【商品説明】
テンダー史上最大のワイドパンツ。
Type136 Oxford Jeansと名付けられたこのパンツは、股上が深い極太のストレート。Oxfordの言葉が表す意味は、1920年代から50年代まで、オックスフォード大学の不良が穿いていたと言われるOxford Bags(オックスフォードバッグス)というパンツに由来しています。Bag=袋の名の通り、片足づつ袋を穿いたような太さが特徴で、バギーパンツの語源となったとも言われています。そのパンツをイメージして作られたのが、このオックスフォードジーンズです。
次に特徴的なディテールから紹介します。ボタンフライを開けるとミミが見えます。何故こんな場所にミミがあるかというと、ミミは前ポケットの3本ステッチの中に仕込まれているからです。これはサヴィル・ロウのテーラーで学んだテクニックで、ミミという部分は生地の中でも最も強度に優れた部分。なので、長く使い続けてもポケットが広がりにくいようにしてあります。
またポケットの袋も、通常はスレキという薄い生地を使用していますが、これもデニムを使用し強度を高め、さらにポケットの底にもミミがあしらわれています。ボタンフライのトップボタンには、オリジナルのチェンジボタンを使用。
チェンジボタンとは、1930年代以前のワーク・ミリタリーウェアに見られるディテールです。金具により取り外し可能なボタンが金属の輪で留められています。なぜかというと、洗濯の際に生地を傷めないようにするため。1930年代までは洗濯板を使っていたため、洗濯機が普及し始めた1940年代からは使われなくなりました。
また気になるのは、ボタンフライ部分のボタンの少なさ。トップボタン以外には、2つしかついてないんです。実はコレ、British
Railways(イギリス国鉄)時代の制服のディテールを用いたそうです。「テンダー」=機関車なので1900年代初頭のディテールを取り入れたデザインとなっています。さらに、ボタンフライの下にキラリと光る通称「股リベ」もヴィンテージファンとしては嬉しい限り。
四角いバックポケットも独特の印象を受けますが、これにも面白いディテールが隠されています。ポケットのステッチをよく見ると、ステッチが数字の「6」を表しているのが分かります。「6」が2つ。リーバイスファンの方ならご存じ、「66」(ロクロクモデル)に対するオマージュです。66(ロクロク)とは、ジーンズを代表する「リーバイス501の最終型」と呼ばれています。
1890年代に、キャンバスをリベットで留めたパンツが生まれ、501と名付けられ、幾度ものモデルチェンジを繰り返し、現代の501に最も近いのがこの「66モデル」。なので、66モデルのことを「完成されたジーンズ」と呼ぶ人も少なくありません。
バックヨークが異常に長いことも特徴です。バックヨークとは、ウエストバンドからバックポケット付近にV字にステッチが入った、切り替えられた布部分を言います。立体裁断的発想で人間の体に合わせてホールド感を高め、履きやすくするためにこの「バックヨーク」が生まれました。さらにヨークが長い分、ベルトループも場所によって長さが変わっています。
コインポケットも今までにない形をしています。実はこのポケットには「Snob’s thumb
pocket」という名前が付いています。Snobとは気取り屋という意味。気取った奴の親指ポケットとなります。このポケットは、昔の貴族が履いていたトラウザーズに付いていたものなんだそう。昔の貴族は写真を撮る時など、このポケットに親指を入れてポーズをとっていたんだそうです。
デザイナーのWilliam氏は、ダブルロールアップでの履き方を推奨しています。ロールアップの仕方を「ダブルターンアップ」と名付けています。このロールアップの仕方は、Williamが古い文献を読んでて、たまたま見つけたものらしいのですが、昔のカウボーイがやってた履き方だそう。
なぜこのようなロールアップをしたかと言うと、まずこの生地が重なった部分でタバコを消していたんだそう。そして、吸殻を2重にロールアップしてポケット状になった部分にしまっていたんだそうです。アメリカは乾燥してるので、火を消したつもりでもその辺に捨ててしまうと、すぐ山火事になってしまうなどの背景があり、生まれた履き方かもしれません。
テンダーのデニムは、日本のシャトル織機で織られた生デニムを使用しています。現在のプロジェクタイル(発射)織機が開発される前は、全ての織物はシャトル織機で織られていました。発射織機と比べると、シャトル織機はとても遅く、さらに生地の半分しか使用できません。しかもそれらの品質はとても不規則ですが、その不規則さにはどことなく温もりと個性を感じるのです。テンダー以外のデニムの殆どはサンフォライズド(防縮加工)を施してあります。ゴム製のローラーであらかじめ縮ませる防縮加工は、サンフォード氏によって1932年に発明されました。デニムはその後、表面の毛羽立ちを取り払われ、さらにツルっとした表情に仕上げられます。しかしテンダーのデニムは初期の工程を用い、洗って縮ませると厚みが17オンスに増幅します。そしてシワやねじれが生じ、その人の体型に合わせて変化していきます。
今回使用した染料は、Saddened Wattle Dyeというもの。ワトル、ミモザ、カッチウッドとしても知られるアカシアの木は、オーストラリア・インド・中国原産のとげのある木で、何千年もの間、革のなめしや布地の染色に使われてきました。19世紀半ばにイギリス人入植者がオーストラリアに到着したとき、彼らは小枝を編んで泥で漆喰を塗るという、古代の「ワトル・アンド・ダブ」工法でシェルターを建てたそうです。またそのワトル染にサドニングを加えました。サドニングとは、天然染料を鉄で黒く染める伝統的な方法です。媒染塩の配合を変えることで、サドニングを施したワトルガーメントは、暖かみのある褐色よりも濃く、涼しげな色調に仕上がります。
迫力のあるワイドストレートデニムはストリートスタイルにはもちろん、オックスフォードの不良をイメージして、シャツ&ジャケットでドレスアップするのもお勧めです。
※手染めの為、色むらがございます。
※最初の内は色移りしますので、白いものとの洗濯やコーディネートは避けて下さい。
【ブランド】
TENDER Co. / テンダーコー
TENDER Co.の服は、アンティークのワークウェアや機械、特にイギリスの蒸気機関車時代のものがルーツになっています。またテンダーとは、蒸気機関車において、石炭や水を積んだトラックのことで、機関車と車両を繋ぐ車両のことを言います。またテンダーは、イギリスを縦横無尽に走り回るための十分な燃料を積まないといけない為、よく鍛えられた鉄によって、あり得ない程頑丈に作られていました。そしてTENDER Co.の服には、それらを研究しデザインし、製造から着るところに至るまで、頑強さといったテンダーの要素が落としこまれています。TENDER Co.の服は、機関車のテンダーのように丈夫で、常に身に付けハードに使ってほしいアイテムですが、そのアイテムが内包する歴史や物語をリスペクトしてほしいという願いもあります。Tenderは、ただ単に古い服をデザインソースにしたレプリカブランドではありません。例えば、なぜヴィンテージ服が珍重されるのか、その製品の裏に隠れた重要な背景を表現しています。ほぼ全てのヴィンテージワークウェアに、また長い間提供され愛されたのはジーンズです。ジーンズの原点は、19世紀半ばのサンフランシスコ北部の金探鉱で、ハードワークに耐えられるようにテントのキャンバスから造られたのが始まり。ですがデニムの歴史家によると、これはほとんど作り話なんだそうです。というのは、私たちが認識しているデニムの歴史は、リーバイスを筆頭に様々な企業が、ハードワークにも使える着心地の良いオーバーオールの必要性を、アメリカ製部の金鉱労働者に植え付ける為の宣伝文句に過ぎません。当時の広告を見ると、ネバダ州の金鉱労働者には「銀の岩と、金のヒモ、銅の山」が送られると約束されてました。ですが、まさかそんなことあるはずありません。Tenderは、そのような既成概念に対抗し、また新たにデニムの歴史に書き加えられるブランドです。デザイナーは、William Kroll(ウイリアム・クロール)氏。元々は「EURO EVISU」(エヴィス・ジーンズのヨーロッパ部門) にてデザイナーをしていました。またスーツで有名なSavile Row(サヴィルロウ)でもテーラーリングの技術を学んだこともあります。さらにデニムを極める為、デニムの聖地と言われる岡山県は倉敷市児島で、デニムの生産も学びました。現在は、イギリスのセントマーチン(University of the Arts London Central Saint Martins College of Art and Design)において、デニムの講師を勤めています。
【サイズ・寸法】
4・・・ウエスト88cm、ワタリ幅34cm、裾幅27cm、股下93cm
5・・・ウエスト94cm、ワタリ幅35cm、裾幅27cm、股下93cm
※注意※
手作業採寸の為、多少の誤差がございます。
【カラー】
Saddened wattle dye
【素材・産地】
綿100%
イギリス製
※商品についてご不明な点ございましたら、メールもしくは電話にてお気軽にお問い合わせ下さい。 またSOLD OUTになっている場合でも在庫致しますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
※ご使用のOA環境により、色目が異なって見える場合がございます。
※店頭でも販売しているため、売り違いの場合がございます。