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ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「国際腐敗防止デー」だそうです。
「腐ってやがる、早すぎたんだ」とは、風の谷のナウシカ・クロトワのセリフ。
日常会話の中で、マンガやアニメの名台詞を常に取り込みたい性質なのですが、使えそうで使えないのがこのセリフ。
だって、だいたい腐ってやがる時は遅すぎる時ですからね。
というわけで、今朝もいただいた高級果物が腐ってて落ち込んでいる私が通ります。
商品紹介です。
ドウゾ!
【ブランド】La Botte Gardiane(ラ・ボット・ガルディアン)
【アイテム】Tiers Gardian
【価格】¥74,800‐
【コメント】
今季は久々に革靴が豊作でした!
というか、コロナ明けを狙って、これまで溜めてきたネタをちょい放出したからなのですが。
そんなDIARIESらしい革靴シーズンを締めくくる靴は、初めて取り扱うフランスのブランドでございます!しかもブーツ!!!
初めての紹介となるので、まずはブランド説明からどうぞ。
La Botte Gardianeは、1958年に設立されました。
場所はフランス南東部、モンペリエとマルセイユの間にある川に挟まれた三角州Carmargue(カマルグ)という土地。
カマルグでは、塩田や稲作が行われている自然豊かな土地であり、フランスでは珍しく広大な湿地帯を有しています。
豊かな自然の中で、今でも牛や馬の放牧が盛んで、中でも「カマルグの白馬」はこの地域の名物でもあります。
野生を残しつつ、動物たちを守り、管理し、育て上げるガルディアン(カウボーイ)達のために、レザーブーツを供給しているのがLa Botte Gardianeです。
1995年に一度は破産申請を行いますが、Michel Agulhonが新しくオーナーとなると、さらなる発展を遂げます。
2007年には、Occitania(≒南仏)で初めてEPV(フランス国家遺産企業)に登録されました。
また同社は、下請け業者を使用せず、全てが自社生産というこだわりを持ちます。
というブランドです。
まだまだフランスには、こんな面白い靴メーカーがあるんですねー!
もちろん技術力があり、紐靴からサンダルまで様々な靴を作ることができるのですが、
このブランドの背景からすると、やはり最初にブーツをやらないわけにはいかないと思ったんです!!!
La Botte Gardianeが創業以来作り続けるカマルグブーツです。
ラボットガルディアンが最初に作ったブーツと言っても過言ではなく、DNAを色濃く残すアイテムとして紹介することで、このブランドを知ってほしいという思いから。
一日中沼地を歩き回る馬や雄牛を飼育するガルディアン達のためにデザインされたこのブーツは、
ガルディアン達が仕事をする土地の名前を取り「カマルグブーツ」と呼ばれ、堅牢さと伝統の象徴でもあります。
形は、例えるならペコスブーツとウエスタンブーツの中間のようなプルオンブーツ。
シャフトは太目で脱ぎ履きがしやすく、木型はやや細目でホールド感があります。
ここを持ってズボッと履くのですが、シャフトの太さは迷いましたね~。
なぜかというと、これまでこのようなぺコスタイプは取り扱ったことがなかったので。
DIARIES取扱いで言うと、ぺコスブーツならまずはラッセルモカシンが思い浮かぶのですが、
ラッセルだとどうにもスポーティングクレイズチャッカが好きで、そればかりオーダーしちゃいます。
またぺコス以外に似たような靴として、ウエスタンブーツも考えましたが、今さらメルセデスをやるのもな~と思いまして。
そんな時に出会ったのが、このラボットガルディアンのブーツだったのです。
僕の足型は甲が高いので、プルオンブーツは脱ぎ履きが大変なんです。
なのである程度シャフトに太さがあってラッセルのような容易な着脱感を持ちながら、
ウエスタンブーツのようなシェイプが利いた木型を併せ持ったラボットガルディアンは、もう「コレだ!」という感じだったんですね。
ただシャフトが狭くないとホールド感が弱いため、カカトはパカパカです。
しかし木型がやや狭い(ワイズでいうとD程度)ので、甲で留めれば履けます。
なにより合わせた時の見た目がカッコいい。
ちなみに製法は、La Botte Gardiane伝統の「ネイルダウン」を取り入れたもの。
14mmのステンレスの鋲 (または釘) が靴底に 5mmごとに打たれ、ソールが固定されています。
これにより、靴の防水性が非常に高まります。
縫製して固定するグッドイヤーやノルウィージャン製法よりも、堅牢さが求められるカマルグブーツとして、このやり方を今でも続けています。
次は革の説明。
いや~なんでこんな色をオーダーしちゃっただろうと思われてもしょうがないです。
取扱い最初のシーズンなので、ラボットガルディアンの象徴的な色でオーダーしたかったのです。
また、こんなブーツ(失礼!)を買おうなんて思う方は、間違いなく変態(失礼!×2)なので、黒や茶色ではむしろ嫌がられるんですよね!笑
それで思い切ってNaturalをセレクト。でも妙に黄色いのですが、理由は分からず。ナチュラルなんですけど。
そしてこの革の供給元が、これまたとってもフランス的なんです!
そんな革の説明を聞いてください。
タンナーは「DEGERMANN」社。
フランス東部・アルザス地方にある都市Barr(バール)にあり、創業は1832年と古く、現存するタンナーの中ではフランスで最も古いと言われています。
創業者のギュスターヴから、現在のニコラに至るまで、そのノウハウは守られています。
DEGERMANN皮革工場は、フランス産の最高級原皮を使用したカーフスキンの製造に特化しており、シャネルが使用していることでも有名です。
まさかのフランス最古でシャネル傘下!?とってもフランス的というのはそういうことです。
中でもこのDEGERMANN(デギャマー)は、ワキシーな質感のオイルドレザーがいいんです!!!
しっとりなめらかで、最初からなじみが良い、ラボットガルディアンのブーツです。
もう全部ブルームが浮いてるので、最初のうちはブラッシングだけで良いツヤがでます。
ちなみに、インソール、アウトソール、およびそれらの間の革の層は、天然なめしのフルグレインレザーで作られています。
アッパーより下の、革が重なっている部分です。
この植物なめしのプロセスでは、栗、オーク、ローズマリーの樹皮が使用されます。
安価で市場に出回っている革靴の99%を占めるクロムベースのなめしとは異なり、100%植物タンニンなめしにはクロムが含まれません。
クロムは真菌感染症の悪化要因であり、足の健康と衛生に悪影響を与える可能性があります。
La Botte Gardianeでは、クロムフリーを保証したイタリアのなめし工場から、フルベジタブルタンニングレザー を使用し、
耐久性がありながらも非常になじみが良いのが特長です。
とまあ、オイルドレザーでソールもタフなので、色は気にせずガシガシ履いてほしいのです。
というわけで履いてみました。
Shirt/Appletrees
Jacket/1ST PAT-RN
Pants/1ST PAT-RN
Belt/KIKA
色んなコーディネートが考えられますが、あえてのウエスタン寄せ!笑
たまにはこんなのもいいじゃない、という気分にさせてくれます。
もちろんラッセルっぽく考えて、ワークブーツのような合わせでも良いしね。
なので私も入荷以来1か月ほど履いてます。
それがコチラ。
たった1か月ですが、すでに色が沈着しており育ちが見られますね~~~!革好きにはたまんない!!!
つま先の汚れも気にしない。だってそういうブーツだしね。
足の甲には、テンダーのジーンズのインディゴがうっすら移染。それも気にしない。
てか2,30回洗ってるテンダーなのに、色移るのかよ!!!
もちろん後ろにもインディゴが。もはやデニムのアタリと同じ感覚。
俺が履かなければ、この場所にインディゴは付かなかったと考えると、どんどん愛着が湧いてきます。
ちなみに右のカカトの黒ずみは、車のマットのせい。アクセルワークで擦れるからね。これも味の内。
そして気になる履き心地ですが、これはやっぱりパカパカします。
靴の構造考えたら当たり前ですけどね。
なので僕はこういう道具を使います。
僕はあくまでも洋服好きの中の革靴好き。
なので、靴のフィットにそこまでこだわってません。(もちろんお客様へのフィットにはこだわりますが!)
だって、自分の足にあった究極の一足を見つけるよりも、色んな靴を履きたいじゃないですか!
なので、靴を自分の足に合わせに行くのではなく、足を靴に合わせに行きます。
まず履きたいと思える靴があって、でも足に合わない時もあるから、それをできるだけ快適に履くか工夫していくわけです。
ちなみにラボットガルディアンのブーツは、やっぱり甲で押さえるのでタンパッドがその内必要になるかな。
オイルドレザーなので、革が伸びますからね。あとは靴下の厚みで調整します。
そして5年後10年後どのように育っているか、どうぞお楽しみに~!
それではまた。お店で会いましょう。