※2/2(水)・2/3(木)は、休店日とさせていただきます。
※店舗をちょっといじるので、2月中下旬に連休いただく予定です。
※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ!)
※コロナ対策実施中です。
※VINTAGE STOCK MARKET開催中です。
ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「3分間電話の日」だそうです。
ブログをご無沙汰してしまい、申し訳ございません。
いや~もう~ね、なんかね、前回のヴィンテージミリタリーウェアとその前のIWCと、
2日連続で濃い(=長い)ブログを書いてしまったもんで、燃え尽きちゃったんです・・・(あと、歯も痛いし。)
自分の中でもあれだけのブログ書く時って、正直お客様以上に興奮してますからね。グワワァァ~~~ッと。
でもコロナもあってお店は大して忙しくないし、そのギャップに疲れてしまいましてね。あと、歯も痛くて。
珍しく気力・体力・虫歯ともに凹み気味。
でも不思議とそんな時、お客様から「ブログ面白いです!」という声をいただくから、また頑張る気になるわ!!!
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!
【ブランド】平野刷毛製作所 (ブラシの平野)
【アイテム】洋服ブラシ
【価格】 水雷型・¥25,300-(税込)
羽子板型・¥17,600-(税込)
【コメント】
約1年ぶりの紹介になります!当店の隠れた定番アイテムの洋服ブラシ。
これを仕入れようと思ったきっかけは、お客様からの
「ニットの手入れはどうしたらいいの?」という相談から。
当店でもそれなりに質の高いニットウェアを扱っています。
ですのでそのような相談を受けるのは、よく考えれば当然のことなんですが、
恥ずかしながら、このブラシに出会うまでは毛玉は刈り取るものだと思っていました。
しかしその考えは、また別の常連さんの情報により、あっさりと変わりました。
ただ私が勉強不足なだけだったんですね。
そのお客様もニットの毛玉に困ってました。
ある日今は無き筑波西武百貨店に行ってみると、とある実演販売を行う催事をやっていたそう。
その中で「洋服ブラシ」にふと目が止まりました。
色んなジャンルの職人や専門知識を持った人が集まっているんでしょう。
その中で、ブラシを販売している方に早速毛玉のことを相談したみたい。
すると、そのメーカーのブラシでサッサッサッと生地を払うと、
みるみる内に毛玉が消えて無くなってしまったんだそうです。
それも決して取れてしまったわけでもなく、もちろん毛玉を無理やりちぎったわけでもない。
絡みついた繊維があっと言う間にほどけて、元の生地に馴染んでるんだそう!
そのお客様に聞いたブランド名が「ブラシの平野」。
まさに今回入荷したブラシと言うわけ。
お店とお客様の関係は、互いに育て合うように。ダイアリーズ流です。
前置きが長くなりましたが、次はブランド説明です。
元々は「平野刷毛製作所」というペンキ用の刷毛メーカーから始まりました。
創業は昭和17年という老舗中の老舗!60年以上も続いてる職人集団です。
化学繊維を使った大量生産のブラシが出回る中、頑固に天然素材を使った職人によるブラシ作りを貫いています。
というメーカーさんなのですが、
実はとある事情により積極的な店舗販売は行っておりません。
その「とある事情」はここでは公表できませんが、(店頭で聞いてください。)
ブラシの使い方やニットのメンテナンスに関する説明を、
職人さん自らがお客様1人1人丁寧に伝えながら売っていくという手法でしか販売をしておらず、
そのためデパートでの催事などでしか見ることはできません。
これではなかなか一般の方には広まりにくいというもの。
こんな良い物があるのであれば、是非diariesのお客様にも広めたいと思い、仕入れることを決めました。
ですが値段を見て驚いた方もいらっしゃるかと思います。
普通の洋服ブラシとはゼロが一個多いんじゃないでしょうか?俺も始めはそう思いました。
しかし、当時取り扱っていたジョンスメドレーなどのハイクオリティなウール製品を、
当店のような小さな店で安心して買っていただく為には必要不可欠なアイテムだと思いました。
ちなみにこちらのブラシは、某ブランド「G」や「LV」や「MJ」などの各店舗のバックヤードにも設置されているそうです。
また実際使ってみて、そして平野刷毛製作所を訪れ、その効果を知って見ると、
決して高い物ではないと感じました。
ちなみにその「効果」とは?
・セーターやマフラーなどのウール製品が、買った時のような表情を取り戻す!
毛玉ができないセーターなんてありません。(ジョンスメドレー以外では)
毛玉とウールは切っても切れない関係。(毛玉は切ったら切れるけど、そのうち着れなくなりますよ。)
ですが、ブラッシングを習慣として身につければ、大事なお気に入りのニットも毛玉ができず、
ずっと長く愛用することができるんです!
・ある程度の毛玉なら、ほぐして生地に馴染ませることができる!(副産物)
「副産物」と書いたのは、「毛玉を無くす」ことが目的ではないため。
「毛玉がなくなる」という言葉があまりにキャッチーなため、
どうしてもその機能に目が行ってしまいますが、毛玉はあくまでも「予防」するに過ぎません。
歯ブラシと虫歯に例えると分かり易いです。
毛玉=虫歯。虫歯は歯磨きでは治りませんよね。
毛玉がほぐれてしまうのは、このブラシがあまりにハイクオリティすぎるからなんです!!!
例えば歯を削るように毛玉を取り除けば、そのぶん生地も薄くなってしまいます。
(安いクリーニング屋さんだと、勝手に毛玉を取ってキレイに見せるという恐ろしいこともございます。
なので、私は基本的にクリーニング屋さんには出さず、
洗濯ブラザーズことLIVRERのウール用洗剤で水洗い。
天然素材であるウールが水に弱いわけないと思ってますから!)
またドライクリーニングのような溶剤を使ったクリーニングは、見た目はキレイになりますが、
元々ウールに含まれている脂といった大事な成分も落としてしまいます。
これは常々自分も気になっていたところなんですが、
クリーニングに出すとスカスカになって返ってくることもあるんです。
他にも素材によっては、毛玉がものすごいできやすい生地ってありますよね。
あれってやはりアクリルなどが入っているウール製品に多いんだそうです。
理由は、繊維が丈夫だから。
天然ウールは毛玉になれば、自然にちぎれて落ちるんだそうです。
でも、化学繊維は丈夫なので毛玉になっても生地に留まり続けてしまう。
なので、天然でも化学繊維でも毛玉は同じくらいできるんですが、
取れないで残ってしまうから、結果として毛玉が目立つようになってしまうんですね。
それを考えると、ウール100%の製品よりも、アクリルが入ったセーターの方がブラッシングが必要だなと思いました。
そんな洋服ブラシですが、実は8年前に弊店で取扱いを始める時も、
「積極的な店舗販売はしていない」という理由から最初は断られそうになりました。
しかし実際に工場に足を運んで、洋服を売るだけでなく
その後のケアに関しても大事にしていきたいという想いを伝えたところ、
卸して頂けるようになりました。
でもそのお蔭で色々お話を伺うことできましたし、
想像以上に良い物だということが分かり、
私も自信を持ってオススメすることができるようになりました。
しかも、「売る」という行為をさらに高い次元まで押し上げてくれました。
どういうことかというと、この「ブラシを売る」という行為は、
つまり「ブラッシングという文化を広める」ことなんです。
実は、サイズを2種類ご用意したのにも、文化を広めることにつながっています。
2つ用意した目的は、「習慣化」してもらうため。
お客様のライフスタイルに合わせて、「どちらの形が一番生活に密着するか?」ということです。
まずは水雷型(毛量が多い方)。ちなみに水雷とは魚雷のこと。
大きい方は、ご覧の通り毛量が多い=表面積が大きいので、何着もセーターをお持ちの方であれば効率よくメンテナンスできます。
また、実は平野さんのブラッシングのコツとして、「スナップを利かせないといけない」という理由があり、
この水雷型の方が力を入れずにサッサとはくことができます。
ですが、まあまあ大きい(長さ21㎝)ため、置き場所に困ります。
そんな方のための羽子板型。
こちらは分かりやすい、お正月の羽子板のイメージ。
柄が付いているので、玄関先などに引っかけておいて、いつでもすぐに手が届くとこおに置いておくことができます。
なので、サッと取り出してサッサっとブラッシング。
ですが、毛の面積が少ないので、1着のメンテナンスに時間はかかります。
このように作業効率か置き場所かをお選びいただき、ブラッシングを習慣化しやすくなるように、2種類ご用意いたしました。
ちなみに当店の備品となる洋服ブラシも、2013年から使っているので早9年目。
使い込んで味の出る道具もいいですよねぇ~。
木目が艶と共に浮き出てきて、真鍮の釘はくすんでいく。
そして使う人の手に馴染んでいく。
素晴らしい道具なのでございます。
ん~~~、でも大分毛が開いてきちゃって、こうなるとコシが無くなりブラッシングの効果が落ちる可能性があります。
あと数年で買い替えるようかな?
その辺のニットより高い洋服ブラシだけど、一生モノというわけではございません。
平野刷毛製作所の平野さん曰く、「歯ブラシのようにお考えください。」とのこと。
どういうことかと言うと、虫歯=毛玉と考えると、基本的には虫歯(=毛玉)ができないように歯ブラシをするでしょ?
でも、その毛玉(=虫歯)が直るブラシがあったらすごいことじゃないですか?
それが平野さんの洋服ブラシ。
でもブラシだから、毛が開いてきたら買い替えないといけません。
お気に入りのニットを一生モノにするための道具。
まずdiariesは、革靴に力を入れてラインナップを作りました。
そして当然シューケア用品を用意するようになります。
良い革靴を手入れして大事に長く履く。これは立派な文化と言えるでしょう。
そして今度は、洋服もどんどんクオリティの高い物が入荷してくるようになりました。
それはどれも質実剛健なものばかりで、長く着ることができます。
しかし革靴にはシューケア用品があるのに、服はどうしたらいいのでしょう?
そこでお客様から、すごい洋服ブラシがあるというのを教えてもらいました。
さらにはLIVRERという洗剤まで扱うようになりました。
良質な物を長く着る文化。
今まで私は服好きであるにも関わらず、自分が買った服達に大変可哀想なことをしてきました。
しかしこのブラッシングという文化が広まれば、そういった服も減らしていけるんじゃないでしょうか。
服が好きだからこそ、お気に入りの服をずっと着ていたい。
また同時に、日本の職人さんが持つ素晴らしい技術も守ることができるのではないかと思っています。
そしてこの「ブラシを買う」という行為は、この考え方への「賛同の意」であり、
職人とブラシを後世へ伝えることとお考えいただければ幸いです。
ちなみに販売方法は、ブラッシングのやり方を伝えないといけないので、基本的には店頭販売です。
通販希望の方は、ZOOMでもやろうかな?お気軽にお問合せください。
それではまた。お店で会いましょう。