ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「緑茶の日」だそうです。
お陰様でGW前半戦は忙しくさせていただいております。ありがとうございます。
いや本当にありがとうございます!
もしヒマだったら、間違いなくお店なんて締めてフェスにすっ飛んで行ってましたから!!!
アラバキのBRAHMANは見たかった・・・。
チバが!ハナレグミが!そしてSIONが「俺の声」を!(泣)
そしてお店から車で15分程度のところで開かれた常総市復興イベント「ダッペロックス」!
熱い。熱すぎる。
普段は運賃が日本一高いなどと悪口を言われ、忌み嫌われている常総線がロックスライナーという臨時便を出し、
さらにいつもは1~2両編成のところを4両編成で!!!(号泣)
常総線の本気に感動しました!(←そこ?)
じゃ、俺も本気出します。
ドウゾ!
【ブランド】Grizzly Boots(グリズリーブーツ)
【アイテム】BLACK BEAR
【価格】¥97,200-(税込)
【コメント】
Quilp by Tricker’sの時点で本気度が伝わったかと思いますが、diariesの本気はまだまだですよ!
ブーツ好きの皆さま!ついにdiariesでもグリズリーブーツを取り扱うことになりました!!!
知る人ぞ知るブーツメーカー。
取扱い店があまりに少なく、また入荷も不安定なため、幻のブーツとも呼ばれています。
どれくらい幻かって、例えば革靴やブーツのリペアで有名なUWやHさんですら、
ありとあらゆる靴を見てるのに、グリズリーブーツが修理に来るとテンションが上がるっていうくらい。
1足買うだけでも大変なので、仕入れる方はもっと大変でした。
正直言うと5年かかりました。
何気にHPとかはあったりするのですが、メールしても返信なし。
だから今度は頑張って英語でメールしたんですけど、「また今度ね!」って感じでそっけなく返され、
今度がいつなのか全然わかんねーし!!!
じゃあ得意のコネクションを使おうと思ったのですが、古巣のコネを使ってもアポイントが取れない始末。
それがたまたま足を運んだ展示会で、たまたまご紹介いただいてと、
何かがきっかけで事はトントン拍子に進むものだから、人生ってのは何があるか分からない。
あるのはただただ「行動」するだけ。
今回は5年だったけど、もっと短くても良かったのかもしれないし、長くても続けなきゃならない。
なんでもそうなんだけど、やっぱり「やろう」と思ったらやった方がいいよね。グズグズしてないでさ。
俺なんてどっちかっていうと、足より頭を動かしちゃうからいつもグズグズしてる。
グリズリーをやろうと決めたのも東日本大震災がきっかけかもしれない。
いつ死ぬかも分からない、お店だっていつつぶれてもおかしくない、
それなら後悔しないようにやりたいじゃない。自分で決めた道なんだから。
この道を歩むためなら何だってやってやろうと思ってます。
それこそ借金に借金を重ねてるし、家族の人生だって俺のために棒に振らせてるしね。
まさに死に物狂いってやつです。
前置きが長くなってすいません。
それだけちょっと思い入れがあるブーツでしてね。
それではいよいよ商品紹介に移ります。
まずはブランド紹介からどうぞ。
全てのグリズリーブーツは、伝統的な製法を用い、職人の手により1つ1つ手作業で作られています。
手作りですので同じ物は2つとない、「唯一無二」のブーツと言っていいでしょう。
上質な素材と職人気質が一体となって、履きやすいのはもちろんのこと、一生ものの頑丈さを兼ね備えた仕上がりとなっています。
またそのルックスは、作る喜びと芸術性に富んだ職人の高い技術を反映しています。
グリズリーブーツは古き良き時代のスタイルを保ちつつ、新しい感覚にも受け入れて頂けるデザインとなっています。
とまあこのブランド説明だけではあまりピンと来ませんね。
しかし、昔から本当の靴好きの人に面白がられるブーツでした。
それはきっとこのブーツを作っている職人のせいかもしれません。
クルーズおじさん
それでは次は職人紹介です!
ドウゾ!
クルーズ・アルビズは、1928年にスペイン北部の小さな町・サンセバスチャンで生まれました。
彼の職人としての人生は、16歳の時に家の近くのブーツ工房で働くことから始まりました。
以後3年間で3か所のブーツ工房で、当時は給料をもらわず見習いとして働き、ブーツ作りの技術と芸術性を身に付けました。
そして20歳の時にスペインの軍人として招集されます。
すると彼の所属部隊のブーツは、彼の技術によって常に良い状態に保たれていました。
それから18か月に及ぶ従軍期間の中で、もともと信心深いクルーズは地元の教会を訪れ、修道士と親交を深めることになります。
除隊後、クルーズはその技術を活かして修道士たちのサンダルを作り、
お返しに修道士たちはお礼にと食事とわずかなお金を払ってくれました。
クルーズがアメリカに移住を決めたのは1957年のこと。最初に移り住んだ町はオレゴンでした。
しかしその時はブーツメーカーとしてではなく、牧場で働くカウボーイとして雇われていました。
その後1970年にワシントン州スポケーンに移り、やっとブーツ職人としての仕事を見つけることができました。
その時働いた会社が、かの有名なWHITE’S BOOTS(ホワイツブーツ)社です。
ホワイツでのクルーズは、彼がただの職人ではなく、技術に精通したブーツづくりの達人であることを証明しました。
そしてホワイツに勤めて13年後、今度は自らの名を冠した「クルーズカスタムブーツ」を立ち上げます。
さらに1989年、クルーズは当時モンタナ州にあった「グリズリーブーツカンパニー」を買い取り、
スポケーンに場所を移し今もなお現役でブーツを作り続けています。
という職人さん。
まず驚くのが、現在御年88歳!!!!!いやいやおかしーでしょ!ちょっと信じられません!
しかし、彼の経歴を見るに、アメリカに(恐らく希望を持って)移住したのが29歳で、
それから肉体労働であるカウボーイを13年も続け、やっと憧れのブーツ職人に戻り、独立したのが55歳でしょ?
それでもきっと商売が上手くいかなくてグリズリーブーツを買い取ったわけですから、
やっと軌道に乗ったのが61歳になった時と考えると、本当に死ぬまでブーツを作り続けたいんじゃないかなと思ってしまいます。
例えば俺だって、大学を出て22歳からセレクトショップで働いたけど、
自分のお店を立ち上げるために5年もアパレルを離れて苦手な営業で修業してさ、
32歳で独立してなかなか商売が上手くいかなくて、今でもまだ微妙だし。
だからもし上手く行ったとしても40越えるでしょ?
それでいつまでバイイングできる?接客販売できる?情報収集できる?感度を保てる?鮮度のある会話できる?自分の足で買い付け行ける?
肉体が衰えたらさ、きっとどれもパフォーマンス下がるよ。
でもさ、俺も死ぬまでバイイング続けてさ、お客様に俺の言葉で気持ちで接客したいわけなのよ。
だから90歳目前にしてもブーツを作りつづけるクルーズさんの気持ち、なんとなく分かる気がするんだよね。
そんなクルーズさんが、必死で(マジで必死だよね・・・)作ったブーツです。
とくとご覧ください。
こちらはグリズリーブーツの中で「BLACK BEAR」というモデル。
「一般的な6インチブーツで、1日中履いていても疲れないように作られています。
このブーツは長時間歩く方や立ち仕事の方に適度なサポートし、履きやすさを考えデザインされています。
6インチのハイトップは、長時間の立ち仕事の方へ、くるぶしの適切なサポートを提供します。」
とあります。
なるほど履いてみると、確かにアーチの盛り上がりがすごいですね。
ビルケンのような突き上げ。これは偏平足の方はつらいかも?
そして履いてみてもう一つ気になるのが、靴底の形。
なんかすごいグラグラするの。
バランスボールに乗っているような感覚。もしくはMBT的な???
なんだか非常にクセのある靴だなというのが分かります。
次に素材。
珍しいBlack Rough Outという毛足の長いスエードレザーです。
diaries別注になります。
いや厳密に言うとね、珍しくも別注でもなく、インラインにあるんですけどね、現在この素材を使わせてくれないんですよ。
なぜかというと色ムラが激しいから。コントロールできない粗っぽい素材。
左右の色が違ったり、スエードの質感が違って別な靴くらいに見えたりするんです。
だから利益最優先のお店や、リスクを負えないお店では取り扱うことができないんです。
もちろん私も最初は断られたのですが、諦めませんでした。
その理由は、例のヤツです。
俺が持っているのがコレと同じやつだから!!!
15年物のGrizzly BootsのBlack Rough Outを使用したBLACK BEARブーツです!!!
ご覧くださいこの色!
黒から緑がかったグレーに!ホントにグリズリーみたいでしょ?クマー
ブランド名もグリズリーだし、このモデル名もブラックベアだし、この熊っぽい素材じゃなきゃいけないとまで思っています!
当時買う時も合わせやすい表革と個性的なスエードと迷ったのですが、この圧倒的な存在感に負けました!
そしてこのブーツを履いていると、行く先々で聞かれるんです。「それどこの?」とか「雰囲気ヤバイですね!」とか。
テンダーのウイリアムにも「Very Cool!!!」って言われました。
ちなみにこの色になるのは長く履いているだけじゃ多分無理。
実はですね、私このブーツがマボロシ級だとは知らず、雨用のブーツしてしまってたんです・・・
ちなみに私の雨用のブーツはこちら。
上がGuide&Roselliniのチャッカで、左がおなじみALDENのインディブーツ・・・
どれも10数年前に購入したものなので、まさか今ほど価値が上がるとは夢にも思わず・・・
本当にもったいないことをしてしまいましたが、さすがにどれもタフですね。
そんなVery Hardな使い方をされ、こんな色になってしまったとさ。
でもこれがブランド説明にもある通り、まさしく「唯一無二」な存在なんです!
それくらいのブーツだから、どうしてもこの組み合わせにしたくてね。
初めてのオーダーだし、個人店なので信用もありません。
だけどこのブーツがどういうものかを分かっていることを、自分が履いていたことで説明することができ、
オーダーを受け付けてくれたんです。
それを信じてくれたメーカーさんには、本当に感謝しています!
商品説明に戻ります。
ワイズが細そうに見えますが、Eワイズでオーダーしています。
実は私物のがDワイズで、履き始めはJMウエストン以上の万力固めに見舞われたので、
大は小を兼ねるってことでEワイズで。ご覧の通り、シルエットには大差ありませんでした。
製法はステッチダウンでダブルステッチ。(この部分じゃ分からないか)
アウトソールも極厚のビブラムソールなので、ホントに雨の日は最高なんですよ!
ちなみにこのラフアウトスエードなのですが、どこにもブランド名が入らないのです。
かろうじてサイズが分かる程度。
でもね、街でごくまれに履いている方を見たりしますが、見れば一発で分かるのがグリズリーブーツなんです。
そしてブランド名が入らないのは箱も。
衝撃的!!!ただの段ボール箱!
テープをベターっと貼っただけ!
所詮ワークブーツなんだから、頑丈で履ければいいんだよという、クルーズおじいさんの職人気質が伝わってきますね!
しかし、なぜかこのダンボールすらも愛おしくなってしまうんです。
その理由がコレ。
まさにミミズが這ったようなヘタクソな字ですが、これがクルーズさんの手書きの字!
すばらしい!
このように良くも悪くも作りが粗いのが、いい味になってしまうんだよな~。
ご理解のある方のみお買い求め下さい!!!
そういや先日、Beginでラッセルモカシンの話が載ってたみたいですね。
ダブルヴァンプとトリプルヴァンプがもう作られない話。
そしてフェルナンドレザーのスティーブも、事実上の引退。
diariesで取り扱ってきた名作達が、どんどん手に入れられなくなっています。
そんな私だから言いますけどね。次に手に入らなくなる靴は、恐らくこのグリズリーブーツです。
そりゃ職人の年齢を考えたらね。だからこれは早めにご検討下さい。
私も仕入れられる内に、できるだけ仕入れようとは思っていますが、実は今回オーダーの半分しか届いてなかったりします。
私が死に物狂いでオーダーしたブーツ。
みなさまにも同じようにお求めいただけたら本望です。
それではまた。お店で会いましょう。