※26(水)・27(木)は、休店日とさせていただきます。
※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ待ちます!)
※OLD TOWN(2025SS)オーダー分の入荷は、5月下旬~6月初旬になりそうです。
ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「電気記念日」だそうです。
それでは発表させていただきます!
WALSH TRUNK SHOWを開催致します!!!!!
ブログ冒頭で匂わせていたスニーカーのポップアップとは、数少ないイギリスのスニーカーブランド「WALSH」でございます。
すでに店頭で何人かの方に聞かれてはおりますが、誰一人としてご存じの方はおりせんでした。
皆様のリアクションからは、コレジャナイ感がヒシヒシと伝わってくるのですが、
やはりそれでこそDIARIESらしいセレクトだったなと改めて思います。
どんな有名なすごいブランドが来るんだろう!と胸をときめかせていた方には誠に申し訳ないのですが、
やっぱりDIARIESはどうしようもないなということで、ご容赦ください。
それでは改めてWALSHのブランド説明と、いきなりトランクショーを行う経緯をご説明いたします。
まずはブランドから。
創業者であるノーマン・ウォルシュは、1931年7月20日にイギリスはボルトンのドーブヒルで、3人兄弟の末っ子として生まれました。
1945年、14歳で学校を卒業したノーマン・ウォルシュは、靴職人であった父ウィリアムの後を継ぎ、靴業界に入ります。
そしてボルトンを拠点とするJ.W.フォスター&サンズ社で修業を始めました。
1948年、ジョー・フォスターとジェフ・フォスターは、ノーマンが天才であることを認め、夏のオリンピック英国代表チームや、
アリステア・マッコーコデール、モーリーン・ガードナー、アーサー・ウィントといった有名選手を含む、
数名の競技者が使用する「フォスターズ・デ・リュクス」トラックスパイクの製造に彼を抜擢しました。
それがきっかけとなり、ノーマンの名前と作品は、数多くのプロアスリートの間で広く認知され、彼は非常に人気の高い職人となりました。
1958年、ボルトン・ワンダラーズFCがマンチェスター・ユナイテッドFCに勝利し、
ロフトハウスが決勝ゴールを決めたFAカップ決勝戦で、ノーマンはナット・ロフトハウスが履いていたブーツをデザインしています。
この試合は、史上最高のFAカップ決勝戦のひとつとされています。
そして1961年、ついにノーマン・ウォルシュはフォスター兄弟の会社を離れ、自身の名を冠したブランド「WALSH」を立ち上げることになりました。
1960年代後半、ついに代表作が誕生します。ピークディストリクト地方の郊外にいたノーマンは、
険しい未開の地形に触れ、先駆的なマウンテンランニングシューズ「ペナイン・アダー」を開発しました。
このシューズは、北イングランドの山岳地帯を頻繁に訪れる地元のランナーやスクランブラーの間でたちまち人気を博し、
やがて尊敬するフェルランニングのアスリート、ピート・ブランドの目に留まりました。
1970年、フェル・ランナーズ・アソシエーションの設立を経て、ノーマンとピートは共同で世界初のフェル・ランニング・シューズ、ウォルシュPBを開発しました。
そのウォルシュPBが、設計された困難な競技環境において高い効果を発揮することが証明されたのは、1980年代に入ってから。
その卓越した性能は、著名な登山家であるクリス・ボニントン卿と彼のチームの目に留まり、
彼らはトレーニング用として、また1981年の歴史的なコングール山初登頂成功に至る初期段階での使用しました。
さらにチームは、1985年のエベレスト南西壁遠征でも、ウォルシュPBを使用しています。
また進化を続けるノーマン・ウォルシュは、1971年にシューズのミッドソールにEVAを採用したパイオニアであり、
その結果、クッション性、柔軟性、快適性、軽量性が向上しました。
この画期的な出来事により、現代のトレーナーが誕生したと多くの人が考えています。
1970年代から1980年代にかけて、ウォルシュのラグビーブーツは、その卓越したデザイン、
優れた品質、そしてフィールドでの高いパフォーマンスにより、絶大な需要がありました。
ウェンブリーでウォルシュのラグビーブーツを履いたプロ選手の数は、他のすべてのブランドの合計を上回り、
ラグビーリーグのトップゴールキッカー10人のうち、9人もの選手がウォルシュのラグビーブーツを履いていたそうです。
ウォルシュはクリケットでも活躍し、フィールドで賞賛を浴びました。
尊敬するイギリスのテストクリケットのキャプテン、トニー・グレイグは、ウォルシュのクリケットブーツを好んで履いていただけでなく、
彼のチームメイトやオーストラリア、西インド諸島チームの数多くのプロ選手も、ウォルシュのブーツを愛用していました。
1970年代後半から80年代前半にかけて、ロードランニングやマラソン人気が高まると、
ノーマンはエンサイン、ワールウインド、トルネード、チャンピオンなどのマラソン専用シューズを開発しました。
さらに、1984年と1988年のオリンピックに合わせて、ノーマンはそれぞれLA’84モデルとソウル’88モデルを発表します。
1978年10月、ウルトラランナーのドン・リッチーは、ウォルシュ・トルネードを着用し、
クリスタル・パレスのトラックで100kmを6時間10分20秒、1マイルあたり約6分弱の平均ペースで完走し、40年間破られることのなかった世界記録を樹立しました。
近年では、ウォルシュは著名なブランド、デザイナー、ショップとのパートナーシップを通じて、
Anthropologie、Barbour、Boden、Chivas Regal、Dover Street Market、Fortnum & Mason、Fred Perry、
Joseph Cheaney & Sons、Lexus、L.K. Bennett、Margaret Howell、McCann London、Neon Genesis Evangelion、
Paul Smith、Represent、Solovair、Starbucks、Sunspel、Universal Works、YMCなど、様々なコラボレーションを実現しています。
という知る人ぞ知るイギリスの名門スニーカーブランドであり、現在でもイギリス製を貫く稀有な工場でした。
そう、「でした」なんです。
ここから「なぜいきなりトランクショーを開催することになったのか?」という理由を説明します。
実は1年以上前から、DIARIES別注のWALSHの構想を練っていたんです。
写真を送ってサンプルを作ってもらい、いよいよデザインが決まって今年の7月くらいには発売できる段取りで進んでました。
しかし悪い報せというものは、突然やってくるものです。
なんと、「中国企業に買収されることが決まった」という連絡が先月来ました。
買収後の状況も良いものではなく、イギリス工場は閉鎖、従業員も解雇。木型も変えてデザインも一新し、中国製で新たなWALSHがスタートするとのこと。
やはり時代の流れには逆らえないようです。
時代遅れの設備では生産効率も上がらず、利益も出ませんからね。
従業員は7人程度だったそうです。クビなんて簡単なのでしょう。
デザインも全く時代にそぐわないデザインですし、本当に野暮ったいんですよね。
売れるわけがないんです。
だが、それがいいんです。
本国製を大事にし、従業員を大事にし、無理に売れようとしてない。カッコ悪いままでいい。(とまでは思ってないかもしれないけど!)
なぜなら、「カッコよく見せることは、僕らお店の役目だと思っている」からです。
魂の籠った物を作ってくれれば、あとは俺らが売ってやる!売れるまで売り続けるよ!
そういう思いで僕はセレクトをしています。(だから変なセレクトになってるんだと思うんだけど)
やっぱりさ、人が一生懸命に手を動かして作った物は美しいのよ。
見てくれはあんまりでも、どこかに美しさが隠れているはず。
それを見つけて引き出してお客様に伝えるのが、お店の仕事ですよね。
まあでもそんな面倒なことは誰もやりたくないので、簡単に売れる物だけ売れていく。
売れない物は消えていく、そんな時代になってしまいました。
悲しいけれど、最初で最後のWALSHの取り扱い。
僕も、なんでもっと早く決断して取り扱わなかったんだろうと後悔してます。
なので皆様も、あの時買っておけばよかった(もうみんな沢山後悔してるでしょ?DIARIESだけでも)と思わないよう、是非ともご覧いただけると幸いです。
最後にトランクショーの概要です。
期間は4/12(土)~4/20(日)
ご用意する在庫は、全部で67足。
価格は18000~34000円(税抜)
サイズは21.5㎝のレディースサイズから、28.5㎝のメンズサイズまで。
オーダー会ではなくトランクショーなので、その場で購入できる即売会となります。
以上です。
長くなってしまったので、商品紹介はお休みです!(オンラインショップにたくさんアップしたので、見てね!)
それではまた。お店で会いましょう。