diaries blog | TENDER Co.(テンダー)| Type 904 CROSS CUT JEANS JACKET

※3/5(木)・3/11(水)・3/12(木)・3/19(木)・3/25(水)・3/26(木)は、休店日とさせていただきます。

※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ待ちます!)

※今後のイベント日程と納品予定は以下。

LOUNGE ACTのオーダー会は5/23~5/31に開催致します。(既にオーダーいただいている方の製品は、4月末までに納品の予定で進行中です。)

OLD TOWNのオーダー会は、7月上旬予定です。

昨年の7月にオーダーいただいた1ST PAT-RNは、3月中に届く予定です。

今年の1月にオーダーいただいたOLD TOWNは、GW前後に届く予定です。

今年の2月にオーダーいただいた1ST PAT-RNは、9~10月頃に届く予定です。

 

 

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「ミシンの日」だそうです。

先日、リペアでお客様よりお預かりしたTENDER Co.のジーンズ。

仕事で穿き、土作業で穿き、沢山の時間をすごしたソレは、すさまじいオーラを放つ1本のジーンズとなっていました。

修理箇所はボタンホール。みなさんもお困りでしょ?笑

いや、(笑)なんて書いたら怒られるかもしれないけど、ジーンズなんてそういうもんですからね。

ずっと穿く、修理しながら穿く、それを繰り返すごとにカッコよくなっていくものです。

ふとボタンを見ると、ブランド創設10周年のボタンじゃないですか!?

てことは5年くらいでWOAD染がこの色落ちとは・・・お見事としか言いようがないです。

働く人の姿も美しいけど、それを支える働く服がやっぱり好きだわ~。

服屋をやってて良かったなと思うことの一つに、自分ではなかなか辿り着けない景色を、お客様を通して見せてもらえることというのがあります。

僕が何でも知ってると思ったら大間違い。たくさんのお客様に支えられて、お店はやってこれてます。

そんなお客様一人一人の服の楽しみを、お買い上げいただいた後もバックアップするのは、至って当然のことでございます。

というわけですので、皆様もお困りのことがあれば、ご相談くださいね~!

 

 

じゃ、商品紹介です。

ドウゾ!

【ブランド】TENDER Co.(テンダー)

【アイテム】Type 904 CROSS CUT JEANS JACKET

【価格】¥99,000‐

【コメント】

今季の目玉の一つが早々に入荷!!!

テンダーからGジャンが届いてます!

そう!デニムジャケットではなくGジャンと言いたくなる着丈の短さ、そして左右のポケットからはセカンドを彷彿とさせます!

これはもう立派なGジャンと言いたいところですが、そうは問屋が卸しませんので、是非最後までご覧くださいませ。

 

それでは改めまして、Type904クロスカットジーンジャケットです!!!

と言われても、ぱっと見はシンプルでどこが特徴的なのか分かりませんね。安定のテンダークオリティ。笑

ではまずその「クロスカット」というワードからご説明してまいりましょう。

26年春夏の試みである「クロスカット」という技法を採用しています。

本来生地というものは「地の目(じのめ)を通す」ことをしないといけません。

つまりタテ糸は当然ながら地面に対して垂直に、そしてヨコ糸はタテ糸に対して直角に交わらないといけないのです。

しかしこのクロスカットというのは、生地を90度転回させて使用しているため、

本来ヨコ糸であるものが垂直に、タテ糸であるものが水平になってしまっているのです。

だから生地を近くで見ると、一見左綾に見えますが、実は右綾のデニムを横にしただけということ。

そのため色落ちは、「縦落ち」ならぬまさかの「横落ち」をしてしまうという、とんでもないGジャン!!!!!

ほらやっぱり変態だ。もうこの時点でGジャンではありません!

そして袖口と裾をよく見て欲しいのですが、なんとこんなところに「ミミ」が配されています。

そうです、ジーンズの裾をロールアップするとサイドに見えるあの生地の端っこ。ミミちゃん。

これは生地を横に使用しているからこそ、裾と袖口にミミを持ってくることができるんです。

生地を横にして、体や袖を包んでいるわけですね。

さらにその包み方もテンダー流。

ポイントは、「前身頃と後身頃」という概念が通用しないこと!笑笑

上の写真のように、まずは背中の中心で生地を縫い合わせるのですが、

そこから前立てまで1枚の生地(=左右1枚づつ)で包んでしまうんです。

なので両サイドに縫い目が無い。前身頃と後身頃を両脇で縫ってないんです。

このパターンを、テンダーでは「バタフライパターン」と呼んでいます。大きな蝶の羽根の様子に似ているからですね。

ちなみにこのパターンはもう10年以上前から採用しています。

うろ覚えですが2014年くらいかな~?ハイバックシャツが登場したころですね。

そしてバタフライパターンに付随して、この袖付けの方法も関係しています。

まずは、腕の上側に普通は縫製部分を持ってきませんよね?ってこと。

普通は見えない方=脇の下か後ろ側にするでしょ。

でもなぜテンダーはガッツリ見える上に持ってくるのか?

それはバタフライパターンのせいで脇に縫い目が無いから、肩の縫製に繋げて縫うしかないんです。

また「繋げて縫うしかない」と言うのは語弊があるのですが、ここはやはりワークウェアとしてのディテールを踏襲したいからという理由が大きいですね。

やっぱり「ワークウェアたるもの縫製は合理的に」という背景があるのでね、テンダーは。

そしてこちらも袖はワンピース(1枚布)で構成されているので、腕をぐるっと包んで袖口にミミが表れるということです。

 

いや~簡単なことなんだけど、普通の服と比べると相当変で、説明すると長くなっちゃいますね!

でも!やってることはシンプルなのにすごく変!という、最小限の手際で最大限の効果を生んでいる、その効果がお見事。

よく見たら、使用するボタンもTENDER Co.のジーンズのボタンフライで使ってるボタンだったり。

あえての顔(プラウタス)ボタンではなく、「じゃない方」のボタンというのが天邪鬼で最高!!!

 

そして最後に染料の説明です。

今回使用した染料は「パープルログウッド」というもので、読んで字のごとく紫色の天然染料なんです。

アステカやマヤの文化圏では数世紀にわたりログウッドが利用され、15世紀にスペイン人によって初めてヨーロッパに持ち込まれました。

1570年代には、エリザベス1世が捕鯨船をスペイン船に向かわせて、積み荷であるログウッドの押収を命じ、両国間の敵対関係は激化。

1588年にはスペイン無敵艦隊の壊滅へとつながった、なんて逸話もある染料。

 

でもログウッドなの?ログウッドって黒じゃないの???と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

改めて説明すると、ログウッドは西インド諸島と南アメリカ原産の樹木のことで、

地中部の芯材を水に浸すと血のような赤い液体が得られ、それを溶液として使用します。

そして添加物によって色が変わるのが特長で、まさに今回のケースです。

鉄を入れると黒になり、ミョウバンを入れると淡い茶褐色、そしてこの紫はアルミを混ぜて染めています。

 

というわけで、アルミを媒介とした染色方法なのですが、実はこの染料も15年以上ぶりにテンダーで使用されたんですよね。

当時はDIARIESでもWOADを取り扱うのが精いっぱいで、他の染料のアイテムまで仕入れる余裕がありませんでした。

でもほら、皆さんもそうだと思うのですが、後からなんか気になっちゃって欲しくなる=その価値に気づくというのありますよね。

でもその場合、僕は「別注」という形で実現できるのです。

なので2018年前後かな?まとまった数量をオーダーするからパープルログウッドを別注でやってくれ~とお願いしたのですが、

できませんと見事に断られてしまいました。

そんな個人的背景もありまして、ついに、とうとう入荷を果たしたパープルログウッド。感無量でございます。

 

早速ですが着てみました。

やっぱりここはGジャンらしく、ビシッとジャストサイズが好み!

横落ちした時のアタリって、肘の内側とかどうなっちゃうんでしょうね?なんて想像するだけでウケます!

このジャケット、なんと後にも2つポケットがついてるんです。

自転車に乗る時いいですね!くらいしか宣伝文句が思い浮かびませんが、たぶん使うことはないでしょう!笑

で、このポケットのせいで、横から見た時に違和感しかない!!!

どこから見ても必ずポケットが2つ見えるGジャン?キモい!笑

このポケットのせいで、前から見た時は「セカンドタイプと言えなくもない・・・」と思ってましたが、あっさりと覆されました。

シンプルなくせに常識破りのテンダー、やっぱり天才だと思いますよ僕は。

何度も言いますが、デニムを紫で後染めした挙句、横落ちしてしまうジャケット。

いわゆる正解を求める方には、到底理解できない境地にいると思います。

どうぞ底の見えないTENDER Co.という沼に浸かりたい方は、是非ともご覧下さい。

 

 

それではまた、お店で会いましょう。