ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「精霊の日」だそうです。
あ、そういえばパターンオーダースーツ再開しました。
そもそもdiariesでスーツオーダーできること自体、ご存じでない方がいらっしゃるかもしれません。
実はひっそりと承っております。
だからギットマンのドレスシャツとか、サンダースでフォーマルシューズを別注してたりするんです。
仮にも「洋服屋」なので、自分でできる限りのことはなんでもやってみたいのです。
またこの「自分で」というのがこだわりというか、私の頭の固いところなのですが、
スーツ屋さんを呼んでオーダーフェアみたいなイベントとしてやりたくないというこだわりがあります。
基本的に私の方でいつでも受け付けられるようではないとお店とは言えないと思うので。
せっかく私のお店を持っているんだから、私でなんとかしたいのです。お店と私自身のレベルを高めるためにもね。
ちなみに、わざわざdiariesでスーツをオーダーするメリットとしては、
まずやりすぎないことですかね。ウチらしいかな?
実はスーツの採寸や細かいデザインて、担当者の趣味嗜好がかなり出ます。
サイジングやパンツの太さやジャケットのデザインで、担当者の年齢も分かったりします。
担当者もどうしても自分の得意なテイストに持っていこうとしますからね。
次のメリットは安心感です。
まずはクオリティの安心感。工場は隠さず教えますので聞いてください。
次にデザイン面での安心感。奇抜なやつは勧めません。
そしてカウンセリングの安心感。
スーツが必要となった時には、何かしら背景があるはずです。
しかしその背景を、「アパレルの人」はどこまで理解できるのでしょうか?
その点私の場合、アパレルを一旦離れ、様々な経験を積んでおりますので、
時・場所・目的に応じた着こなしとデザインの提案が可能となるわけです。
とまあスーツも奥が深くて、話始めると終わらないのでこの辺にしときますが、気になる方はお気軽にどうぞ!
気軽に聞けるのもdiariesならではだと思うので!
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!
【ブランド】DOLMEN(ドルメン)
【アイテム】Hunting Jacket
【価格】¥28,080-(税込)
【コメント】
今季もまたまた新しいブランドの取り扱いを増やしております!!!
そして探せばまだまだあるんですね!こんなどストレートなフレンチワークのブランドが!
それではまずはブランド紹介からどうぞ。
DOLMEN(ドルメン)は1922年、フランスの北西部、ブルターニュ/GUINGAMP(ギャンガン)にて創業したワークウェアブランドです。
ブランド名であるDOLMENとはこの地に残る支石巨石墓で、数々の神話が残る神秘的なブルターニュの地においても特にミステリアスな事象の一つです。
常に地元に根付いた活動を続けて行く事を目指した創業者はその願いを込め、ブルターニュの代名詞と言えるDOLMENをブランド名として掲げました。
そのスピリットは3世代の時を経た現在でも脈々と受け継がれ、近年、大変希少になりつつあるMADE IN FRANCEにこだわり続ける老舗ファクトリーブランドです。
使用される布地はもちろん、工場で働くスタッフ、副資材にいたるまで地元に根付いた環境の中で可能な限りを手配するその姿勢は、
PURE FRANCE MADEを具現化しうる数少ない生産背景です。
アクティブウェアに端を発する彼らのコレクションは、作業着、マリンウエア、ハンティングと、ワークからレジャーまで多岐に渡ります。
ワークウエアであるべく縫製された細部の仕様は、シンプルでありながら、歴史に紐づいた伝統のディテールがちりばめられており、
歴史あるファクトリーによって生み出される「味わい」は代えがたいものです。
95年目を迎える老舗ファクトリーは、現存するワークウエア工場としてはフランス最古の物となりました。
というブランドです。
例えばdiariesを代表するMade in Franceのワークウェアブランドで言うと、まずはエルヴィエプロダクションが挙げられますが、
正直フランス製で作り続けるのは辛そうです。
そして次はル・ラブルールもありますが、こちらも綿100%のモールスキン素材が手に入らなくなってしまったので、
diariesではモールスキン素材でのオーダーを見送っております。
このように、古き良き時代の良い物が年々無くなってきているのは確かなのです。
といいつつも、実は私は「物が良ければ別にどこ製だっていいじゃん」とも思ってもいます。
そんな気持ちもありつつ、まだ生産国にこだわれるなら、折角なのでこだわってみようとも考えています。
もちろんノスタルジックさを大切にしたいという気持ちも。そういうのに弱いので。
話を戻します。
そんなドルメンですが、実はこちらも生産が不安定。
なので、売っているところをほとんど見かけません。
作ってくれって言っても、なかなか作ってくれない。
そこで、今ある在庫でどうにかならないか?と相談したところ、
ハンティングジャケットの白だけならすぐに出せるということになり、
じゃあそれを染めちゃえ!ってことで、結果的に別注となって届いたのが今回のジャケットになります。
で、この染め。
この緑がかった青を見れば、diariesのお客様の3割くらいはお気づきになるのではないでしょうか?
そうです。こちらはフランスのPastelという天然の藍染め。英語ではWoad(=ウォード)です!!!
では改めまして、パステルもご説明しておきましょう。
Pastel Bleuは、ホソバタイセイ(isatis tinctoria)を用いた染色方法で、「世界最古のブルー」と言われています。
その起源は古代エジプトまで遡り、16世紀末にインド藍(タイワンコマツナギ)が輸入されるまで、
ブルーを表現できる唯一の染料としてヨーロッパで重宝されていました。
パステルは、まずホソバタイセイの葉を摘み取り、すり潰し、乾燥させた後、
その繊維を発酵させ、グレープフルーツ大の大きさに丸めます。
そしてできたのがCocagnes(コカーニュ)という染料の塊。
コカーニュは、金にも並ぶ貴重な物として、大切に扱われてきました。
パステルの一大産地であったフランス・Toulouse(トゥールーズ)はその産業で栄華を極め、
そのブルーは富の象徴とされ、ナポレオンは彼の軍隊の制服にパステルブルーを用いました。
しかし、バクテリアを用い発酵を促しながら進めるコカーニュ作りや染色作業は、
非常に熟練した技術が必要で、安定した色を出すためには、天候や気圧にまで注意しないといけません。
そのため、16世紀末に安価で扱いの用意なインド藍がアジアから大量に輸入されることで次第に衰退し、
さらにドイツで合成インディゴ染料が開発されることで、技術の伝承は完全に潰えたかに思われていました。
しかし後年、この失われつつあった伝統技術を継承すべく、数名の有志がPastel Bleuの復活を試み、成功させます。
現代でもこの技術を扱える職人は数えるほどしかいませんが、確実に次の時代へと受け継がれています。
とこのように、フランスらしいワークウェアをフランスらしい藍染めで染め上げました。
それにしても、今回の染めは上手すぎて、ボタンまで染まってるわ!
ここまで染まるなら、ボタンも天然素材だと思います。
そしてボタンの模様を見ると、おそらくコロゾボタンかも?象牙ヤシを削って作られたものです。
メーカーもフランス、染料もフランスと来たので、最後にデザイン。
デザインも、これぞ「フレンチハンティングジャケット」といわんばかりです!
まずは背中のゲームポケット。
そして現代の服ではなかなか見かけませんが、フランスのハンティングジャケットは大体こうなっているというディテールが、このわきの下。
〇〇〇〇スリーブです!
ハンティングといっても貴族の遊びまたはスポーツのようなものなので、
このように趣向を凝らした服を着て、ハンティングを行っていました。
カッコいい上に機能的。ズルい作りです!
ちなみに、私物の50年代のハンティングジャケットも見せちゃいますが、
例の動物ボタンてやつですけど、
このジャケットにも同じような作りです。
採った獲物をしまって運ぶゲームポケットも付いてます。
今度は、ヴィンテージに無いディテールをご紹介。
まずはガンパッチ。
本来はパッドが入って、銃の衝撃を吸収するためのディテールですが、こちらはその名残りなので、クッションは入ってません。
しかし、このパッチ部分がパステルと相まってどのような色落ちをしてくれるのか!?楽しみでしょうがないですね!!!
また、ウエストベルトも見たことないですね~。
ダブルリングなので細かい調節が可能なのがいいです。
そしてこのベルトが通っている穴も独特。
まさかのゲームポケットを通って!?ではないのですが、実際は店頭にて。
最後に着こなしです。
個人的に、こういうコテコテなアイテムはドレッシーに着てあげると上手くまとまると思ってます。
まあヴィンテージを着る時と同じメソッドですけど。
ここでフライツォーリのベストの登場!
ワーク×ドレスの着こなしは、簡単にオシャレに見えるので、かなりオススメしたいです。
パンツはドレス寄りに持っていくなら細目で、ワーク寄りにしたいなら太目でと、どちらのシルエットでもイケますよ!
ちなみに残るサイズは、サイズ1=XS程度、サイズ3=M程度のみとなっております。
サイズ1を女性が着てもカッコイイですね。
例によって数は少ないです。お早めにどうぞ。
それではまた。お店で会いましょう。