※9/28(木)は、休店日とさせていただきます。
※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ!)
ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「世界観光の日」だそうです。
明日で私も2024春夏の展示会が終わるので、その後はのんびり観光でもして過ごしたいですね。
入荷はパンパンなので、お店はメチャクチャ忙しくしないとヤバいんですけど!
というわけで、連日ご好評をいただいている1ST PAT-RN SAMPLE SALE。
もう在庫なくなっちゃったっかな?と思われるかもしれませんが、ところがどっこいまだまだあります!!!
まだ4分の1くらいしか減ってないので、今週末も是非!お待ちしてます!
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!
【ブランド】Gorsch(ゴーシュ)
【アイテム】Ox Pinhead Layered Shirt
【価格】¥49,500‐
【コメント】
今季もゴーシュより、2023年秋冬の新作が届いております。
それでは、今季初お目見えとなりますので、まずはブランド説明からどうぞ。
ゴーシュという名のとある仕立屋見習いの物語。
ある日屋根裏で見つけた古びた足踏みミシンと仕立ての道具、そして3着のジャケット。
ゴーシュは、今は亡き祖父が仕立屋だったことを知る。
祖父の仕事姿を思い描き、それは憧れに変わり、そして同じ道を歩み始めた。
腕はまだまだ未熟だが、仕立技術の向上のみならず、様々な異国に移り住み、異文化に触れ、
感じたままにゴーシュらしい物作りに励む。
故郷に想いを馳せ、いつの日かその地での物作りを通して、様々な国の人々に “Gorsch” を楽しんでもらいたい、
そんな事を想いながら、世界のどこか片隅で日々腕を磨いている。
というのがオフィシャルの説明になります。
あらためて、ゴーシュというのは宮沢賢治のセロ弾きのゴーシュから来ているのですが、
デザイナー・鈴木氏も宮沢賢治と同じ岩手出身。
またこのブランドコンセプトですが、空想の物語ではございません。フィクションではなくノンフィクションです。
なので、仕立て屋だった亡き祖父の3着のジャケット(内1着)がこちらです。
祖父が、自分の息子(デザイナーの父親)のために作ったジャケットなのだそう。
もうヴィンテージなんて呼び名では軽々しくて、そういえば洋服1着1着にはそういったストーリーがあるんだよな・・・
と、改めて洋服の素晴らしさに気づかせてくれました。ありがとう、ゴーシュ。
またデザイナーの経歴も是非ともお見知りおきいただきたい。
Gorschデザイナー・鈴木氏がデザイナーを目指すきっかけになったのは、アフリカはボリビアでのこと。
当時、外務省に勤める傍ら、赴任先のボリビアで地元のソーイングレディに服作りを教わったのが始まり。
その後、本格的に服作りを学ぶために外務省を退職し、FIT(ニューヨーク州立工科大学)へ入学した後、イギリスはセントマーチンに編入。
そのセントマーチンも1年ほどで中退しベルリンに移り、ベルリンで30年以上も続くオートクチュールアトリエ・
STUDIO ITOと、同じくベルリンのデザイナー・FRANK LEDERのアシスタントを務める。
というのがデザイナーさんの経歴です。
またフランクの影響を受けたということからどこか通じるものもあり、
アルティザンとワークウェアが融合したような雰囲気は、個人的に大好きなところです!
思えばGorschというスペルも(schが)ドイツっぽいので、ドイツがベースになっているんだと思います。
そして昨年より、新しく「Gorsch the merry coachman(ゴーシュ・ザ・メリーコーチマン)」というラインが立ちあげられました。
これまでのthe seamsterは、デザイナー鈴木氏のこと。
そしてcoachmanは馬車を操る御者としての鈴木氏のこと。
今までは鈴木氏自身がミシンを踏んで縫製を行ってきましたが、信頼ある工場と出会うことができ、
Gorschという馬車に乗り込むように、みんなで作り上げるイメージでthe merry coachmanレーベルが誕生しました。
ちなみにこの馬車というイメージも、ゴーシュの心境が変化するきっかけとなった「愉快な馬車屋」という、
セロ弾きのゴーシュ作品内の曲目になぞらえています。
さらに2022年より、デザインの拠点となるアトリエを東京から地元の岩手県北上市に移し、
生産拠点である工場とも物質的な距離を近くしながら、Gorschを運営することになりました。
というわけで、今季はその岩手発として2シーズン目のコレクションになります。
そして、2023年を通してGorschの服作りには以下のテーマが掲げられています。
「寛永2年(1625年)より受け継がれる”鈴木盛久”」
盛岡の地で続いてきた伝統と技術。そしてその代によって、自分の色を探求し唯一無二の鉄器を生み出す職人・鈴木盛久。
伝統が重んじられる世界で新しいことに挑戦することは、多少なりとも他者から異端と見られることもあるものの、
自身の表現、そして次世代へつなぐ大事な行動であり想いでもあると考える。
技術はもちろん大事で大前提、そしてその技術を使って己を表現できなければやはり自分でなくてもいい。
製品を通し、「自分はこうだ!」という意思が伝わってくる鈴木盛久の作品の数々は、人を魅了します。
そしてまたGorschもその製作過程に携われればいいなと思い、Modelに選びました。令和6年より第16代の時代が始まります。
というもの。
早くも岩手の名工に着目し、広がりを見せるゴーシュの服。
2023年は、南部鉄器の職人が着る服ということで、以下のようなコンセプトが込められています。
「鉄器を作る工程で鉄を打つということはないのですが、鉄にまつわる仕事ということで、まずは鉄を扱う職業の服についてリサーチを開始。
主にドイツの製鉄現場を描写した本、また岩手各地の南部鉄器工房の資料写真、
そしてドイツやフランスなどのヴィンテージ服を参考にし、Gorschが思う鉄器工房での作業服を想像しデザインされています。」
というもの。
なので、基本的にアイテムはワークウェアらしく生地は地厚で直線的なラインですが、
ゴーシュらしさがディテールからにじみ出てきており、それがエッセンスとなり絶妙に混ざり合っている。そんな服です。
前置きが長くなりましたが、詳しく見ていきましょう。
シルエットはフランスのグランパシャツを参考にして作られた、Gorschのアイコン的ディテールであるレイヤードを取り入れたシャツ。
シャツの下にベストを着ているように見えるデザインです。
前身頃の見返し部分には、押さえとしての役割の他、ステッチとカンヌキをあえて途切れ途切れに入れることで、縫製をデザインとして捉えた表現を行っています。
ステッチワークやカンヌキは、前見打ち合い、胸/腰ポケット、そして袖の開きと様々な箇所に施しています。
左前端の下部分にもアクセントでタックを入れています。
これはモデルとなったフレンチワークシャツの名残り。
シャツですが、ヨークを設けてないのも特徴。
ヨークの代わりにダーツを入れ、肩甲骨あたりの膨らみに添うように立体に仕立ててあります。
外側肌側ともにノーカラーですが、首周りのカーブを外側は深い円に、ベスト的位置づけの肌側はシャープな線にしてカーブを変え、レイヤードを強調しています。
生地は、綿×ウールのオックスフォードピンヘッドチェック。
タテ糸は、綿とウールの糸を2本づつ交互に整経しています。
ヨコ糸には、ムラ感のある綿の単糸を打ち込んだオックスフォード生地となっています。
綿のコシのある風合いを主体に、その間にウールがクッション材のような形で挟み込まれるような組織となります。
シャツ生地ながら、ふっくらとして柔らかなふくらみを感じることができます。
最終工程で生地洗いを行いウールの糸を収縮させることで凹凸のある表面感に仕上がっています。
そしてよく見ると、ピンヘッドチェックという微細なチェック柄になっています。
パッと見は硬質な生地に見えますが、実際に触ってみると肌触りもよく、ウールの弾力性を感じます。
またその弾力性は、着た時にゴーシュらしい丸みのあるフィット感へとつながるわけです。
というわけで着てみました。
シャツなんですけど、存在感はアウター並み。
シャツ1枚でちょうどいい時期が長そうなので、これは重宝すると思います。
ゴーシュの服は着てはもちろん、細かく見れば見る程面白くて。
例えばこれはマチなのか?ただの意匠なのか?
まじまじと眺めるも良し、着ながらふとした瞬間にそのディテールに気づいて、思いを巡らすのも良いんです。
着方は自由なので、意外とコーディネートはアレコレ悩まなくても良いですよ!
なかなかお伝えするのが難しいゴーシュの服。
是非とも袖を通して確認してください。
それではまた。お店で会いましょう。