Alderney(アルダニー)のBreton Stripe Guernsey Sweater

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「ベルリンの壁崩壊の日」だそうです。

ベルリンまた行きたいな~。

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もしかしたらカリーヴルスト食べれば済むかもしれない。。。

 

しかし、この映画を見ると、やはりもう一度ベルリンへ行かなくてはと思ってしまう。

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これも美術新潮の件を教えてくれたO竹さんに教わった映画。

これは絶対見た方がいいです。

壁がまだ存在する頃のベルリンだからこそ撮れた映画かもしれません。

 

 

 

 

じゃ、商品紹介です。

ドウゾ!

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【ブランド】Alderney(アルダニー)

【アイテム】Breton Stripe Guernsey Sweater

【価格】¥23,760-(税込)

【コメント】

昨年はお休みしてしまったガンジーセーターでしたが、2年ぶりに入荷しております!

diariesでは5年前から取り扱いを始め、既におなじみとなったガンジーセーター。

どれくらいおなじみかというと、2年前にはつくばにあるセレクトショップの3店舗もが同じガンジーセーターを売る始末!

ウチの店どころか、つくば中に馴染んでしまったみたいです!www

なので昨年は一度お休みさせていただきました。

まあ他の店で買える物はウチの店でわざわざ買わなくてもいいと思うので、また新しいブランドを見つけて参りましたよ。

それがコチラ。

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タグがなんでグニャってなってるかは後の説明で分かると思います。

で、アルダニーというのはガンジー島があるチャンネル諸島の島の名前。

チャンネル諸島はイギリスとフランスの国境付近の浮かぶ島々ですが、最も大きいのがガンジー島。

そして2番目に大きいのがアルダニー島で、そこから名前を取ってこのブランド名になりました。

昔はそのアルダニー島にもガンジーセーターを作る工場もあったのですが、今は閉鎖されてしまいました。

吸収合併され現在アルダニーのニットが作られているのはこちらのファクトリーになります。

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Crystal Knitwear(クリスタルニットウェア)は、1990年に設立された家族経営の会社。

ブリティッシュウールを使用した様々なニットウェアをオーダーで生産するファクトリーです。

地元に根差した企業で、従業員も全てオーナーが暮らすマンスフィールドから採用しています。

これまでスクールウェアやクリケットウェア、ワークウェアなど様々なジャンルのニットウェアを提供してきました。


というブランドです。

 

で、そんな制服やワークウェアを作って来たガチのファクトリーが作ったガンジーセーターです。

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で、先ほどガンジーセーターと連呼してますが、2年ぶりですので改めて説明させていただきましょう。ということは、長くなるということです。

それではドウゾ!


ガンジーの名前の由来はイギリスとフランスの間に浮かぶチャンネル諸島内のガンジー島に由来します。

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その島で17世紀ごろから伝統的に作られてきたのがガンジーセーター。

主にガンジー島の漁師達が着用していましたが、その後イギリス中にガンジーセーターを着た漁師達が増えていきます。

そして更にはロイヤルファミリーにも愛されるようになり、

中でもエリザベス1世とスコットランドのメアリー女王が好んで使用していました。

そしてガンジーセーターは、19世紀になってから世に広く知られるようになります。

きっかけは1857年、ネルソン提督(※)がイギリス海軍のユニフォームとして、

カナダ・ノバスコシア州のハリファックスに駐屯するイギリス軍兵士に支給したことです。

(※アメリカ独立戦争、ナポレオン戦争などで活躍したイギリス海軍提督。)

このようにして何百年もの間、殆ど形を変えず伝えられてきたのがこのガンジーセーターなのです。


という歴史を持った由緒正しき英国製のニット。

歴史あり、想いあり、軍に採用されるほどの実績ありという3拍子揃った、正に質実剛健なニットです。

フィッシャーマンセーターといえば、ケーブル編みがこれでもかと施されたアランニットが思い浮かびますが、

こんなミニマムなデザインのやつは、俺みたいな天邪鬼には持って来いなんです。

 

そしてディテールもこれまた語り付くせぬほど。(いや語るけど)

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これが何百年と受け継がれているTraditional Pattern(=伝統的なパターン)です。

上の図に照らし合わせて見てくと、

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Neck Gusset(ネックガセット)

 

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Garter stitch panel(ガーターステッチパネル)と、Ribbed sleeve top(リブスリーブトップ)と、Under arm gusset(アンダーアームガセット)、

これは左型の編みが波を表し、リブ編みはハシゴを表しています。この説明は後ほど。

 

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Slit hem line(スリットヘム)に、Garter stitch welt(裾のガーター編み)。これがガンジーセーターのトラディショナル。

 

そしてガンジーセーターの説明にもあったとおり、元々はガンジー諸島の漁師達が着ていました。

これがその写真。

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私物のニットの洋書にたまたまガンジーセーターの記事がありました。

といってもよく見るとコーンウォール州の漁師みたいですけど。まあガンジー島近いしいいか。

 

また、このセーターを編み始めたのは漁師達の妻たち。

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ここで先ほどのガーター編みとリブ編みが関わってきます。

ガーター編みの部分は、「波」を表しています。

波が立つところに魚がいるって言うじゃないですか?だから、妻たちが豊漁を願って編み目を施したのが始まり。

そして次はリブ編みの「ハシゴ」。

これは陸と船を繋ぐハシゴのことで、無事に帰って来てねという意味が込められています。

 

このように、ガンジーセーターというのは非常に愛に溢れた服なんです。

旦那様へのプレゼントにもオススメしたいですね。

 

でも、これだけでは手編みの意味がありません。

現代のガンジーセーターにはほとんど見られないディテールがこちら。

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みんなガンジーセーターを着ていますが、胸元のデザインがみんな違うのが確認できますでしょうか?

これは実は家紋のようなもので家ごとに違います。

なぜか?

このセーターを着て出かける冬の海は、とても危険な場所。

当然中には帰らぬ人も出てきます。

もし水死体が陸に上がったとしても、100年以上も前の時代に、それが誰なのかを判別するのは不可能。

しかしそれが誰かを教えてくれるのは、この文様なんです。

同時にこの文様は漁師たちの誇りでもあります。

そしてそれは先祖代々受け継がれていくのです。

だからこうして若い漁師達も誇らしげに着ているのでしょう。

 

また、次の写真がまたカッコいいんです!

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彼らにとってはもはや正装なので、結婚式の日までガンジーセーターを着てたそうなんです!

愛だろ、愛。

 

そんなわけで、愛と哀を紡いできたガンジーセーターを着てみました。

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サイズは私で42(XL相当)を着用。ちなみに36(S相当)から用意しています。

ガンジーセーターはよくサイズ選びが難しいとお客様から相談を受けます。

サイズを失敗してる人は確かによく見るのですが、無理矢理売りつけられたのかな~というのもありますが、

やはりその構造も要因の1つかもしれないです。

というのは、両前(前後が関係ない)ということ。

これは暗闇の中でも前後を気にせず袖を通せるようにという意味があります。

またもしかすると軍隊に採用されたのも、この構造からかもしれません。時間短縮にもなるし。

 

実際に私が海外に買い付けに行くときも、相棒はガンジーセーターだったりします。

サッと手に取って着られるストレスの無さも気に入ってるところですね。

アンデルセンアンデルセンはかさばるので、買い付けにはちょっと不向きかな。

なので、アンデルセンアンデルセンでは重たくて、、、という方にもオススメしたいアイテムです。

 

 

 

 

 

それではまた。お店で会いましょう。