スウェーデン北部のラップランド地方で生まれ育った、Monica Johanssonは1980年からアクセサリーの製作を始めました。トナカイの肉を食べ生活し、遊牧生活を送りながら固有の文化を築いてきたサーミ族の血を受け継ぐ彼女がアクセサリー作りを始めたのは自然なことでした。ラップランドで生きるトナカイ遊牧民、サーミ族の伝統手工芸(ドゥオッチ)の1つとして生まれたこのアクセサリーは大自然の対話から生み出されています。素材には万能で捨てることのない資源であるトナカイの皮や角、さらには腱までも使用しており、これはサーミ族にとって自然の恵み、共に生きたトナカイに敬意を払うという事であります。また、装飾として使用された光沢のある銀糸はピューター(錫)と4%のシルバー(ニッケルフリー)からできた合金の糸であり、使い込むほどに輝きが増します。かつてサーミ族がトナカイでスカンディナビア半島からピューターを運搬していたという歴史から、第2の資源となり使用されることとなりました。このピューターを使って刺繍をする装飾品を作るという歴史は約1600年頃と伝えられています。その後、1800年頃に起こった、信仰深い人は自分を飾りつけるべきではないという、レスタディアンリバイバルにより姿を消してしまったが、1900年頃から再度見直されるようになりました。Monicaはこの先、サーミの誇り、長い歴史と文化が永遠に消えてなくならないようにという思いから、まずB01というモデルのブレスレットを作りました。その後も様々なモデルを作り続け、現在もなお、Klimpfjallというスウェーデン北部の美しい自然に囲まれた小さな村にアトリエを構え製作しています。サーミ族の間で幸福をもたらすお守りとして伝えられてきたトナカイの角を留め具として使用されたブレスレットは今もなお普段から肌身離さず身につけるシンボルとして伝え続けられています。