな感じ?

もうね、この状態こそDIARIESらしいと思います。ファーストパターンなんかまさにそう。

 

「ひっそりと自分だけが楽しむ、未だ知られざる良い物」

 

まさにDIARIESのセレクト要素の一つではあるんですけど、これね~、みんな密かに楽しむから全然広まらないんですよね~!笑

それでもDIARIESを見つけてくれて、さらにこの靴の良さまで理解していただけるお客様がいらっしゃるというのは、とても幸せなことです。

本当にありがとうございます。

 

前置きが長くなりましたが、まずはブランド説明からどうぞ。

MALINGE家の長きにわたる挑戦の第一歩は、130年前にまで遡ります。

現当主の曽祖父・Joseph MALINGE(ジョセフ・マランジュ)は、

フランス西部・トゥルランドリーの街で、木製のクロッグ製作を生業として暮らしていました。

1889年に勤めていた工場を引き継ぎ、BOTTIER POLIANEを設立。

その頃から、フルレザーシューズの生産も始めます。

Josephの息子に工場を任せられるようになると、ビスポークシューズを中心に乗馬ブーツなども手掛ける、

ハンドソーンのシューメーカーへと形を変えていきました。

彼らの作るシューズは、その頑強な作りと計算され尽くした快適なフィッティングで、広く知られるようになります。

現当主の父親である3代目に引き継がれる頃には、ビスポーク事業と並行して既成靴の生産を行います。

そして1986年、創業者・Josephと同じ名を持つ4代目現当主の手により、

社名も新たにSARL CHAUSSURES CUIR MICHIGANとし、

創業者と現当主の名前を冠したブランド「JOSEPH MALINGE」を本格的に始動させます。

4世代100年以上に渡り培われてきたノウハウ、工場設備、タンナーとの友好関係など、

いずれも一朝一夕で得られるものではなく、Josephにとってかけがえのない財産であり残すべき遺産でもあります。

トゥルランドリーにある工場で所有する機械の一部は、とても古い物です。

現在では入手できないようなものをメンテナンスを繰り返して利用しています。

十分に整備・調整された機械は今でも最前線で稼働しており、

これらの装置は、近代的な機械では再現することのできない味を製品にもたらします。

それらの機械を駆使した製靴技法も多岐に渡り、ノルウィージャン、グッドイヤー、ブレイク等

様々なウェルトで多様なデザインに対応しています。

同時にスキンステッチなど、極めて職人的な手作業にも対応する技術力も併せ持ちます。

また代々続いてきた靴職人としての膨大な量のアーカイブは、

多様なスタイルの製作にも適応可能なノウハウとして蓄積されており、

おかげで非常に柔軟性に富んだ生産背景を実現しています。

タンナーとの結びつきも強く、デュプイ、アノネイ、デジェルマン、アース、レミーキャリアットなどの

フレンチタンナーを中心に、デザインや用途に応じて最適な素材を取りそろえることができます。


というブランドです。

 

まだこんな靴ブランドがあったのか!?と驚きを隠せませんね!

それもそのはず、実はこのマランジュはこれまで靴のOEMとして、靴の生産を請け負う形での運営が強かったように思います。

その中でも代表的なのが、CORTHAY(コルテ)のOEM。

コルテといえば、ベルルッティ・オーベルシー・JMウエストンと並び評されるフランス靴四天王?wの一角。

90年代のコルテ創業当初は、オーダーメイドしか作っておりませんでしたが、

2001年にプレタポルテ(既成靴)ラインをスタート。

しかしこのコルテ、本格的すぎて既成靴を作る機械設備を十分に用意してなかったそうです。

そこでフランス国内で「出し縫い」ができる腕の良い靴製造業者を探したところ、

白羽の矢が立ったのがこのJoseph MALINGE(ジョセフ・マランジュ)というわけ。

 

ですが数年前に、コルテもさすがにミシンなどの設備投資を行ったのか、

マランジュとの契約が切れてしまいました。

そんなこともあり、いよいよJoseph MALINGEも、自社ブランドを強めていかねばならなくなったのかもしれませんね。

 

それでは詳しく見ていきましょう。

まず最初に伝えておきたいのは、この靴はDIARIESの別注になります。

しかも2年越しかな?

というのは、マランジュの取り扱いを始めたころからこの別注靴の構想はあったのですが、

コロナ以降は全然革靴が売れなくなっちゃったんです。やっぱり外出する機会が減っちゃったからかな?

なので革靴を仕入れるのは正直キツイ・・・と思って見送ってました。

でもいつまでもコロナコロナ言っててもしょうがないし、俺もいつ死ぬか分からないから、後悔の無いようやれる時にやらないと!と思ってオーダーしたんです。

結果的に、円安になる直前でオーダーできたので、判断は間違ってなかったなと。(来年は値上げします)

 

また、その構想というのも結構手間をかけてます。

何せ、サンプルとなる靴をフランスのジョセフマランジュの工房に送ってますからね!!!

今回の別注の構想というのが、まさにこの靴。

こちら、以前僕がパリで買い付けた、おそらく1980年代ごろの革靴になります。

実は某ブランドの廃版となった靴なのですが、過去に写真のブラウンとブラックの2回だけ買い付けすることができました。

1足はマイサイズだったのですが、欲しい欲しいと思いつつ、店頭で販売しました。

でもどうしてもあの靴が忘れられず、欲しいよ~欲しいよ~と思い続けた結果、

「靴がないなら作っちゃえばいいじゃない」とマリーアントワネット的に思いついたわけですね。パリだし。

 

でも2足とも販売してしまったのですが、お1人は連絡先が分かっていたので、ちょっとお借りできませんか?と相談させていただきました。

しかし、その借りた靴は最悪の場合、輸送途中に紛失する可能性もありました。

それでもお願いしたお客様(I間様本当にありがとうございます!)は快諾してくれ、上の写真の靴はフランスへと旅立ったわけです。

この靴もビックリしたでしょうね。

パリのマルシェで妙な日本人(俺)に連れ去られ日本に来たと思ったら、またパリに戻されてまた日本に送られて。

 

このようにサンプルとなる靴を送り、まんまパクるのはアレだから、この靴をベースにあとはマランジュ側で料理していただいて結構!

というオーダーで仕上げてもらいました。

 

そんなお客様の協力もあり、実現したのがこちらの靴になります。

ジョセフマランジュは器用なので、なんでもやってくれます。

なので、「こういうのが欲しかった」という注文に応えてくれるんです。

そしてDIARIESにこれまで無かったUチップが入荷してきたのですが、今回はメダリオンシューズ!

この穴飾りが空いている革靴のことをメダリオンと言います。

しかもウイングチップじゃなく、一文字のセミブローグが欲しかった!DIARIESぽいと思ったんです。

 

そしてパーフォレーション(つま先以外の穴飾りのこと。同じ穴でも部位が違うと呼び方が変わる。分かりにくいよね?ごめんね!)もご覧ください。

なんか・・・すごく中途半端!笑笑

つま先のメダリオンからは重厚感を漂わせておいて、羽根部分からのパーフォレーションは、物足りなさすら感じる。

この微妙な感じ、天邪鬼ぽさ、つま先側とかかと側から見ると全く違ったように見える二重人格のような怪しさ。

これが微妙なセレクトソップ・DIARIESにピッタリなのでございます!

 

いや、もうちょっとオサレなお店として解説しますね!

これね、セミブローグではなくウイングチップだったとしたら、アメリカ靴みたいなロングウイングになるんですよ。

そう考えればフローシャイムを合わせるように、アメリカ靴としてのコーディネートも楽しめます。

また、この中途半端さがフランスぽくもあり、しかもちょっとゴツ目なのでフレンチワークにはピッタリ。

ちなみに製法はグッドイヤー製法なので、ガシガシ履けます。

 

そして革はおなじみデュプイのボックスカーフ。

デュプイ社というのは、1948年に創業したフランスにあるボックスカーフ専門のタンナーで、

エルメスに最高級のボックスカーフを供給していたことで名が知られるようになりました。

 

さらにこちらの革靴、そのデュプイのボックスカーフを「非常に」贅沢に使っております。

この「非常に」と強調したのはなぜかというと?

じつはこれ、ホールカットなんです!!!!!

ホールカットというのは、ホール(全部=1枚の革)でカットしてアッパーを構成してますよってこと。

なので、天然皮革の中でも傷の無い部分を選ばないといけないのでコスト高。

しかもよくご覧ください!タンの部分まで1枚革!!!

これさ、ここまで1枚革で作っているのに、メダリオンでかぶせちゃうところも変態でウケます!

厳密に言うと、羽根の部分はつながってないので、ホールカットではないんですけどね。セミホールってとこ?知らんけど。

 

このように結構面白いことやってるのに、表からは見えずアピールが弱い。ブランドもマイナー。

これ、ウチの店だわ・・・

これぞ別注。

満足です。

 

ちなみに底は、やっぱり革底。

苦手な人も多いですが、俺が好きなんでしょうがないです。

なじみは良いし、蒸れないし。滑るのなんて最初だけでしょ?削れれば、そんなにきにならないんだけどな。

雨の日も別に普通に履きますよ。

先ほども書きましたが、ソールはグッドイヤー製法でダブルソールにしてます。

そしてステッチを隠すヒドゥンチャネル。

365日の間350日は革靴を履いている私ですが、改めて革靴の魅力に気づかせてくれるアイテムです。

是非ともご覧ください。

 

それではまた。お店で会いましょう。