diaries blog | Gorsch(ゴーシュ)| Schied Waist Coat

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※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ!)

※コロナ対策実施中です。

 

 

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「ミュージックの日」だそうです。

自分が聴いてきたミュージックの中で、一番ヤバいの何?って聞かれたら、真っ先にビョークを上げますね。

というわけで、明日はDIARIESは臨時休業とさせていただき、Bjorkの来日公演に行ってまいります。

そろそろライブにも行っていいかなと思いまして。レッチリと悩んだ結果、ビョークを選びましたよ。

都内でライブを見るのも何年ぶりか分かりません。

ビョークは2003年のフジロックで見たのが初めてで、その後ライブエイドと単独公演とフジロックで計4回ほど。

人生5回目のビョーク。今回はどのようなステージを見せてくれるのでしょうか?楽しみです!!!

 

 

 

じゃ、商品紹介です。

ドウゾ!

【ブランド】Gorsch(ゴーシュ)

【アイテム】Schied Waist Coat

【価格】¥44,000-

【コメント】

さてさて、早くもゴーシュより2023年の新作が届いております。

それでは、今季初お目見えとなりますので、まずはブランド説明からどうぞ。

ゴーシュという名のとある仕立屋見習いの物語。

ある日屋根裏で見つけた古びた足踏みミシンと仕立ての道具、そして3着のジャケット。

ゴーシュは、今は亡き祖父が仕立屋だったことを知る。

祖父の仕事姿を思い描き、それは憧れに変わり、そして同じ道を歩み始めた。

腕はまだまだ未熟だが、仕立技術の向上のみならず、様々な異国に移り住み、異文化に触れ、

感じたままにゴーシュらしい物作りに励む。

故郷に想いを馳せ、いつの日かその地での物作りを通して、様々な国の人々に “Gorsch” を楽しんでもらいたい、

そんな事を想いながら、世界のどこか片隅で日々腕を磨いている。


というのがオフィシャルの説明になります。

あらためて、ゴーシュというのは宮沢賢治のセロ弾きのゴーシュから来ているのですが、

デザイナー・鈴木氏も宮沢賢治と同じ岩手出身。

またこのブランドコンセプトですが、空想の物語ではございません。フィクションではなくノンフィクションです。

なので、仕立て屋だった亡き祖父の3着のジャケット(内1着)がこちらです。

祖父が、自分の息子(デザイナーの父親)のために作ったジャケットなのだそう。

 

もうヴィンテージなんて呼び名では軽々しくて、そういえば洋服1着1着にはそういったストーリーがあるんだよな・・・

と、改めて洋服の素晴らしさに気づかせてくれました。ありがとう、ゴーシュ。

 

またデザイナーの経歴も是非ともお見知りおきいただきたい。

 

Gorschデザイナー・鈴木氏がデザイナーを目指すきっかけになったのは、アフリカはボリビアでのこと。

当時、外務省に勤める傍ら、赴任先のボリビアで地元のソーイングレディに服作りを教わったのが始まり。

その後、本格的に服作りを学ぶために外務省を退職し、FIT(ニューヨーク州立工科大学)へ入学した後、イギリスはセントマーチンに編入。

そのセントマーチンも1年ほどで中退しベルリンに移り、ベルリンで30年以上も続くオートクチュールアトリエ・

STUDIO ITOと、同じくベルリンのデザイナー・FRANK LEDERのアシスタントを務める。

 

というのがデザイナーさんの経歴です。

またフランクの影響を受けたということからどこか通じるものもあり、

アルティザンとワークウェアが融合したような雰囲気は、個人的に大好きなところです!

思えばGorschというスペルも(schが)ドイツっぽいので、ドイツがベースになっているんだと思います。

 

そして昨年より、新しく「Gorsch the merry coachman(ゴーシュ・ザ・メリーコーチマン)」というラインが立ちあげられました。

これまでのthe seamsterは、デザイナー鈴木氏のこと。

そしてcoachmanは馬車を操る御者としての鈴木氏のこと。

今までは鈴木氏自身がミシンを踏んで縫製を行ってきましたが、信頼ある工場と出会うことができ、

Gorschという馬車に乗り込むように、みんなで作り上げるイメージでthe merry coachmanレーベルが誕生しました。

ちなみにこの馬車というイメージも、ゴーシュの心境が変化するきっかけとなった「愉快な馬車屋」という、

セロ弾きのゴーシュ作品内の曲目になぞらえています。

 

さらに2022年より、デザインの拠点となるアトリエを東京から地元の岩手県北上市に移し、

生産拠点である工場とも物質的な距離を近くしながら、Gorschを運営することになりました。


というわけで、今季はその岩手発としてのファーストシーズンのコレクションになります。

まずはベストが届きました。

こちらのベスト、というか今季のラインナップには以下のコンセプトがあります。


「寛永2年(1625年)より受け継がれる”鈴木盛久”」

盛岡の地で続いてきた伝統と技術。そしてその代によって、自分の色を探求し唯一無二の鉄器を生み出す職人・鈴木盛久。

伝統が重んじられる世界で新しいことに挑戦することは、多少なりとも他者から異端と見られることもあるものの、

自身の表現、そして次世代へつなぐ大事な行動であり想いでもあると考える。

技術はもちろん大事で大前提、そしてその技術を使って己を表現できなければやはり自分でなくてもいい。

製品を通し、「自分はこうだ!」という意思が伝わってくる鈴木盛久の作品の数々は、人を魅了します。

そしてまたGorschもその製作過程に携われればいいなと思い、Modelに選びました。令和6年より第16代の時代が始まります。


というもの。

早くも岩手の名工に着目し、広がりを見せるゴーシュの服。

こちらは、Schied Waist Coatと名付けられたベスト。

Schied(シュミート)はドイツ語で、日本語に訳すと「鍛冶屋」。まさに南部鉄器を使う職人にかけてですね!

そしてWaist Coatとはベストのことを言います。

つまり鍛冶屋のベストというわけ。

 

ゴーシュが鍛冶屋と名付けたオフィシャルの案内はコチラ。


鉄器を作る工程で鉄を打つということはないのですが、鉄にまつわる仕事ということで、まずは鉄を扱う職業の服についてリサーチを開始。

主にドイツの製鉄現場を描写した本、また岩手各地の南部鉄器工房の資料写真、

そしてドイツやフランスなどのヴィンテージ服を参考にし、Gorschが思う鉄器工房での作業服を想像しデザインされています。


 

そしてベストを作るに当たってのイメージはコチラだそうです。


南部鉄器の過去の写真を見ていると、ベストを一番上に着ている職人が多いことを発見。

割と肩幅が狭いデザインが多く、その特徴を活かしてデザインを行う事に。


このような形のベストとなると、例えばOLD TOWNやTENDER Co.が作るような、

イギリス軍のジャーキンベストみたいなイギリスらしいデザインだなと思いますが、

ゴーシュの手で生まれたクルーネックのベストがどうなるかも見てみたかったんです。

仕上がってみると、ジャーキンベストモチーフのベストとは、全く異なる物でした。

 

それでは詳しく見ていきましょう。

肩幅は少し抑え、しかしアウターとしても使えるように身幅は肩幅とのバランスを考えた上で、ややゆとりのある大きさ。

前端や首ぐり、アームホール端にあえてステッチをかけず、柔らかい雰囲気を強調しています。

ステッチもデザインの一つと考え、端から端まであえてかけていない場所もあります。

アームホール底のカーブは機能的な理由はなく、デザイナーの遊び心。

さらに裏から見ると、首と肩周りのステッチも非常に美しいんです!

縫い代と肩線の関係なんですけどね。これは実際に説明しないと分からないかな~?

デザインも美しいけど、同時に肩の部分も補強されているの、分かります?

ただのワークウェアとはまた違ったアプローチ。ゴーシュのやってることは細かすぎて、伝えるのが難しいです!!!

 

そして一番分かりにくかったのがポケットの部分!

当時のドイツの製鉄所で着られていた作業着にはツギハギの物が多く、そのうちの1枚に映っている作業着の腰ポケットがアイデアの元となりました。

ポケットが後身頃から続いているように見えるようデザインされ、またそれはベントの役割もあります。

全然意味わからなくて笑えます!

つまりみんなを幸せにするゴーシュの服。

 

ちなみに今回の生地は、コットンリネン 経(タテ)・緯(ヨコ)共に綿麻の混紡糸とネップ糸を使用しています。

麻のカスを自然に残しつつ織り上げてられたもの。洗い加工によって柔らかい風合いになりました。

夏の工房内はとても暑くなるので、少しでも涼しくなれるもの、かつ作業着になりうる生地として選定されています。

というわけで着てみました。

Cap/Lock&Co.

Shirt/APPLETREES (Tomorrow’s standard) ¥52,800-

Pants/OLD TOWN

Boots/Grizzly Boots

素材はシャンブレーくらいなので軽め。夏はTシャツの上にサラッと羽織れます。

ワークウェアらしいバランスとして、前下がり(前身ごろが後ろ身頃より長い)になっています。

そしてこれが謎のディテールね。

ベントの役割を兼ねているということですが、確かにポケットに手を入れた時に突っ張る感じがありません。

これは面白いディテールです!!!

こちらも先ほど説明した「ステッチもデザインの一部」と考えて、途中で留めたステッチ。

もちろん途中で止めたからと言って、服の機能として問題は無いようになっています。

そしてわきの下の遊び心。

遊びといえど、要所要所にカンヌキ留めを施し、ワークウェアとして頑丈に、見た目にも美しく仕上げています。

いかがでしたでしょうか?

拠点を岩手に変えたことで、どこか牧歌的な雰囲気が強まったように感じるゴーシュの服。

是非ともお手に取ってご覧くださいませ。

 

 

 

それではまた。お店で会いましょう。