diaries blog | SANDERS(サンダース)| 150TH ANNIVERSARY MILITARY DERBY SHOE

※9/20(水)・9/21(木)は、休店日とさせていただきます。

※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ!)

 

 

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「苗字の日」だそうです。

毎日暑いでしょ?もう服なんてかまってられないって思うでしょ?それは間違いありません。

でもね、今からすぐに楽しめる秋アイテムがあるんです。

それは靴。

さすがに9月なのでサンダルはやめてます。

なので革靴の出番なわけなのですが、トップス&パンツともにシンプルなせいで(また暑くて重ね着できないからね。笑)

革靴を履くともうとんでもない存在感。

改めて「革靴・・・強い・・・」と思う季節でございます。

僕は革靴をたくさん持っている方だと思うので、毎日とっかえひっかえ革靴が楽しめて幸せでございます。

というわけなので、本日は今季の目玉となる革靴をご紹介いたしましょう。

 

 

ドウゾ!

【ブランド】SANDERS(サンダース)

【アイテム】150TH ANNIVERSARY MILITARY DERBY SHOE

【価格】¥75,900‐

【コメント】

なんとこの度、我らがサンダースが創立150周年を迎え、その記念モデルが発売されました!!!!!

おめでとうございます!(パチパチ)

上記で「我らが…」という言葉を使いましたが、一応何度か別注をお願いしている身なので、いいんじゃないかな~と思って。

というわけで久々の紹介となるので、改めてブランド説明から致しましょう!

Sanders & Sanders Ltd.は1873年にウィリアム・サンダースとトーマス・サンダースの兄弟によってラシュデンに設立された、靴の聖地ノーサンプトン最後の実力メーカーです。

会社はファミリー・マネジメントの第四世代中で、90人以上の職人を雇っています。

現在では生産機械と高度なコンピュータ制御システムに補足されていますが伝統的なグッドイヤーウェルト製法は現在でも引き継がれ、

素材へのこだわりは今でも変わらず、天然素材をパーツのほとんどに使用しています。

その証としてイギリスの靴業界の分野としては僅かなメーカーにしか与えられていないIS09002のAssurance認可を取得しています。

商品はイギリス市場に供給するのと同様に、30以上の国と地域に輸出しています。 日本へは2006AWより本格的に導入となります。

特にSanders Uniform Footwear Collectionは世界中の多くの警察、Military、およびSecurity用のシューズとして採用されているコレクションとして有名です。

また、イギリス国防総省(MOD)向けに供給されるレザーシューズ(UK製)のほとんどがSanders製で(非常に大きな権利です)、

ファクトリーの約50%をその製造ラインとして割当てられています。

その為、自社コレクションは他のノーザンプトンのメーカーと同様のグットイヤーウェルト製法と天然素材を使用しても製造コストが抑えられ、

コストパフォーマンスに優れた伝統的なMade in EnglandのShoesを製造できるのがSanders最大の魅力です。


というブランドです。

 

他の革靴メーカーと違う部分は、現MODのオフィシャルサプライヤーであることで、しかもそれを事業のメインにしていること。

多くのメーカーが買収されファッション向けに販路を拡大する中、サンダースは基本的に官公庁向け。

だけど要望があるからファッション向けもやってあげるよ~!しかもそんなに儲けは考えてないよ!だって安定した仕事があるからね!

という部分で、ものすごくどっしりとしたメーカーなんですね!!!

なので、昨今のイギリスをはじめとした革靴ブランドの値上げ幅に比べ、サンダースはとても少ないと思います。ええ奴やな・・・。

 

そんなイギリスの良心!サンダースですが、なんと今年で150周年を迎えるわけです。

ちなみに、DIARIESがある筑波大学も同じくらいの歴史があるとか。

筑波大学として50周年!

そして筑波大学のルーツとなる東京師範学校(日本初の師範学校、※師範学校とは教員養成学校のこと)であり、それが1872年創立!

というわけで、サンダースと共に!?歩んできた歴史を鑑みれば、これはもはや筑波大学をサンダースのオフィシャルシューズに・・・

そしてDIARIESが、毎年各教員・学生の革靴の販売(教員+学生=約2万人)を手掛けることになれば・・・グフフ・・・・・

というわけで、ITFSDS(Imagine The Future×SANDERS)モデル考えます!

 

そんな冗談はさておき(3割本気)詳しく見ていきましょう。

このサンダース150周年を祝って企画されたスペシャルモデルですが、1行で説明すると以下のようになります。

「定番の1128 MILITARY DERBY SHOEのアッパーに、 J&F.J BAKER社製RUSSIAN CALFとANNONAY社製BOX CALFを贅沢に使用したもの」

それでは順に説明していきましょう。

まず「定番の1128 MILITARY DERBY SHOE」とは、おそらく国内のサンダースの革靴で最も人気のあるモデルかと思います。

ガラスレザーで有名なアレですね。

特徴としては、ピューリタンステッチと呼ばれる3本針のステッチラインが、トウキャップと羽根部分に施されているところでしょうか?

革靴に3本針ミシンを使用するのは、現在では希少となってしまったそうです。

確かに以前にもヴィンテージでサンダースの靴を仕入れたことがあります。

こちらは80年代ごろのサンダースのデザートブーツ。

確かにトリプルステッチが確認できます。

もっと古いサンダースだとこんなものも。

こちらも同年代くらいのサンダースのイギリス軍オフィサーシューズ。

でもアレ?トリプルステッチではなく、ダブルステッチ???しかも士官用だからなのか、運針も細かいような?

とはいえ少なくともダブルステッチにしちゃうところがサンダースらしさなのかもしれません。

 

というように、ウチはグッドイヤーのソールだけでなくアッパーまで頑丈だぜというのが、長年MODに支持される所以でしょうか?

 

そして今回、そのモデルにスペシャルな革を乗せ換えました。

まずはベースとなるスムースレザーの方ですが、こちらはアノネイ社のボックスカーフを使用しています。

アノネイとは、1838年に創業したフランスを代表するタンナー。

エルメスに革を供給してる~という枕詞が必ず付きますが、約10年前にエルメスの子会社になってるんですよね!笑

エルメスが自社の革のクオリティを保つために、買収されるほどのタンナーということです。

そのアノネイのボックスカーフを使用しています。

ボックスカーフとは、生後6か月以内のオス牛の革。非常になめらかで、使い込むと細かいシボが浮き出てくるのが特長です。

 

次に、ヒールとトゥで使用している革がこれまたすごい。

BAKER(ベイカー)社のロシアンカーフというもの。

ロシアンカーフとは、もともと1700年代ごろまで帝政ロシアで行われてきた伝統的な鞣し方法で作られた革で、

牛以外にもトナカイ・馬・羊・山羊なども使用し、そのクオリティはヨーロッパだけでなくオスマン帝国でも珍重されるほど。

しかしその方法はロシア革命で失われてしまい、人類の歴史から消えてしまうかと思われました。

ところが1973年、イギリス沖でとある沈没船が引き上げられます。

その船は、1786年にサンクトペテルブルグからイタリア・ジェノバに向かう途中で難破してしまった船なのですが、船内に大量のロシアンカーフが積み込まれていました。

さらに、200年もの間海底に沈んでいたにもかかわらず、まだ革としての使用に耐えられるものが残っていました。

ベイカーではそのオリジナルのロシアンカーフを元に、色・厚み・質感・匂い・耐久性を研究し、6年もの歳月をかけて再現することに成功しました。

ちなみに船が沈んだ場所は、イギリス海峡のデボン州沖(デボン州はベイカー社があるところ)であり、

同じく古来より続くベジタブルタンニングを行っているベイカーは、是が非でも自分達の手でロシアンカーフを復活させたいと思っていました。

そして2,3年前に市場に出回りだしたのが、このロシアンカーフなのです。

 

がしかし!TENDER CoやJumping Mouse Goodsの説明でも書いた通り、現在BAKERレザーはコネクションが無いと手に入らないんじゃなかったっけ?

そうなんです。ここでもサンダースの剛腕ぶりを垣間見るわけです!

ジョンロブやエドワードグリーンがメイン顧客のベイカーですが、もはやノーザンプトン指折りの大企業となったサンダースなら調達できるんですねー!

強い!!!

 

というわけで、アノネイのボックスカーフとベイカーのロシアンカーフが1度に楽しめるとんでもない革靴が登場しました。

珍しい革には違いないけど、そこはサンダースなのでガシガシ履いてほしいです。

しかも150周年だからって150足限定なんだってさ。煽るね~!笑

安定したサンダースとはいえ、革の値段は上がり続けているので、こんな遊びはもうなかなかできないんじゃないかな~と思います。

この機会に是非!

 

 

 

 

それではまた。お店で会いましょう。