Fileuse d’Arbor(フィルーズダルボー)のDouarnenez

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「メンチカツの日」だそうです。

この前肉屋でメンチカツ買って食ったんですけど、そりゃ美味いよね。

でも味わってたら、これハンバーグをフライにしただけだなと気づき、

本当に美味いメンチカツってどんなでしょう?あと本当に美味い餃子も探してます。

どっかないですかね?

 

 

 

 

じゃ、商品紹介です。

ドウゾ!

【ブランド】Fileuse d’Arbor(フィルーズダルボー)

【アイテム】Douarnenez

【価格】 ¥21,600-(税込)

【コメント】

昨シーズン取扱いを始めるとともに瞬く間に完売し、今季も入荷待ちの方がたくさんおられます。

まあ、diariesのお客様でしたら間違いなく好きなヤツですね!

 

それでは、まだご存じない方のために、まずはブランド紹介から参りたいと思います。


Fileuse d’Arvor(フィルーズダルボー)は、1927年にフランス北西部ブルターニュ地方の大西洋を望む港町

Quimper(カンペール)にて、Pierre BrestとMarie Brestにより設立されました。

およそ一世紀に渡り、Fileuse d’Arvor社は地元に根付いた経営を続け、今でもMade in Franceにこだわり続けています。

創業当初より幅広くマリンウェアを展開しており、中でもボートネックのマリンセーター「マリニエール(=バスクシャツ)」は、

同ブランドを象徴するアイテムです。

Cut&Sawn(丸編み)のバスクシャツは本場フランスでも様々なメーカーで展開されていますが、

「バスクシャツ」の名称は、その発祥の地であるスペイン・バスク地方手編みニットセーターが元となっている説があります。

そしてFileuse d’Arvorのコットンマリニエールは、ニットの手法を用い作られており、

よりオリジナルのバスクシャツに近いアイテムと言えるでしょう。

またマリニエールという名称は、フランスではブルトンシャツ(=ブルターニュ地方のマリンシャツ)と呼ばれることも多く、

ブルターニュ地区最古のマリニエールサプライヤーであるFileuse d’Arvorは、

フレンチマリンウェアのルーツを語る上で最重要ブランドの一つと言えます。

上質なコットンをたっぷりと使用し、丁寧に編み上げられたFileuse d’Arvorのマリニエールは、

丸編み機では再現できないニット特有の質感と優しい肌触りと耐久性を備えています。

中でも、Fileuse d’Arvorの製品の特長である、伸び止めと補強のために2重に縫製されたショルダーは

同社のオリジナルとして商標登録されており、他のメーカーではマネができない普遍的な縫製仕様となっています。

海外に生産拠点を移すブランドが多い中、実直にMade in Franceを守り続け、

フランス海軍のオフィシャルサプライヤーとしても活躍していた実績などもある

歴史と確かな技術に裏付けされたフレンチマリンワークブランドです。

裾口に付くワッペンは、海軍のユニフォームを支給していたフランス海軍の空母、

JEANNE D’ARC(ジャンヌダルク)号の旗章であり、オフィシャルサプライヤーとして正式に使用を受諾されています。


 

というブランド。

ブランド説明が長ければ長いほど興奮するという、本当にどうしようもない性癖性格です。

長文フェチ。

 

ドキドキするブランドに出会った時は、もうアドレナリン出まくりですが、

さすがに肝心の服を作りを気にしないとまずいので、見ていきましょうかね。

モデル名はDouarnenezと書いて、ドゥアルヌネ。

ドゥアルヌネ。とっても発音しにくい。

由来は地名で、フランス最西端にあるブルターニュ地方の街の名前。

漁師の街だそうです。

 

で、実はこのセーターにはちょっとした逸話がございます。

このセーターは、もともとフィールズダルボーの創業者がドゥアルヌネの漁師に「楽で丈夫なセーターが欲しいんじゃが」と

相談されて作ったものになります。

そこでボディは全てリブ編み、これを「Fisherman’s Stitch」と呼び、伸縮性が高く体にフィットし着心地を良くしています。

次に耐久性。

こちらは同ブランドのバスクシャツ同様、最も重量がかかるショルダーラインに着目。

バスクシャツと同じ考えで作られたニット製品です。

具体的には、

このように前身頃が後ろまで行き、肩を覆うことでステッチにかかる負担を軽減。

 

ぶっちゃけリブニットなんて、見た目はどのメーカーも変わりません。

だからこそ、アンデルセンアンデルセンのような圧倒的素材感で見せるのもいいし、

こちらはフィールズダルボーの特許取得するほどの、一目見て分かる圧倒的パターンで見せているので、セレクトしました。

 

結局このようなシンプルすぎるアイテムは、素材かパターンかで差別化を図るしかないのですが、

個人的には奇をてらったものは飽きやすいし苦手なので、私の場合はどうしても選ぶ理由が必要になってしまうんです。

ファッションとしてはつまらないかもしれませんけど。

 

あとはスパイスとしてのストーリー性があれば尚可。

そういう部分でもこのニットは申し分なし。

 

こちらをご覧ください。

こちらはメーカーさんが資料として持ってた数十年前の同じ物です。

例の強度を持たせるために作られたネックなんか、ステッチがほつれちゃってますけどね!

しかしですよ、現にステッチがほつれているからこそ、負荷がかかることが証明されているわけで、

このフィールズダルボーのパターンだかこそ、この程度の損傷で済んだのではないかと思うのです!

 

さらにもっとよく見ると。

ネックには自分で直したステッチが。

裾にもありました。

またエルボーパッチも、

裏から見たら袖に穴が空いていたので、自分で縫い付けたのでしょう。

 

元の持ち主が相当お気に入りだったことが伝わってきますね!

 

俺もdiariesで買ってくれた服をここまで来てくれたら嬉しいな~。

 

世の中なんでも買いやすくて売りやすい時代じゃない?

とても流れが早いんです。

そんな中にドシンッと地に足ついて腰を据えて、微動だにしない存在って頼もしい。

 

ファッションという言葉は流行と訳されるくらい流れの早いものなのに、

そのファッションすら今の時代の流れについていけず苦労しているからこそ、

このような「流れないファッション」という物が欲しいんです。

そして昨年入荷したのとは、若干変更点がございます。ここ大事。

ご覧とおり、タグまでブルーに染まっているのがお分かりになりますでしょうか?

実はこちらのニット、とある染料で染めたものになっています。

 

その染料の名前とは、「Pastel(パステル)」。

パステルの説明をしましょう。


Pastel Bleuは、ホソバタイセイ(isatis tinctoria)を用いた染色方法で、「世界最古のブルー」と言われています。

その起源は古代エジプトまで遡り、16世紀末にインド藍(タイワンコマツナギ)が輸入されるまで、

ブルーを表現できる唯一の染料としてヨーロッパで重宝されていました。

パステルは、まずホソバタイセイの葉を摘み取り、すり潰し、乾燥させた後、

その繊維を発酵させ、グレープフルーツ大の大きさに丸めます。

そしてできたのがCocagnes(コカーニュ)という染料の塊。

コカーニュは、金にも並ぶ貴重な物として、大切に扱われてきました。

パステルの一大産地であったフランス・Toulouse(トゥールーズ)はその産業で栄華を極め、

そのブルーは富の象徴とされ、ナポレオンは彼の軍隊の制服にパステルブルーを用いました。

しかし、バクテリアを用い発酵を促しながら進めるコカーニュ作りや染色作業は、

非常に熟練した技術が必要で、安定した色を出すためには、天候や気圧にまで注意しないといけません。

そのため、16世紀末に安価で扱いの用意なインド藍がアジアから大量に輸入されることで次第に衰退し、

さらにドイツで合成インディゴ染料が開発されることで、技術の伝承は完全に潰えたかに思われていました。

しかし後年、この失われつつあった伝統技術を継承すべく、数名の有志がPastel Bleuの復活を試み、成功させます。

現代でもこの技術を扱える職人は数えるほどしかいませんが、そのスピリットは確実に次の時代へと受け継がれています。


という染料になります。

 

ナポレオンが好んで着用し、フランスの赤・白・青の青の部分はパステルだそうです。

それくらいの染料ですが、、、

 

diariesの熱心なブログ読者でしたら、もうお気づきですよね???

 

ホソバタイセイという名前が出て来ましたが、このPastelという言葉はフランス語で、

英語にするとなんと、、、WOAD!?!?!?!?!?

 

そう。あのテンダーが使用している染料・WOADと同じものなんです!!!!!

これはヤバイ。ヤバイよ。

 

英語でWOADとあるくらいなので、イギリスでもこの染めは行われていたんでしょう。

しかしイギリスでは完全に絶滅してしまっていた。

そしてWOADを見つけたテンダーのデザイナー・ウイリアムは、確か染料を求めにフランスまで行ってます。

そこで採取したのがホソバタイセイの葉だったはず。

 

つまり青の源流なんです!!!

 

またですね、じゃあなんでテンダーのWOAD染めはあんなに高いんだよ・・・と当然思いますよね?

でも高くなるのは当然なのは分かりますね。

 

普通は、例えばこのフィル―ズダルボーのニットの場合、フィル―ズがカットソーメーカーなので服を作って、

染めはパステルの職人にお願いをする。当たり前の分業を行っています。

しかし、テンダーは自ら染料を創り出すことから行っているんです。

普通じゃないですね。アホですね。ヲタですね。

手間暇かけすぎなんです。

 

でもやっぱり本職の染め職人が手掛けたやつは、染めがメチャクチャ上手です!!!wwwww

この染めといっても、パステルやウォードや日本の天然灰汁発酵建てなんかは、空気に触れることで酸化して青くなるので、

表側はまっさらな青ですが、裏側はまだらになることが多いですね。

また空気に触れないこのような部分は、

白いまま。

これを見ると、元は白いコットンニットセーターだったというのが分かります。

着ていることで生地が引っ張られて、中の白が顔を見せるのもいいですね~!

 

そうそう。先日当店のコアなお客様に言われたのですが、クローゼットが青ばかりになってしまってるそうです。

ウチの店のせいですね!

あと色移りが怖いやつも多いって!!!すいません!

 

でもな~そういうのに惹かれてしまうんですよね~。

僕らは物心ついたときから、ずっとブルーにやられてきました。

ブルースリー

ブルーハーツ

北野ブルー

ブルータスファッション特大号

 

 

春ですね!青を着よう!(1年中着てるけど!

 

 

それではまた。お店で会いましょう。