ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「ニンニクの日」だそうです。
人生で一番ニンニクを食べたのは、百麺世田谷店に通ってた頃。
卓上の揚げニンニクを、2人で一瓶食べきってたわ。
M田さん、本当にすいません。。。
本日はうるう年の中のうるう日。
4年に1度だけのボーナス日です。ありがたや。この1日で本当に助かるね。月末ですし!!!
あ、S鎌さん、誕生日おめでとうございます。
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!
【ブランド】INDIVIDUALIZED SHIRTS(インディビジュアライズドシャツ)
【アイテム】Cambridge Oxford Standard Fit B/D L/S
【価格】¥24,840-(税込)
【コメント】
いつものシャツです。
シーズン初めは定番アイテムの紹介が多くなりますね。
長らく当店のブログをご覧いただいている方にとっては、少々退屈かもしれません。
が、定番であるならば、本来であれば全てのお客様に持っていて欲しいアイテムということなのです。
せめて1着だけでも。
なぜそこまで言うかというと、「シャツの良さを知って欲しいから。」なんです。
ここ言うシャツとは、Individualized shirtsのシャツに限定するのではなく、「シャツという服そのもの」を示しています。
目的は、お客様が良いシャツというものはどういう物かを知り、お客様ご自身が審美眼を得、よりよい買い物ができるようになること。
その上で、当店をご利用いただき、当店で扱う商品をお買い求めいただけるようになれば、この上ないことだと思っています。
そしてなぜIndividualized shirtsかというと、このクオリティでこの価格というバランス、
つまりコストパフォーマンスが見事に取れているアイテムだと思うからです。
先ほど定番と書きましたが、英語でStandard。
Standardはまた標準や基準という意味もあります。
この世にある全てのシャツのStandard(基準)として存在する。そんなシャツだと思うのです。
また、先ほどの「目的」にどうかかわってくるかと申しますと、
Individualized shirtsを知ることで(もちろん知るためにブログを読んだだけではダメですよ。着てみないとね。知るではなく識る。)、
例えばIndividualized shirtsより安いシャツはなぜ安いか、逆になぜ高いかを理解することができ、
ブランドや広告に惑わされず、より納得のいく買い物ができるようになるんです。
そうすると、オシャレはもっと楽しくなります。
全てはお客様に洋服を楽しんでもらうために。
それでは詳しく見ていきましょう。
まずはブランド紹介からです。
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1961年 、アメリカのクラフツマンシップが多く残っていた時代
マンハッタンの対岸 ニュージャージー州
今もヨーロッパの風景を残す小さな町アンボイ
インディビジュアライズド シャツ社はカスタムメイド(オーダーメイド)の専門ファクトリーとして創業しました。
歴史は50年ほどで老舗シャツメーカーというには若いメーカーですが、
1枚のシャツへのこだわりは創業以来一貫しており、
特にカスタムメイドシャツの分野では現在もアメリカ国内シェア1位を誇っております。
2003年まで、BD(ボタンダウン)シャツ(ポロカラーシャツ)の原点を作り上げたBROOKS BROTHERSのカスタムシャツ部門を全て任され、
(2003年BROOKS BROTHERS USAが外資に買収され契約関係を終了したため。)
現在もNYの最高級百貨店 BERGDORF GOODMAN、アラン フラッサー氏の直営店もあるSAKS FIFTH AVENUE等、
全米の高級紳士服専門店のカスタムシャツを手がけ、
また顧客リストの中にはブッシュ氏も含む歴代大統領やハリウッドスター、
スポーツ選手などのセレブリティーが名を連ねています。
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というもの。
老舗と言うにはまだ若い方だと思いますが、そのシャツから漂う雰囲気は創業50年という若さを感じさせないくらい。
もはや重鎮です。
diariesでも取扱いを初めて6年目。
私のインディヴィジュアライズドシャツのコレクションも段々増えてきました。
コレクションというのは語弊がありますかね。
別に集めているわけではありません。結果的に集まったというのが正しいと思います。
一番古いのでかれこれ約15年の付き合い。
調べてみると、インディヴィジュアライズドシャツが本格的に日本上陸したのが2000年なので、ちょうどその頃に買ったわけです。
そしてお店を初めてから1年に1~2着づつ買うペース。
お店のオーナーならもっと買えよって話ですが、私のサイズがまさかの完売や先立つものがなかったり・・・
そうそう。当店のお客様には、こんな方もいらっしゃいました。
弊店が初めてインディヴィジュアライズドシャツを取り扱った2011年春夏。
その時にお買い上げいただいたお客様のシャンブレーシャツ。
大変お気に召していただき、ヘビーローテーションで着ていただいたのですが、
オックスフォードよりも番手が細い生地なので、やはりどうしても袖口や襟首が擦り切れてしまいます。
そしてこのシャツの寿命がこれで終わりかというと、そういうわけでもないんです。
このお客様がどうしたかというと、、、
破れた部分に当て布をして、まだまだ着続けていただけるそうです。
こんな嬉しいことってあります!?!?!?
これは洋服屋冥利に尽きるというか、ホントこのシャツは良い人に買われてよかったな~~~~~~~~としみじみ思いました。
新品とかヴィンテージとかの壁を軽く超えた瞬間だと思います。
十年後、二十年後、このシャツはいったいどんな顔をしているのでしょう?
それを考えるだけで、私はいつまでもこの仕事を続けていたいと思えるんです。
ご覧の通り、両袖口とネック以外まったく問題ないですからね!
じゃあなんでそんなに丈夫なのかっていうと、やはり縫製が丁寧だからではないでしょうか?
それではその辺をご紹介していきましょう。
インディビジュアライズドシャツの最大の魅力は、現在に残る良質のmade in USAであることです。
マンハッタンの対岸に位置する町・アンボイで、熟練した縫製スタッフによって作られている最上級のシャツです。
最上級の裏付けとして、例えば1インチ幅約(2.54cm)で25回のステッチングをスタンダードとしています。
また縫製とともに優れているのがパターン。
特に個人的に好きなのが襟。
そしてBD(ボタンダウン)カラーのロール感、BAND(台襟)のスクエアーラインのデザインは、
ブルックスブラザーズのBDシャツ(ポロカラーシャツ)を作り続けた実績により得られた技術であり、
他のシャツメーカーでは決して真似の出来ない傑作と言えるでしょう。
そして気になるシルエット。
恐らくこのスタンダードフィットは、非常に日本人の体形に適していると思います。
ちなみに他のシルエットには、Classic fitとSlim fitがあります。
実際自分みたいなブーデーはクラシックフィットでもいいんですけど、
うちのお客様だと、うらやましいことに皆スタイルがよく、スタンダードフィットがオススメだと思いました。
また、スリムフィットというものがありますが、さすがにそれは細すぎ。着られる人が限られます。
スリムフィットの場合、胸ポケットが付かないのも個人的にはチョット・・・
なぜなら、アメリカンボタンダウンシャツというちょっと野暮ったいアイテムだからこそ、ポケットが必要と思いました。
ちなみに本場アメリカでは、胸ポケットのあるシャツは田舎者が着るダサい服と思われています。
当然それを踏まえた上で、そもそもアメリカの服というのは合理性・実用性を重視していますので、
やはりポケットはついていて欲しいと思うんです。
そしてやはりインディヴィジュアライズドシャツの説明に不可欠なのは、このヨーク部分ですかね。
肩のヨーク部分はコンストラクションヨーク製法を採用しています。
ルイジボレッリ(イタリアシャツの帝王)なども採用している製法で縫い目を見せない特有の縫製方法です。
「コンストラクションヨーク」と呼ばれるものですが、日本語にすると「袋縫い」という意味だそう。
どうやっているかというのを、ブログをご覧いただいた方に教えてもらったのでコピペします。
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ヨークの袋縫いはまず、ヨークと後身頃を縫い返し、
次にヨーク前端と前身頃を出来上がりの状態にセットし、
それを衿ぐりから引っぱり出して地縫いします。
それを元に戻してアイロンを掛けます。
通常の様にヨーク前端を折ってたたきつける方法だと生地が伸びてしまうもの、
例えばレーヨン、シルク等にも適した手法だと思います。
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と言うわけです。
私の推測ですが、タックインなどをすると負担がかかるバックヨークの部分に対して、
ストレスを軽減させるためにわざわざ用いられたのではないかと思います。
最初はステッチを隠す「粋」なやり方だなと思っていましたが、長年使用するに耐えられる大事な工程の1つだったんですね。
TOORIさん、教えていただき本当にありがとうございました。
またインディヴィジュアライズドシャツが登場する前と後で、この袋縫いをする国内ブランドが増えたように思います。
それくらい日本のファッション市場に影響を与えたと言っていいでしょう。
またヨークだけでなく、背中のプリーツはセンター。
ラルフローレンやヨーロッパのシャツがBDシャツに採用しているサイドプリーツと違い、センタープリーツを採用しています。
アメリカのシャツメーカーの基本的な考えで、本来のシャツはセンタープリーツで
ユニフォーム・ワークウエアー・軍服などがサイドプリーツであるとの理由からです。
最後に素材。
diariesでは便宜上、春夏ではケンブリッジオックスフォードを、秋冬は中厚のレガッタオックスフォードを展開するようにしています。
別に着るシーズンは問わないんですけどね。お客様に色々知って欲しいという意味で分けてます。
ケンブリッジオックスフォードは、Individualized shirtsが使用する生地の中でもライトな素材。
ですが、しっかりとオックスフォード生地らしさを残している絶妙な素材感。
実は素材が違うと、発色も微妙に違ってくるんです。
コチラの画像をどうぞ。
どちらも当店が毎年オーダーしている素材なのですが、
左がレガッタオックスフォードで、右がケンブリッジオックスフォード。
レガッタはアメリカントラッドらしい若干くすんだブルーなのに対し、
ケンブリッジはその名の通りブリティッシュトラッドにも合いそうな上品な表情となっています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いかがでしょうか?
着てみたくなりましたか?
これでまたファンが増えてくれるといいなぁ~
それではまた。お店で会いましょう。