※13(木)・19(水)・26(水)・27(木)は、休店日とさせていただきます。※3/20祝日は営業致します!
※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ待ちます!)
※1ST PAT-RN(2025SS)オーダー分の入荷は、3月20日頃を予定しております。
※4月にスニーカーのポップアップイベント(某ブランドの最初で最後のトランクショー)をやる予定です。
ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「財布の日」だそうです。
今日は丸1日お店の前に無断駐車されて凹んでるので、いきなり商品紹介に入りますね。
服のこと考えてる時間が、一番幸せなので!!!
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!
【ブランド】SKEWed WORKING(スキュードワーキング)
【アイテム】Wide Pants&Slack Pants
【価格】¥44,000‐
【コメント】
2025年、デニム界に新しい風が(局地的に)吹き荒れています!!!
もうこの商品の説明を、店頭でどれだけ話したか分かりません。
お伝えすることが多すぎて、ちょっと過呼吸気味になるくらいです。
それではまずは、ブランド説明をサラッと。
2025年にローンチされたEDWINのスペシャルプロジェクト「SKEWed」skew(スキュー)は日本語で「斜め」「歪み」という意味であり、
デニム業界では斜行を表す言葉として使われてきました。(例:斜行止め=スキュー加工)
元々あるデザインを捻り歪ませ、実験的なプロダクトを生み出し、引いてはedwinをSKEWする。それがSKEWedというブランドです。
日本のジーンズの歴史と共に成長してきたEDWINは、労働力の安い海外に生産拠点を構えるのではなく、
国内(主に東北)に設備投資を続けて来た結果、現在は世界的に見ても類稀なる生産背景を国内に残すことになりました。
その工場と工場が持つ英知を結集させ生まれるプロダクトの数々をご覧ください。
WORKINGはTender Co.のWilliam Krollと、Middle Distance及びC.P. COMPANYが2023年に設立したMassimo Osti Studioに所属するRobert Newmanが、
デザインの視点を結集したコラボレーションブランドでありコンサルティングレーベルです。
スコットランドのグラスゴー在住のRobertと、ペンシルベニア州フェニックスビル在住のWilliamが協力するWORKINGの製品は、
2人が持つ強みを反映させつつ、生地・アートとデザインの歴史・ユニフォームの構造・作業服の拡張された概念を深化させたものになります。
プロジェクト名は、WKとRNという2人のイニシャルから構成されており、製品はイギリス(WORKING)と日本(WORKING×SKEWed)で生産されています。
というものになります。
いきなり聞かされた人は、「えっ!?ちょっとちょっと、どういうこと???」と?マークでいっぱいになることでしょう。
なので順を追って説明しますね。(めちゃ長いよ!)
まず今回新しく立ち上がった「SKEWed(スキュード)」というブランド。
そのSKEWedを運営するEDWIN。
SKEWedとコラボするWORKING。
WORKINGを運営するWilliamとRobertという2人のイギリス人。
これらがキーワードとなっていきます。
ではまず「SKEWed」の背景に関して。
前述の通り、EDWINが手掛ける新しいラインです。
このラインを立ち上げた理由としては、本格的なリブランディングを行うことになったと言っても良いでしょう。
ではなぜエドウィンはリブランディングを行わなければならないか。
その背景に関して、エドウィンの現状と合わせて説明します。
皆さんご存じかどうか知りませんが、実は2012年に㈱EDWINは民事再生を行っています。つまり倒産寸前でした。
理由はファストファッションに喰われた???と思ったら、なんと為替デリバティブ取引による損失、その額なんと500億円。
と同時に、経理担当者の不審死が起こり、それを埋めるための粉飾決算が発覚し、会社が危うく無くなりかけてたのです。
しかしエドウィンが持つ技術は素晴らしいものでした。
バブルの残り香がある90年代、当時はあらゆる企業がコストの安い海外に生産拠点を移す中、
エドウィンは東北(秋田及び青森)を始めとした国内に、設備投資を続けました。
おそらく「日本を代表するジーンズメーカー」としての誇りがあったのだと思います。
そして時を経た現在、エドウィンの東北工場は世界的に見てもトップクラスの技術を持つジーンズメーカーとなっていたのです。
そんな素晴らしい会社を破産させるわけにはいかない!と手を挙げたのが、あの伊藤忠商事。
エドウィン社は、伊藤忠の完全子会社として再建にあたることになりました。
しかしその時は2012年、東日本大震災直後であるにもかかわらず東北工場へ出資するなど、並大抵の判断ではございません。
そしてその傷が癒えて来たところでのコロナ禍。
この辛く厳しい十数年を乗り越え、ついにローンチされたのが、この「SKEWed」なのです。
そしてこのSKEWedは、エドウィンが持つ類稀なる生産背景を活かし、様々なデザイナーと協業していく方法を取っています。
現在は、日本人デザイナーが手掛ける「SKEWed SKEWed」というラインと、
もう一つはイギリス人デザイナーが手掛ける「SKEWed WORKING」というライン。
それでは次に、この突如として現れた「イギリス人デザイナーが手掛けるWORKING」について、説明してまいります。
「WORKING(ワーキング)」は、TENDER Co.のデザイナーWilliam Krollと、Robert(ロバート)によるブランド。
そうです!!!DIARIESではおなじみ、あのウイリアムがデザインを監修しているんです!!!!!
ウイリアムがデザインしたエドウィンとか、もう夢がありすぎてアドレナリン出まくりですよね!?
それはさておきロバート君、あなた誰?って思うでしょ?僕もそう思いました。
しかしウイリアムとタッグを組むほどの実力を持つ彼も、またとんでもない実力を持つ方でした。
本名はRobert Newman(ロバート・ニューマン)と言いまして、当然彼もデザイナー。
ウイリアムとの出会いは、あの有名な「セントラルセントマーチン芸術大学」
TENDER Co.の説明で何度も書いてますが、ウイリアムはセントマーチンで教鞭をとっているのはご承知の通り。
ロバートは、10年ほど前にセントマーチンに学生として通っており、ウイリアムの授業を受けていたそうです。
さらには当時、TENDER Co.のセカンドライン「SLEEPER」というブランドがあったのですが(すげー懐かしい!)
そのスリーパーでモデルをやってたくらい、ウイリアムと仲が良かったそうです。
そして現在のロバートは何をやっているかというと???
なんと!MASSIMO OSTI STUDIO(マッシモオスティスタジオ)に勤めていました!!!!!
これは個人的にテンション爆上げ。
EDWIN、TENDER Co.と来て、MASSIMO OSTIはヤバイ。
まずMASSIMO OSTIについて軽く説明します。
MASSIMO OSTIとは、STONE ISLAND(ストーンアイランド)やC.P. COMPANY(CPカンパニー)創設者で、
ファッション界に多大なる功績を残し影響を与えて来た人物です。
ワーク・ミリタリー・アウトドアウェアをベースに、持てる技術の粋を集めて再構築するというイノベーションを起こしました。
このMASSIMO OSTIが行った方法論になぞらえると、例えば当店で扱っているブランドで例えるならば、
1ST PAT-RNやAUBERGEもその文脈にあると言ってもいいでしょう。
そのような偉大な人物でありながら、MASSIMO OSTI氏は2005年に亡くなっています。
ではなぜ今、ロバートは「MASSIMO OSTI STUDIO(マッシモオスティステュディオ)」に所属しているのか?
実はこのマッシモオスティスタジオは、MASSIMO OSTI氏のアーカイブを管理しつつ、新しいデザインを生み出す部署として、
C.P. COMPANYが2022年に立ち上げたのです。
そしてマッシモオスティスタジオは、MASSIMO OSTI氏の息子でありCPカンパニーの社長である、Lorenzo Osti(ロレンツォ・オスティ)が中心となって運営されています。
あ、これロレンツォの手書きサインです。
本人には会えなかったんですけど、サイン入りだけはなんとかゲットしました。
2019年の阪急有楽町7Fで。
そうです、ストレイシープが阪急にオープンした時です。
あの時阪急に行ったのは、ストレイシープに顔を出すのではなく、この本を買いに行くのが目的だったてのは、世田さんにはナイショだよ。
話を戻します。
そのロレンツォが立ち上げたマッシモオスティスタジオでは、ロレンツォと3人のデザイナーでチームを組んでいるのですが、
その内の一人がウイリアムの元生徒であるロバートだったというわけです。
そして僕の推測ではありますが、ロバートが「先生、何か一緒にやらない?」とウイリアムに話を持ち掛けてきたんじゃないかな~?と思ってます。
そうして生まれたのが、この「WORKING」というブランドです。
で、これも推測なのですが、EDWINからTENDER Co.のウイリアムに打診があった際、
EDWINとTENDER Co.では、同じデニムが強いブランド同士でケンカしてしまいますよね?
なのでEDWINとTENDER Co.ではなく、EDWINとWORKINGというコラボになったんだと思います。
長くなりましたが、これが「SKEWed WORKING」というブランドの背景。
それでは詳しく見ていきましょう。
形はWide Pantsという太目のストレートと、Slack Pantsというその名もスラックスを意識したようなテーパードタイプの2種。
TENDER Co.でいうと、132と130みたいな感じがしますね!
でもポケット周りのギミック性のあるデザインには、ロバートぽさを感じます。
コインポケットではなく、TENDER Co.のスノッブサムポケットでもなく、ミリタリー風のフラップ付ポケット。
ストーンアイランドとかCPカンパニーも付いてそう。
反対側はファスナーポケットですが、なぜか下から開けるという謎のディテール。
さらには指が4本しか入らない狭さで、とても使いにくいです。さっきのフラップポケットもね。
でもねこのジッパー、かなり良い部材使ってると思います。
開閉がとても滑らか。使わないポケットなのに!!!笑
いやでもこのジッパーの感触、私物のStone Island Shadow Projectのパンツに付いているやつと同じなんですよね。
ツマミの形も全く一緒で、おそらくロバートがマッシモオスティスタジオの伝手で調達したんじゃないかな~?と思ったり。
極めつけはコチラのディテール。
ミミ2本!
ここは千鳥ノブの「イカ2貫」で再生してほしい。
もう一度、ミミ2本!!
これは相席食堂並みに笑わせていただきました。
赤耳が2本って!?!?!?
でもよく見ると片耳なんです。(片耳=耳の両側に赤いラインがあるのではなく、片方が赤耳でもう片方がロック始末のこと)
これね、実はEDWINとも深い関係があるんですよ。
片耳といえば、Leeに見られる代表的なヴィンテージディテールの一つ。
そしてEDWINといえば、80年代からLeeやWranglerのライセンス製品を、ずっと作り続けて来たという背景があるんです。
なのでEDWINの工場がやってきたことを、まさにSKEW(捻る)したデザインではないかと僕は思うんです。
ちなみに、このミミ2本に機能的な意味はなくて、ただミミの部分(生地を割る部分)に、もう1枚生地を挟んでるだけなんですけどね。
でもこれ、まさにEDWINの持つ固定観念をぶち壊し、ヴィンテージディテールを遊び倒し、新しい風を入れるという、
リブランディングを全力で行っていると感じ、感動するんですね僕は。
というわけで穿いてみました。
太い!TENDER Co.を履き慣れた私でも、太いと感じます!
この迫力!存在感をエドウィンに感じたことがあるか!?
出た!ミミ2本!
TENDER Co.のようにダブルターンナップ(ロールアップ)もできますが、僕はこのように見せつけるのもいいと思います。
最近あまり見ない、剥き出しリベットもウケますね~!
最近はどこも隠しリベットですからね!
このジーンズを畳んだりするときも、棚に硬い物がカンカン当たる音がするんで何かな?と思ったら、この剥き出しリベットが当たる音でした。
ちなみにサイズは、MとLの2サイズ展開のみ。
Mが85㎝あって、Lが90㎝あります。
なのでウエストのフィットの考え方は、以下のようになります。
ウエスト70~80㎝の人はM、ウエスト81~90㎝の人はLを選んで、ベルトでギュッと絞って穿いてください。
デザインは実験的、フィットは適当。
エドウィンにとっては大冒険のブランドだと思います。
それではまた。お店で会いましょう。