※3/19(木)・3/25(水)・3/26(木)は、休店日とさせていただきます。
※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ待ちます!)
※今後のイベント日程と納品予定は以下。
LOUNGE ACTのオーダー会は5/23~5/31に開催致します。(既にオーダーいただいている方の製品は、4月末までに納品の予定で進行中です。)
OLD TOWNのオーダー会は、7月上旬開催予定です。
昨年の7月にオーダーいただいた1ST PAT-RNは、3月下旬に届く予定です。
今年の1月にオーダーいただいたOLD TOWNは、GW前後に届く予定です。
今年の2月にオーダーいただいた1ST PAT-RNは、9~10月頃に届く予定です。
ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「精霊の日」だそうです。
お陰様で非常にご好評いただいているPOKITのバッグ。

ラスト1点になってしまったので、メーカー在庫の最後の3つを引き取らせていだきました。
本当にもうここにあるだけになってしもた。
僕のもまだ使えるんだけど、10年後は厳しそう。

そこかしこにダメージが。



あらためて「一生モノ」だなと。
何度も言いますが、僕の一生モノと皆様の一生モノには意味が異なると思います。
一生長持ちする物ではなく、一生使い続けたい物。それは修理してでも買い替えても、です。
そんなのは結果論でしかないのですが、そこを目指してセレクトしてるつもりです。
皆様にとっての、一生店でありたいね。
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!

【ブランド】MIDDLE DISTANCE(ミドルディスタンス)
【アイテム】Fog Jacket
【価格】¥143,000‐
【コメント】
さて、早速ですが今季の大目玉を投下させていただきます!
TENDER Co.絡みではありながら、TENDER Co.とは似て非なるブランド。
いや全く似てないか。似てないけど根源的な所で共通してる部分がある。
なものですから、TENDER Co.同様説明が多いし、まともに売れるようになるまでどれくらいの労力を費やしたらいいのか・・・
私としてはものすごい覚悟を持って取扱いさせていただくブランドです!!!!!
それではまずはブランド説明から。

Massimo Osti Studio、Supreme、Stone Island Shadow Project、CP Company、Maharishiといった、
業界で最も⾰新的なブランドとの仕事で輝かしいキャリアを築いてきたRobert Newmanが⼿掛けたMiddle Distance。
グラスゴーを拠点とするMIDDLE DISTANCEは、伝統、職⼈技、そして際⽴った先進的なアプローチを融合させたブランドです。
このブランドは、20世紀後半の⼿作りハイキングギアや、WHOLE EARTH CATALOGUEが提唱した意欲的な⾃給⾃⾜運動からインスピレーションを得ています。
Middle Distanceの由来は、まだ完全には終わっていないもの、旅の中間地点を意味しています。
というブランド。
以前から当ブログをじっくりお読みになっていただいている方なら、ピンとくるかもしれません。
昨年、エドウィンとのコラボでぶっとんだデニムを作ったWorking。(ちなみにエドウィンコラボは早々に終了しました・・・)

そのWorkingは、TENDER Co.のデザイナー・ウイリアムと、このMIDDLE DISTANCEのデザイナー・ロバートのユニットなんです。
で、このロバートさんの経歴も非常に興味深いものなのでございます。
ウイリアムとタッグを組むほどの実力を持つ彼も、またとんでもない実力を持つ方でした。

本名はRobert Newman(ロバート・ニューマン)と言いまして、当然彼もデザイナー。
ウイリアムとの出会いは、あの有名な「セントラルセントマーチン芸術大学」
TENDER Co.の説明で何度も書いてますが、ウイリアムはセントマーチンで教鞭をとっていたのはご承知の通り。
ロバートは、10年ほど前にセントマーチンに学生として通っており、ウイリアムの授業を受けていたそうです。
さらには当時、TENDER Co.のセカンドライン「SLEEPER」というブランドがあったのですが、
そのスリーパーでモデルをやってたくらい、ウイリアムと仲が良かったそうです。
そして現在のロバートは何をやっているかというと???

なんと!MASSIMO OSTI STUDIO(マッシモオスティスタジオ)に所属していました!!!
まずMASSIMO OSTIについて軽く説明します。
MASSIMO OSTIとは、STONE ISLAND(ストーンアイランド)やC.P. COMPANY(CPカンパニー)創設者で、
ファッション界に多大なる功績を残し影響を与えて来た人物です。
ワーク・ミリタリー・アウトドアウェアをベースに、持てる技術の粋を集めて再構築するというイノベーションを起こしました。
このMASSIMO OSTIが行った方法論になぞらえると、例えば当店で扱っているブランドで例えるならば、
1ST PAT-RNなどもその文脈にあると言ってもいいでしょう。
そのような偉大な人物でありながら、MASSIMO OSTI氏は2005年に亡くなっています。
そのためこのマッシモオスティスタジオは、MASSIMO OSTI氏のアーカイブを管理しつつ、新しいデザインを生み出す部署として、
C.P. COMPANYが2022年に立ち上げたもの。
そしてマッシモオスティスタジオは、MASSIMO OSTI氏の息子でありCPカンパニーの社長である、Lorenzo Osti(ロレンツォ・オスティ)が中心となって運営されています。
そのロレンツォが立ち上げたマッシモオスティスタジオでは、ロレンツォと3人のデザイナーでチームを組んでいるのですが、
その内の一人がウイリアムの元生徒であるロバートだったというわけです。
そのロバート自身のブランドがMIDDLE DISTANCE。
そのMIDDLE DISTANCEの代表作となるであろうジャケットが、このFog Jacketです。

防水・透湿性のフード付きジャケット。
センターからずらされたジッパーは、イギリス軍のフォールウェザージャケットのようなミリタリーぽさを感じさせます。

説明することが色々あるのですが、まずは生地ですかね。

先ほど「透湿防水」と書きましたが、ゴアテックスを使用していません。
それはなぜか?後で説明しますが、自然環境を考えてのことです。
dimpora(ディンポラ)という会社に頼んで作ってもらった別注生地になります。
この生地はMIDDLE DISTANCE初の試みとして、スイスのテキスタイル研究所であるDimpora AGと共同で特別な3層ラミネート生地を開発しました。
Dimpora社は、スイスのチューリッヒ工科大学で化学工学と生物工学を学び、PhDを取得したマリオ・シュトゥッキにより、2019年に設立されたスタートアップ企業です。
Dimporaでは、持続可能性・防水性・通気性に優れた新世代の機能性メンブレン(薄膜)を提供しています。
従来のアウトドアウェアでは防水・透湿のために一般的に使われているフッ素化合物(PFC)ですが、環境や健康に有害とされています。
しかしDimporaが提供するメンブレンは、一切使用しないPFCフリー素材です。高
い機能性を維持しつつ、リサイクル可能性や分解性にも重点を置いており、環境負荷を最小限に抑えたアウトドア体験を可能にします。
このメンブレンには微細な気孔が点在しており、水分の浸透を防ぎつつ、空気の流入と汗の排出を可能にしています。
従来のメンブレンは、自然環境中で分解されるまでに数百年から数千年を要する、潜在的に有害な化学物質であるPFA(パーフルオロアルキル化合物)を使用しているため、環境問題を引き起こす原因となっていました。
Dimpora AGが開発したメンブレンには、こうした物質が一切含まれておらず、テクニカルファブリックの分野における大きな進歩を象徴しています。

さらにそれだけでなく、メンブレンの裏面は、同様に接着されたニットナイロンメッシュで保護されており、耐久性もアップ。
またこういったテクニカル素材を、イギリス国内で縫製しているというのも凄いんです!
製品の組み立ては、シームシーリングマシンの発明で知られるスコットランドの工場で行われています。
同工場では、救助隊や緊急サービス向けのハイパフォーマンスな防水ユニフォームも製造しています。
この手のシームテープを遡れば、古くはマッキントッシュのコートに辿り着きます。
そのマッキントッシュもスコットランド発祥。
ですので、シームテープの技術に長けているという見方もできますし、
その技術が国外に出てしまって国内では産業が廃れてしまったのではなく、今でも残っているというのが素晴らしいことで、
その工場をわざわざ使用するロバートの姿勢に共感するのです。

そして驚くべきは表地!!!
こんな最新のテック系生地でありながら、表地は化学繊維ではなく、なんとアイリッシュリネン!!!!!
まさかの天然繊維と化学繊維の融合!?!?!?
確かにリネンも通気性はいいですからね。籠った湿気は外に逃がします。が、撥水はできないだろうけど乾きやすいしOK!
というか、そもそもこの「挑戦に価値がある」わけですからね。
例えば前述のストーンアイランドだってそうじゃないですか?

最終的に剝離しようがなんだろうが、その一歩に価値があるんです。
おそらくこのアイリッシュリネンとDimporaメンブレンも、洗濯を重ねれば剥離すると思うんですよね。
でも剥がれてアイリッシュリネンに味が出て、このみたことも無い素材がどうなっていくか?
誰も踏み入れたことの無い場所を歩くってドキドキするじゃないですか?
鬱蒼とした森の中を、真っ白な新雪の上を、期待と不安が入り混じったその一歩こそが、楽しみを広げてくれるものではないでしょうか?

またこのチェックにまつわる背景もハンパない。
チェック柄は、新石器時代の亜麻織りを再現したもの。
新石器時代のチェック(Neolithic Plaid)と名付けました。
そのきっかけとなったのは、スコットランド最古のタータンチェックと言われるこの生地。

泥の底から見つかった生地なのですが、このタータンチェックの起源を調べて行く内に、
スコットランドやケルト文化よりもはるか昔、中央アジアにまで遡る可能性があることが分かりました。
それは新疆ウイグル自治区・タリム盆地の砂漠で発見された古代のミイラ「ウルムチのミイラ」が、
現代のタータンに酷似した格子柄の服を身につけていたという考古学的発見によるものでした。
これは、紀元前1000年以上も前に、高度な織物技術と文化交流がシルクロード沿いで行われていたことを示しています。
それがこの柄です!!!

5000年前の人類が作った柄!
新石器時代って、日本が縄文・弥生時代の話ですからね!
現在確認できる人類最古の柄と言ってもいいでしょう!
そしてまたスコットランド人であるロバートが、タータンチェックの始祖的柄を使うというのもいいじゃないですか!
タータンチェックというのはスコットランドの誇りですからね!!
スコットランドがイギリスに併合される際、民衆が団結しないようにタータンチェックを見に付けることを禁止したほどの歴史があるんです。
さらに!新石器時代ネタはそれだけは留まりません!

このフードに取り付けられたショックコードのストッパーのパーツ、変な形してるでしょ?
これもなんと新石器時代からの引用なんです。

この物体は、スコットランドのオークニー諸島で発見されている新石器時代の石製の球体遺物です。
直径は約 7cm(テニスボール程度)で、表面には複数の突起(ノブ)があり、時に非常に精巧な彫刻模様が施されているものもあります。
またその用途は現在もはっきりしていません。
そんな謎の石器を元に、3Dプリンターで作成しています。

もはやオーパーツみたいなもので、これを着れば気分はスプリガン!!!!!
アーカム入隊しました!!!

Workingのデザイン見ても思ったんですけど、僕からするとロバートの感性って90年代イギリスのストリートファッションなんですよね。
実際にロバートがマハリシのデザインも行っていたことはもちろんですが、当時のブランドで例えるなら「Vexed Generation」ですかね~。
ご存知の方いらっしゃいますでしょうか、ヴェクストジェネレーション。
90年代当時はマハリシを買ってたのですが、ヴェクストの方を買っておけば良かったと後悔しているブランドでもあります。
その時の後悔の念も含めて、このMIDDLE DISTANCEはこれから楽しんでいきたいと思ってるんです。

サイジングはゆったりめ。あくまでもレインウェア的扱いですね。

ジッパーはLAMPO社製です。この前ヴィンテージのRIFLEコート紹介した時にも登場しましたね!

このチェーンもどこか懐かしいディテール。
というか、防水生地に穴開けるなんてご法度でしょ!笑

以上、MIDDLE DISTANCEのFog Jacketの紹介でした。
TENDER Co.以上に歴史を掘り下げ、最新の生地と合わせる。
これ1着で「時」が圧縮されてしまったかのようです!
この加速する時代を、覚悟を持って生きていきましょうね!(エンリコ・プッチより。)
それではまた、お店で会いましょう。
