QUILP by Tricker’s(クイルプバイトリッカーズ)のOxford Plain Shoes

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「文鳥の日」だそうです。

ただいまネペン〇スフェア開催中。

どうみてもネペ〇テスですね。

触ってみたいけどダメですよ。ストレスになるので。

 

 

じゃ、商品紹介です。

ドウゾ!

【ブランド】QUILP by Tricker’s(クイルプバイトリッカーズ)

【アイテム】Oxford Plain Shoes

【価格】¥104,760–(税込)

【コメント】

今季も届いてます!QUILP by Tricker’s(クイルプバイトリッカーズ)!!!

そりゃもう(自称)不朽の名作でございますからね!

昨年買い逃してしまったお客様もお待たせしました!

2016年春夏より取扱いを始め、非常に多くのお褒めの言葉を頂戴しているクイルプ。

デザインを自由にいじることができるのに、今年も全く同じです!

決して思いつかなかったわけではりありませんよ!

これ以上手を加える必要のないところまで来てると私が思っているだけです!

こだわっているんです!と、クリエイティビティに乏しい私が申しております。

 

それでは、1年ぶりのご紹介となりますので、じっくり詳しく説明してまいりましょう。

まずはブランド紹介からどうぞ。

 


QUILP(クイルプ)は、デザイナー・森下正雄氏によりMODEとARTISANを具現化した

アイテムをリリースするTWO-FOUNDATIONの中の1つのレーベルとして設立されました。

ブランド名の由来は、1800年代のイギリスの小説家・Charles Dickensの作品である

「The Old Curiosity Shop(骨董屋)」の登場人物・Daniel Quilpから。

QUILP by Tricker’sは、ロンドン・ホルボーンにあるThe Old Curiosity Shopを運営する

靴デザイナー・木村大太氏の協力を得て、ある木型を作成することから始まります。

その木型というのが、80年代から90年代にかけてロンドンで大旋風を巻き起こした

靴デザイナー・ジョンムーアからインスピレーションを得て作られた物でした。

その木型を元に、靴の製作をイギリスを代表する靴メーカー・Tricker’sに依頼し

出来上がった唯一無二の靴がQUILP by Tricker’sです。


というブランドです。

 

きっかけは「TENDERに合いそうな靴は他にないかな~」という理由から。

テンダーから靴のコレクションが消えてしまったのは事実ですが、

それ以前に一目見ただけで強烈なインパクトを残し、頭の中から離れないのがこのクイルプの靴でした。

 

どうしようかなと迷っている時に、2つの出来事が重なり取り扱いを決めました。

まずは偶然ご紹介いただけたこと。

とある展示会でクイルプの靴を実際に見ることができ、聞くと友人なので是非という話に。

そして次にとあるニュース。

ルイ・ヴィトン2015年秋冬コレクション 「クリストファー・ネメスの世界」

これがちょうど取り扱いを始める半年前の出来事で、展示会でクイルプを見てオーダーを決めかねていた時。

まさかヴィトン(というかキム・ジョーンズ)が俺のことを後押ししてくれるとは!?(←完全なる勘違い)

 

ジョンムーア、クリストファーネメス、ジュデブレイム。

中学生の頃にBoonを読み始めたものの、ヒップホップスタイルが受け入れられなかったので、

モッズやパンクをはじめとしたロンドンのファッションに傾倒していきます。

そして高校生の時にカートコバーンが死に、その重要性を理解しないまま、

僕らはブリットポップの波に飲まれていきました。(同時にエアジャムにもね!)

そんな90年代初頭、異彩を放っていたのがネメスのジーンズとジョンムーアのブーツ。

高校生の僕にはとても手が出る代物でもなかったので、

代官山のReady Steady Go!に行って手に取るのが限界でした!!!

 

 

ちょっと話が逸れちゃいましたが、そんな偶然が重なりやっと届いたのがこちらの靴ってわけです。

ご覧の通り、このポッテリしたトゥが特徴。

これです。この木型。

デザイナーの森下氏がこの靴を作り出したのは約10年前で、ちょうどその頃はイタリア靴が市場を席捲。

シュッとした木型が多い中、誰がこんなの履くんだと思われていたそう。

そんな時から作り続けていたなんて。パンク的精神姿勢を感じます。

 

そしてまたこの靴の面白いところは、オーダーするお店のテイストが顕著に表れるということ。

どういうことかと言いますと、お店ごと(それこそバイヤーごと)に細かくオーダーができるんです。

木型は1種類ですが、靴のタイプが20種類。プレーントゥやウイングチップだけでなく、ブーツやギリーなど様々。

そして革・ウェルト・アイレット・ソールなどなど、その組み合わせは無限大。

不思議と全く同じデザインが生まれないそうなんです。

 

優柔不断な私なので、これは時間がかかりそうだなと思ったのですが、

いざ考え始めると10分程度ですんなりまとまりました。

これは名作の予感・・・

相変わらず売れる売れないではなく、単純に私が履きたい靴ってだけでオーダー!すいません!

選んだのは内羽根式。

私の足はワイズも広ければ甲も高いので、これまで内羽根の靴を履けませんでした。

しかし、このワイズでトリッカーズであれば、内羽根でも十分いける。

そして内羽根の方が、この靴の肝であるトゥのボリュームがより強調されるのではないか?という理由から。

 

トゥのボリュームの強調という部分ではまだまだ。

ボリュームのあるつま先を強調するためには輪郭をハッキリさせないといけないと思い、

ウェルトとソールの色はブラックの反対であるナチュラルに、さらにはレザーのダブルソールを採用。

トリッカーズの靴はダブルにすると重たくなるので、シングルにしようかと迷ったのですが、

これもやはりトゥのボリュームと、アッパーの存在感に負けないようにダブルを、

そしてウェルトにはRaisedタイプ(一般的にはストームウェルト)を採用しました。

力強い絵には、同じく力強い額縁が必要なようにね!

 

またこの内羽根と革底の組み合わせで、クラシックな雰囲気にしたかったという理由もあります。

ですのでアイレットもブラス(真鍮)にし、ウェルトとブラスの色がもうちょっとくすんで色が馴染んできたころが、私の考える完成形。

 

で、クラシックな雰囲気にしたかったというのは、

ちょうどこの靴をオーダーする時に、テンダーのサスペンダーパンツを見つけたというのもあるのですが、、、

QUILPの特長であるMODE色をちょっと抑えて、できるだけdiaries寄りにできたらいいなという考えがありました。

様々な装飾ができるにも関わらず、できるだけそぎ落としたデザイン。

出来上がりを見て、これはdiariesらしく仕上がったのではないかと思います。

 

当然私も履いておりますが、(KUONにも合う)

レザーソールのお蔭で、ダブルソールですがダイナイトやコマンドソールほどの重さは感じません。

馴染ませるのが楽しみです。

また気になったのが革。

こちらはボックスカーフなのですが、いつものトリッカーズよりもしなやかでキメが細かくて、クオリティが高そうだなと思いました。

他のお客様にも言われたので、私の希望的観測ではなく本当かもしれません!?

 

Quilp by Tricker’sが他のトリッカーズと違う点がこんなところにも。

インソールには、トリッカーズの職人によるカリグラフィーが手書きで描かれています。

これも好きなポイント。(Englandのgを書き直してるところとか!)

こんなの、もう一つ私がいつか欲しいと思っているエンツォ・ボナフェの靴くらいでしか見ませんから!

 

箱も特別です!

QUILP・・・デザイン

mode and artisans・・・コンセプト

TWO-FOUNDATION・・・会社名

Tha Old Curiosity Shop・・・監修

Tricker’s・・・制作

といったところです。

もはや映画のエンドロールのようですね!確かにそれだけストーリーが感じられます!

 

というわけで、このdiaries別注のQuilp by Tricker’sですが、

モード(最先端)でありアーティザナル(職人による)でありアバンギャルド(前衛的)であり

クラシック(古典的)さも包み込んだデザインになっていると思います。

 

 

ここまでが、商品説明です。いかがでしたでしょうか?

まず甲が高い私が履きたかったゆったりした内羽根の靴。

そして靴のリリースをやめてしまったTENDER Co.のジーンズに合う靴。

 

そんな思いで別注をかけたクイルプですが、実際は予想以上の代物でした。

どの辺が予想以上かというと、「合わせやすさ」にあります。

 

個人的には、この1年間で最も着用した靴はこのクイルプでした。

今年の夏も暑かったのですが、ユッタニューマンのサンダルよりこのクイルプを履いてましたね。間違いなく。

 

まずは革底なので、汗をかいてもそんなに蒸れません。

これはレザーソールの特性ですね。革自体が呼吸をしてくれるので、蒸れにくい。

そしてオックスフォード(ローカット)なので、靴の中の湿気も抜けやすかったのです。

 

そして合わせやすいというポイントは履き口の低さ。

かかとの部分が実は通常のトリッカーズより1cmほど低いのですが、

たったこれだけの変更点で、こんな重々しい革靴なのに軽さを与えることができているんです。

 

この奇跡の1cmのおかげで、だいたいどんなパンツとも合わせられるようになったんじゃないかな~と思うわけです。

 

そして、俺にはデザイナーなんて絶対無理だと思いました。

ここを1cm削るなんて思いつきようがないですもん。

俺はセレクトしかできません!誰でもできる仕事です!泣

 

いや~それにしても履いた履いた。

そしてこうなりました。

見ればわかると思いますが、右が新品で左が私物ね。

半年前に紹介した時に、アッパーとウェルトのコントラストの調和もご覧の通り。

コバが張ってるから、ウチみたいな小さい店で仕事してるとガンガンぶつけるし、

展示会に履いていけば5,6kmは軽く歩くからもう味が出ちゃって出ちゃって。

でもそれでいいんです。このタフさがトリッカーズのもう一つの魅力ですから。

ちなみにコバもクリームを付けて磨いてるので、ツヤツヤです。

ダブルソールにしたおかげで磨き甲斐がありますよ!

 

靴の中を見ると、しっかり私の足型になってきてるのが分かります。

甲高・幅広の俺にピッタリだな・・・

でも、インソールのカリグラフィーが消えてきちゃって寂しい気持ちも無きにしも非ず。

厚みのあるレザーのダブルソールも、馴染んじゃうと違和感を全く感じませんね。

厚みがあってもしっかり反ってきます。

こうなるとだいぶ歩きやすくなりますね。

 

歩きやすいし合わせやすい。これ以上他に何が要りますか!?

 

というわけなので、コーディネートサンプルでも使いまくりですね。

Yarmoのノーカラージャケット・Railway Jacketに。まあこの辺は間違いないでしょ。渋いよね~。

ただしワークブーツにすると土臭くなるところを、クイルプのおかげで上品に見せてくれてると思います。

昨年のサドルシューズですが、こんなスポーティな合わせもいけます。

まあサドルシューズだからってのもありますけど。

スポーティまで着崩さなくても、軍物と合わせるのもお勧めです。

もちろん今っぽいオーバーサイズの着こなしにも。

 

この幅広さがクイルプのすごさですね!

なかなかハードル高いですが、これ1足さえあればという靴です。

是非ともお見知りおきを。

 

 

それではまた。お店で会いましょう。