diaries blog | Jamieson’s(ジャミソンズ)| V-neck Vest -1934Fairisle-

※12/3(水)・12/4(木)・12/11(木)・12/17(水)・12/18(木)・12/25(木)・12/31(木)は、休店日とさせていただきます。

※年内12月30日まで営業!年明けは3日から!

※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ待ちます!)

※今後のイベント日程は以下。

※12/6,7,8にアンティークウォッチフェアを開催致します。

ANTIQUE WATCH FAIR
日時:12/6(sat)~12/8(mon) 12:00~18:30
場所:DIARIES 茨城県つくば市吾妻3-8-17

来る12/6~12/8、1年半ぶり4度目となるアンティークウォッチフェアを開催致します。

回を重ねるごとに、腕時計の知見が広がる本イベント。私もすっかり魅了されてしまいました。
4年前に買った私のアンティークウォッチも、最初こそ大切に扱っていましたが、今じゃすっかり体の一部になり、ぶつけたり落したり、付けたままPC作業したり。
ホントはダメだけど、ちゃんと修理してくれるディーラーさんがいるからこそ、安心して使えるのです。
ちょうどベルトもボロボロになってきたので、新しいベルトをオーダーする予定です。

このように、DIARIESのアンティークウォッチフェアは、できるだけ敷居を低くし、気軽にアンティークウォッチという物に触れて欲しいという思いで開催しています。
是非ともこの機会に、アンティークウォッチを通して歴史・文化・デザインの変遷など、先人たちが遺してきた直径約30㎜の中に広がる素晴らしい世界を覗いてみて下さい。
そろそろ大き目の時計に飽きてきた方も、アンティークウォッチならではの小ぶりなフェイス、お勧めですよ!

※時計ベルトだけのオーダーも可能です。
※当店でお買い上げいただいた方のみ、修理を受け付けます。
※現金とクレジットカードの併用可。
※お買い上げいただいた製品はオーバーホールのために一時お預かりし、2~3か月後のお渡しとなります。
※金額にオーバーホール代(初回分のみ)は含まれております。
※迷惑行為(例えばディーラーさんから情報だけを抜き取るような行為)と判断した場合、退店していただく場合もございます。


 

 

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「鏡の日」だそうです。

長らく続きましたアールデコとモード展も本日でおしまい。

最後は本展と同じくらい楽しんでしまうミュージアムショップでお買い物です。

この内容で3000円は安いと思います。

またこの三菱一号館美術館以外にも、東京駅には6つのミュージアムがございます。

なので当然ハシゴも可能というわけです。疲れるけど。

東京駅の丸の内口って、なんかいいですよね。

この時はちょうど雨上がりで、皇居を望みつつ水たまりに映る高層ビルが美しい。

そして向かうは、東京ステーションギャラリーです!

それがですよ、アールデコとモード展にあまりに時間を使いすぎて、インドの生地展に間に合わず!!!!!

残念ですが、それだけこの展示内容が素晴らしいということですね。

来年の1/25まで開催されていますので、是非とも訪れて見て下さい!

 

 

じゃ、商品紹介です。

ドウゾ!

【ブランド】Jamieson’s(ジャミソンズ)

【アイテム】V-neck Vest -1934Fairisle-

【価格】¥39,600‐

【コメント】

気が付けば今年もあと1カ月。

このタイミングでご紹介させていただきたいのは、今季セレクトしたアイテムの中で、個人的に1番楽しみにしていたものであり、

また昨今の納品状況を見るにつけ、まさか今年無事に届くとは思っていなかったので、そりゃもう嬉しいことこの上ないのでございます。

それでは早速ですが、ご紹介してまいりましょう!

 

なんとも野暮ったい柄とカラーリング、そしてリブの2トーンが目を引く、よくありそうだけどどこにもないフェアアイルベスト。

実は今回、DIARIES別注にて「柄」から作ってもらいました!!!!!!!!!!

 

実はこの企画、10年くらい前から温めていたのですが、10年前では別注なんてできる資金が無く、

また最低数十着はオーダーが必要なので、これまた10年前のDIARIESでは販売できる力もなかったのです。

そうこうしている内に価格もどんどん上がってきており、いい加減やっておかないと後悔するぞと思い、

今回別注に踏み切らせていただきました。

理由が弱小個人店の愚痴でダサくてスミマセンが、商品はカッコイイです!

 

で、この柄ですが、まさか全部自分で考えたわけではございません。

当然元ネタなるものがございます。

それがコチラ。

とあるニットメーカーが、イギリスのニットの歴史をまとめた1980年代の洋書に載っていたフェアアイルベスト。

1934年のものというのが書いてあります。

この写真を見てから、どうにも気になってしょうがない。現代のフェアアイルベストでは、代わりになるような物が見つからず。

となれば別注するしかないというわけです。

 

お願いするのは、フェアアイルニットといえばのジャミソンズ。

画像を送って「これを再現してくれ」というオーダーのみ。

あとはどこまでやってくれるか待つだけでした。

もっと言うと、その間にミニマム(最低オーダー着数)を交渉したり、ポンドがどこまで上がるか分からない中、

果たして数十着もオーダーして大丈夫なのか?という葛藤もありましたけどね。

 

そしてオーダーしたのが昨年の12月で、約1年後、届いたんです!!!!!

さすがのジェイムソン!見事にやってのけました!もちろん調整してくれたSさんのおかげでもあります!

もう手に持った時、ちょっと震えましたよ!グワワァッと体が熱くなりました!

DIARIESだけの柄、世界にここだけにしか無いんですから。

そしてそういうオーダーを、あの弱小店舗で今にもつぶれそうだった時期を乗り越え、できるようになったということに!

 

また、改めて今回フェアアイル柄というものを、これまたDIARIESらしく掘り下げてみました。

長くなりますが、活字好きの皆様なら読んでいただけるはず。

拙文ですが、どうぞ。


フェアアイルとは島の名前。

アイルという言葉が島を意味するので、厳密にはフェア島ですが、便宜上「フェアアイル島」と呼ぶことにします。

フェアアイル島は、オークニー諸島とスコットランド本土の間にある、荒れ狂うペントランド海峡に位置します。

その島で編み手たちは、独自の伝統を築き上げてきました。

かつて島民はスカンジナビア地方と強いつながりを持っていたものの、フェアアイル島は500年以上も前からスコットランドの一部であり、

1954年にはスコットランドのナショナルトラストによって買収されました。

フェアアイル島は、鮮やかな色彩のニットウェアで古くから有名であり、

1922年に当時のプリンス・オブ・ウェールズがセント・アンドリュースでゴルフをする際、

ジャケットの下に大胆なデザインのフェアアイルプルオーバーを着用している姿が注目され、流行のきっかけとなりました。

当時も今も、王室は流行の先端を行く存在であり、プリンスのフェアアイル編みへの関心が広がると、

紡績会社は編み物リーフレットにフェアアイル風の編み模様を数多く取り入れました。

このフェアアイル島特有の編み模様は、1588年にスペイン無敵艦隊の旗艦「エル・グラン・グリフォン号」が沿岸沖で嵐に遭い、

難破したことに由来すると主張する者もおり、島民が編み物でスペインの紋章を模倣したのではないかという説もあります。

しかし、北欧とフェアアイルの編み物様式には類似点があり、これはおそらく両民族の過去の関わりに起因する可能性も考えられています。

フェアアイルの編み模様には、「アルマダ十字」や「シャロンの薔薇」といったロマンチックな名称が付けられています。

シェトランド諸島と同様、伝統的なフェアアイル編みでは地元産の羊毛が用いられ、小作農たちによって梳毛・紡績・染色が行われていました。

ジェームズ・ノーベリーによる逸話では、フェアアイル島に住む祖母が、

思春期の孫たちのために「栄光のローブ」と呼ばれる伝統的な模様のプルオーバーを初めて編んだという記載があります。

まず無地のリブ編みから始まり、その後ずっと模様編みが続きます。

最初の帯はおそらく生命の水の変形パターンで、すぐに生命の種と生命の花が続く。

これらは着用者の幸せな成長と成熟を意味しています。

次に希望の錨の模様が着用者への願いを表し、人生の道しるべとなる星の模様が続きます。

肩部分へ向かう、あるいは肩部分そのものが頂点となるのは栄光の冠の模様であり、

善良で高潔な人生を送ることによって得られる究極の報いを象徴しています。

フェアアイル編みは、おそらく19世紀半ばに始まったと考えられます。

この時代、輸入された染料と新たな定着技術により、鮮やかな色の染色が可能となりました。

この地域で、色糸編みの技術が確立されたのも同時期です。

当時の事情を知る島民によれば、フェアアイルの船乗りがバルト海の港から鮮やかな模様のショールを持ち帰り、

その編み目の配色が地元の編み手たちによって模倣され、取り入れられ、適応されていったそうです。


というのがフェアアイルニットにまつわる物語。

 

上記の内容から、さらに掘り下げたいのは3つ。

 

まずはこの部分。

「1922年に当時のプリンス・オブ・ウェールズがセント・アンドリュースでゴルフをする際、

ジャケットの下に大胆なデザインのフェアアイルプルオーバーを着用している姿が注目され、流行のきっかけとなりました。」

これに関しては、なんと当時の動画がYouTubeにありました!

白黒だし、インナーだしでよく分からないけどね。笑

ちなみに1922年当時の「プリンス・オブ・ウェールズ」は、皆さんご存知のチャールズ3世ではなくエドワード8世です。

この方もオシャレな方で、例えばエドワード8世は国王を退位するとウィンザー侯爵となるのですが、

これは皆さまご存知「ウィンザーノット」というネクタイの結び方を流行らせた方でもあります。

まあ、間違いなくOLD TOWNに合うでしょうね。

 

次に取り上げたいのは「シャロンの薔薇」というワード!

もうね、今年じゃなかったらこのワードには反応しなかったと思いますよ。

ガンダムのGQuuuuuuxの、しかもエルメスの!!!

となればエルメスのシャツに合わせてこのベストを着るしかないですね~

ということを言いたいだけです。見て下さい、ジークアクス。

 

最後はこちら。

「最初の帯はおそらく生命の水の変形パターンで~~~」から始まる数行の部分。

これまでなんとなく幾何学模様だと思っていたのですが、アランセンター、ガンジーセーター同様、

英国らしいその他フィッシャーマンセーターらしく、やはりフェアアイル柄にも意味がありました!

その説明を見ると、この2トーンの部分は波を表し、その上はロープか鎖?などをイメージできると思います。

上の画像、下の段は明らかに太陽だし、その上のXはシャノンの薔薇なのか?

そしてその上の円形の文様はケルト文様のようにも見えます。

すべては憶測の域を出ませんが、この想像すること自体が、服を通して思いを馳せることが楽しいんですよね!

 

というわけで着てみました。

身長178㎝・体重85㎏で、サイズ44=XLを着用しています。

いつものジャミソンズのベストと違うのは、ストーンとしたシルエット。

これは、元ネタを忠実に再現したからこそ生じた違和感でした。

理由は2トーンのリブ部分です。

よく見たらリブ編みじゃないんですよ!

裏を見ると分かるのですが、こちらもジャカード編みなのです。

リブ編みではないので、伸縮性は無し。なのですぼらまらないため、ストーンとしたシルエットになるんですね。

そのためサイズ感はやや大き目がお勧めです。

色的には、まあ何でも合いますね。素晴らしい。自画自賛してもいいでしょう。

2トーンのVネックがピリっと効きます。

ああ~、心の底から実現してよかったと思ってます。

感無量ってやつですね。

こんなことができるのも、いつも支えていただいているお客様のお蔭です。

皆様の支えがあるからこそ僕は好き勝手やらせてもらえるし、

それを見て楽しんでいただけるのなら、僕は倒れるまで踊り続けると思います。

これからもどうぞお楽しみください。

 

 

 

それではまた、お店で会いましょう。