※10/10(木)・10/12(土)・10/13(日)・10/18(木)・10/25(水)・10/26(木)は、休店日です。
※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ!)
※OLD TOWNオーダー分の入荷は、10月下旬予定。
LOUNGE ACTオーダー分の入荷は、シャツ(10月)・パンツ(11月)・ジャケット(12月)・コート(1月)予定で進行中です。
アンティークウォッチをお買い上げいただいたお客様へ。現在急ピッチで(でも丁寧に)OHを仕上げてもらってます。もうしばらくお待ちください。
ダイアリーズの今日は何の日?
今日は、「国際協力の日」だそうです。
時折、DIARIESでお買い上げいただいた商品を、私の予想もつかない使い方をされているのを見た時、感動すら覚えることもあります。
先日、「うわぁ~これはヤベェ・・・」と口にしてしまったのが、HAMMERSYCLEのオーナー・ハマーさんのカスタム。
入荷当時、人毛バッグ!?とお客様をザワつかせた、メキシコはチャムラ族のスカートをリメイクしたバッグでございます。
メチャクチャカッコいい!と思ってセレクトしましたが、誰にも購入されることなく数年経ち、お買い上げいただいたのはハマーさん。
入荷当初はこのような形でしたが、
このバッグを見た時に、既に取っ手をレザーに変えることを考えていたんだそう。
ああ、バイカーだけにVansonのイメージかな?と思ったら、そんな俺の考えはメチャクチャ安直でした。
なんと1930年代のアメリカの古い写真に、こんなバッグが映ってたんだって。
おそらく当時のそのバッグは熊革。30年代のアメリカの革ジャンといったら熊ジャンてのもありますからね。バッグがあっても不思議ではないです。
さすが古いアメリカに造詣が深いハマーさん。その知識・センスを持って、素晴らしいカスタムを見せていただきました!
これは私も精進しないといけませんね!!!
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!
【ブランド】1ST PAT-RN(ファーストパターン)
【アイテム】HORLOGER/Masterwork blazer
【価格】¥95,700‐
【コメント】
とうとうブログの方にも1ST PAT-RNの登場です!
コロナ禍で、2023年の1年間は新作コレクションを発表することができなかったのですが、
昨シーズンめでたく復活し、今シーズンはさらにオリジナル生地が増え、徐々にコロナ以前の状態を取り戻しつつあります。
ちなみに完全復活は、ジャケット・ベスト・パンツの3ピースが出てきたらかな~と思ってます。(2025年春に出ます!)
レディースラインは難しいと思いますけどね。
というわけで今季最初の紹介となりますので、まずはブランド説明からどうぞ。
イタリアのブランド『1ST PAT-RN (ファーストパターン)』は、2011年にデザイナーCristiano Bertoによって立ち上げられた。
ブランド名の由来は、ミリタリー用語として使われた”First Pattern” (一番最初のプロトタイプ)からきている。
ブランドのコンセプトは、ニット生地やシンプルかつファンダメンタルな素材を使うことによって、洋服として普遍的な構造・品質・デザインを復刻させることにあり、
そのため大量生産を避け、生地や縫製にこだわり1着1着最高の洋服を作ることだ。
デザインのインスピレーションは主に、『Civil (シビル)』『Military (ミリタリー)』『Utility (ユーティリティー)』の機能美からきているが、
1st Pat-rnの洋服は、糸・生地の生産から、ボタン、レーベル、タグ、商品の仕上げの工程まで、すべてがイタリアで行われている。
そして、洋服としての最高の品質と仕立てを常に追及し続けている。
例えば、英国とイタリアの仕立ての具合をうまく融合させ、綺麗なウエストライン、すっきりとした肩のライン
、動きやすくスタイリッシュに裁断された腕周りなどの新しいフィットを作り出したり、
第一次世界大戦でイタリア陸軍や海軍が着用していたユニフォームをデザインのインスピレーションにしたり、
レーベルにモデル名を入れたりと、細かな気配りとこだわりが1ST PAT-RNの価値をより一層引き立てるものとなっている。
デザイナーCristianoが “We must try to wear them, to understand” と主張しているように、
1ST PAT-RNの本当のフィットの良さは、実際に着てみないとわからないものだ。
長く大切に着て初めて分かる本当の洋服の良さを教えてくれるような洋服作りが1ST PAT-RNの洋服作りだ。
伝統的なイタリアのものづくりを後世に継承していきたいというデザイナーCristianoの気持ちがあふれ出ている。
というブランドになります。
特徴をものすごくかみ砕いて説明すると、「生粋のイタリア人が作る、ヨーロッパから見たアメトラ」といったところでしょうか。
例えばこの手のブランドだと、エンジニア〇ガーメンツを筆頭に沢山あると思うんですよ。
でもファーストパターンの所謂「おとしどころ」というのが、個人的には完璧なんです。
この落しどころを言葉で説明するのは難しいんですけど。料理の味付けみたいにね。
なのでこの良さを知ってもらうには、着てみる他に方法はありません。
それでは詳しく見ていきましょう。
昨シーズン、再スタートを切ったファーストパターンの肝入りジャケットとして登場したのが、このHORLOGER(ホロジー)という名前がついたジャケットです。
HORLOGERはフランス語で、日本語にすると「時計屋」「時計職人」となります。
クリスティアーノが、時計職人を写した古い写真を見つけ、そこから発想を広げて作られたジャケットになります。
そのジャケットのデザインも、時計のようにシンプルながらもヒネリが利いたディテールが満載。
例えば今回の前合わせは、なんと「4つボタン段返り」!?!?!?これは珍しい!そして面白い!!!
世の中に多くあるのは3つボタン段返り、そして段返りの歴史を辿ればミリタリーに由来するものでもあり、
かつ段返りという仕様は、やはりアイビールックとは切っても切れない関係でもあり。
いずれにせよ、この4つボタン段返りというディテールには、ファーストパターンが得意とする
トラッド・ミリタリー・アイビーが絶妙に盛り込まれたデザインであることには変わりないわけです。
なのでこのHORLOGER(ホロジー)ジャケットは、ファーストパターン再スタートを象徴する肝入りジャケットとして、強く打ち出していきたいのでございます!!!
よく見ると、胸ポケットはいびつな形。
妙に縦長で、さらにポケット下部が丸まっているんです。
このデザインは、時計職人だけに懐中時計の収まりが良いように、ポケット下部に丸みを付けたため。
なので段返りにしているのも、ボタンホールに懐中時計のフックを引っかけるためなのかもしれません。
もう一つ気になるのはチェンジポケット。
チェンジポケットとは、右腰ポケットの上、腰ポケットに平行し、腰ポケットの3分の2くらいの大きさで配置されるポケットです。
このチェンジポケット、由来は諸説ありまして、Change=両替=小銭のためのポケットなんて説がありますが、僕は懐疑的です。
海外ではチケットポケットと呼ばれ、チケット=切符を示すこと、またイギリスのスーツによく見られることは、
鉄道発祥の地・イギリスらしいディテールと考えることもでき、チケットポケットがしっくりくるな、と。
それはさておき、このチェンジポケットあらためチケットポケットがなぜスラント(斜め)しているのかというと、
小銭や切符を入れるわけではなく、時計技師がドライバーやボールペンなどの道具を入れるためのポケットとしてのデザイン。
いわばツールポケット。
チェンジポケットの皮をかぶった、ファーストパターンらしい道具を入れるスラントポケットというのがニクイです!!
またこれら新しいディテールだけではなく、一貫してファーストパターンのジャケットが踏襲するデザインが袖口。
袖ボタンがなぜ1つなのか気になりませんか?
これ実は、あのロメオジリに対するオマージュなんです。
懐かしいですね~、ジリ。
おそらくイタリア人にとっては、ロメオジリはもうちょっとファッション界で評価が高まってもいいんじゃないか?と思っているはず。
なのでファーストパターンのジャケットでは、以前から袖一つボタンを多用しております。もちろん本切羽で。
ちなみにボタンの素材は「ガラライト」というもの。
プラスチックなのですが、材料がなんと牛乳から抽出したたんぱく質(カゼイン)で作られており、ミルクボタンやラクトボタンとも言われています。
このカゼイン樹脂を固めるやり方は1920年以降に広まったもので、現在では廃れてしまっているそうです。
現在ではチェコにガラライトボタンを作る大手があるようですが、旧共産圏ならではといったところでしょうか?
ですがクリスティアーノは、ガラライトボタンを作る工場をイタリア国内で見つけ、使用しています。
プラスチックながら高級感のある風合いを、是非ともご覧いただきたいです!
以上がジャケットの説明。次は素材の説明です。
ついに凝りまくったファーストパターンのオリジナルファブリックが登場しましたねー!!!
使用する素材は、「Re-Tweed」と名付けられたVeneto近郊で織られるヘリンボーン生地です。
伝統的でクラシックな印象を持つブラウンのヘリンボーン素材を、地元の生地工場と共に再構築しました。
見た目は粗野な雰囲気を持つヘリンボーンですが、その中にインディゴをイメージしたネイビーの糸がうっすらと顔を覗かせます。
これね~、太陽の下で見て欲しいんですよ。
生地の表面にうっすらとパープルが顔を覗かせるんです。その下に激渋なヘリンボーンが鎮座。鎮座ヘリンボン。
さらにRADDOPPIATO(ラドッピアート)構造(=二重織り)で、生地の裏側は黒の平織りとなっています。
生地にはコットン41%、リネン36%、ウール18%、ポリアミド5%と色々使ってますが、
ラドッピアート構造なので生地の裏側はおそらく綿がメインなのでチクチクしません。
ちなみにジャケットの作りは半裏仕立て。
裏地に使用する生地は、コットン×キュプラのBemberg。滑りがよく通気性があり、静電気が起きにくいのが特長です。
それでは着てみましょう!
身長178㎝ 体重85㎏ 胸囲及びウエスト1mくらいの私で、XLを着用しています。
袖が1インチほど長いのもファーストパターンらしいところ。ここは狙ってこのような長さになっています。
クリスティアーノがウディ・アレンが好きで、アレンのようなちょっとルーズ感が出るようになっています。
でも個人的には、この着こなしも好きなんですよね~。
ボタン全留め!
でも一番上のボタンは一回り小さいので、本来は使わないボタン。なので邪道ではあります。
とはいえファッションは自由。
なんでもありっていうのとはまた意味が違うけど、マナーとルールを知った上で、あえて破って自分の物にするのはいいことだと思います。
いわゆる守破離ってやつですね!
ああ、そうそう。
このジャケットに、ワーカーズのシャンブレーBDが死ぬほど良くあうんです。
なぜかと思ったら、ヘリンボーンにインディゴを思わせるネイビーを足したって説明があったから、
シャンブレーのインディゴのトーンが絶妙に合っているのかもしれない。
そんな先々のコーディネートを考えながら、早く気温が下がれと祈る日々でございます。
それではまた。お店で会いましょう。