diaries blog | INDIVIDUALIZED SHIRTS(インディヴィジュアライズドシャツ)| Cambridge Oxford Standard Fit B/D L/S

※8/7(土)~9(月)の3日間、1ST PAT-RNの2022SS新作デニム?の受注会を開催します!(ご予約1点毎に、デポジット代をいただきます。)

※8/5(木)は、休店日とさせていただきます。

※夜の自粛中につき、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ!)

※コロナ対策実施中です。

 

 

 

 

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「水の日」だそうです。

そういや昨日オリンピックのバスケを見てたんですけどね、

アメリカ代表バスケのドリームチームが始まった、1992年の中学の時を思い出したんですよ。

ちょうど洋服に興味を持った頃で、Boonで見たスウェットやバッシュが欲しくて、

チャンピオンのドリームチームデザインのスウェットを買おうと心に決めてたんですよね。

で、いざ買おうと思った矢先に、クラスの人気者が同じやつ買っちゃって・・・

スクールカーストってやつだと、向こうは上の上で俺は中の下。

そんな俺が同じ服を買ったら、周りに何言われるか分かりませんので、しょうがなく欲しくもないスウェットを手に取って、

「こういうのが欲しかったんだよ!(涙)」と自分に言い聞かせながら買い物したのを思い出しました。

こんな経験もまた、服屋をやろうと思った動機の一つに少なからずなっているかと思うと、

昔の自分にファイト!と言いたくなりますね。

 

好きな服を、好きなように着ることができる幸せ。

あれから30年経った今も噛み締めています。

 

 

 

じゃ、商品紹介です。

ドウゾ!

【ブランド】INDIVIDUALIZED SHIRTS(インディヴィジュアライズドシャツ)

【アイテム】 Cambridge Oxford Standard Fit B/D L/S

【価格】 ¥25,300-(税込)

【コメント】

いつものシャツです

シーズン初めは定番アイテムの紹介が多くなりますね。

長らく当店のブログをご覧いただいている方にとっては、少々退屈かもしれません。

が、定番であるならば、本来であれば全てのお客様に持っていて欲しいアイテムということなのです。

せめて1着だけでも。

なぜそこまで言うかというと、「シャツの良さを知って欲しい」から。

ここで言うシャツとは、Individualized shirtsのシャツに限定するのではなく、

「シャツという服そのもの」を示しています。

目的は、お客様が良いシャツというものはどういう物かを知り、

お客様ご自身が審美眼を得、よりよい買い物ができるようになること。

その上で、当店をご利用いただき、当店で扱う商品をお買い求めいただけるようになれば、この上ないことだと思っています。

そしてなぜIndividualized shirtsかというと、このクオリティでこの価格というバランス、

つまりクオリティと価格のバランスが見事に取れているアイテムだと思うからです。

(前よりだいぶ値上がりしちゃったけど・・・汗。ま、他もみんな高くなってるからしょうがないか!w)

 

先ほど定番と書きましたが、英語でStandard。

Standardには標準や基準という意味もあります。

この世にある全てのシャツのStandard(基準)として存在する。

そんなシャツだと思うのです。座標の中心ってことですね!

また、先ほどの「目的」にどうかかわってくるかと申しますと、

Individualized shirtsを知ることで、

例えばIndividualized shirtsより安いシャツはなぜ安いか、逆になぜ高いかを理解することができ、

ブランドや広告に惑わされず、より納得のいく買い物ができるようになるんです。

そうすると、オシャレはもっと楽しくなります。

(もちろん知るためだけにブログを読んだだけではダメですよ。

着てみないとね。知るではなく識る。)

全てはお客様に洋服を楽しんでもらうために。

それでは詳しく見ていきましょう。

まずはブランド紹介からです。

1961年 、アメリカのクラフツマンシップが多く残っていた時代

マンハッタンの対岸 ニュージャージー州

今もヨーロッパの風景を残す小さな町アンボイ

インディビジュアライズド シャツ社はカスタムメイド(オーダーメイド)の

専門ファクトリーとして創業しました。

歴史は50年ほどで老舗シャツメーカーというには若いメーカーですが、

1枚のシャツへのこだわりは創業以来一貫しており、

特にカスタムメイドシャツの分野では現在もアメリカ国内シェア1位を誇っております。

2003年まで、BD(ボタンダウン)シャツ(ポロカラーシャツ)の原点を作り上げた

BROOKS BROTHERSのカスタムシャツ部門を全て任され、

(2003年BROOKS BROTHERS USAが外資に買収され契約関係を終了したため。)

現在もNYの最高級百貨店 BERGDORF GOODMAN、

アラン フラッサー氏の直営店もあるSAKS FIFTH AVENUE等、

全米の高級紳士服専門店のカスタムシャツを手がけ、

また顧客リストの中にはブッシュ氏も含む歴代大統領やハリウッドスター、

スポーツ選手などのセレブリティーが名を連ねています。


というもの。

老舗と言うにはまだ若い方だと思いますが、そのシャツから漂う雰囲気は

創業50年という若さを感じさせないくらい。もはや重鎮です。

diariesでも取扱いを初めて8年目。

個人的にもインディヴィジュアライズドシャツのコレクションも段々増えてきました。

いやコレクションというのは語弊がありますかね。

別に集めているわけではありません。結果的に集まったというのが正しいと思います。

一番古いのでかれこれ約15年の付き合い。

調べてみると、インディヴィジュアライズドシャツが本格的に日本上陸したのが

2000年なので、ちょうどその頃に買ったわけです。

そしてお店を初めてから1年に1~2着づつ買うペース。

お店のオーナーならもっと買えよって話ですが、私のサイズがまさかの完売や先立つものがなかったり・・・

そうそう。当店のお客様には、こんな方もいらっしゃいました。

弊店が初めてインディヴィジュアライズドシャツを取り扱った2011年春夏。

その時にお買い上げいただいたお客様のシャンブレーシャツ。

大変お気に召していただき、ヘビーローテーションで着ていただいたのですが、

オックスフォードよりも番手が細い生地なので、やはりどうしても袖口や襟首が擦り切れてしまいます。

そしてこのシャツの寿命がこれで終わりかというと、そういうわけでもないんです。

このお客様がどうしたかというと、、、

破れた部分に当て布をして、まだまだ着続けていただけるそうです。

こんな嬉しいことってあります!?!?!?

これは洋服屋冥利に尽きるというか、ホントこのシャツは良い人に買われて

よかったな~~~~~~~~と心底思いました。

新品とかヴィンテージとかの壁を軽く超えた瞬間だと思います。

十年後、二十年後、このシャツはいったいどんな顔をしているのでしょう?

それを考えるだけで、私はいつまでもこの仕事を続けていたいと思えるんです。

ご覧の通り、両袖口とネック以外まったく問題ないですからね!

じゃあなんでそんなに丈夫なのかっていうと、やはり縫製が丁寧だからではないでしょうか?

それではその辺をご紹介していきましょう。

インディビジュアライズドシャツの最大の魅力は、現在に残る良質のmade in USAであることです。

マンハッタンの対岸に位置する町・アンボイで、

熟練した縫製スタッフによって作られている最上級のシャツです。

最上級の裏付けとして、例えば1インチ幅約(2.54cm)で25回のステッチングをスタンダードとしています。

また縫製とともに優れているのがパターン。

特に個人的に好きなのが襟。

BD(ボタンダウン)カラーのロール感、BAND(台襟)のスクエアーラインのデザインは、

ブルックスブラザーズのBDシャツ(ポロカラーシャツ)を作り続けた実績により得られた技術であり、

他のシャツメーカーでは決して真似の出来ない傑作と言えるでしょう。

そしてお次は気になるシルエット。

恐らくこのスタンダードフィットは、非常に日本人の体形に適していると思います。

ちなみに他のシルエットには、Classic fitとSlim fitがあります。

実際自分みたいなブーデーはクラシックフィットでもいいんですけど、

うちのお客様だと、うらやましいことに皆スタイルがよく、スタンダードフィットがオススメだと思いました。

また、スリムフィットというものがありますが、さすがにそれは細すぎ。着られる人が限られます。

あとスリムフィットの場合、胸ポケットが付きません。

個人的には付いている派。

アメリカンボタンダウンシャツには、ちょっと野暮ったさがあってほしいなと思い、

ポケットが必要と思いました。

ちなみに本場アメリカでは、胸ポケットのあるシャツは田舎者が着るダサい服と思われています。

当然それを踏まえた上で、そもそもアメリカの服というのは合理性・実用性を重視していますので、

やはりポケットはついていて欲しいと思うんです。

そしてやはりインディヴィジュアライズドシャツの説明に不可欠なのは、このヨーク部分ですかね。

肩のヨーク部分はコンストラクションヨーク製法を採用しています。

ルイジボレッリ(イタリアシャツの帝王)なども採用している製法で縫い目を見せない特有の縫製方法です。

「コンストラクションヨーク」と呼ばれるものですが、日本語にすると「袋縫い」という意味だそう。

どうやっているかというのを、ブログをご覧いただいた方に教えてもらったのでコピペします。


ヨークの袋縫いはまず、ヨークと後身頃を縫い返し、

次にヨーク前端と前身頃を出来上がりの状態にセットし、

それを衿ぐりから引っぱり出して地縫いします。

それを元に戻してアイロンを掛けます。

通常の様にヨーク前端を折ってたたきつける方法だと生地が伸びてしまうもの、

例えばレーヨン、シルク等にも適した手法だと思います。


と言うわけです。

最初はステッチを隠す「粋」なやり方だなと思っていましたが、違いました。

洋服って奥が深い!

TOORIさん、教えていただき本当にありがとうございました。

またインディヴィジュアライズドシャツが登場する前と後で、この袋縫いをする国内ブランドが増えたように思います。

それくらい日本のファッション市場に影響を与えたと言っていいでしょう。

またヨークだけでなく、背中のプリーツはセンター。

ラルフローレンやヨーロッパのシャツがBDシャツに採用しているサイドプリーツと違い、センタープリーツを採用しています。

アメリカのシャツメーカーの基本的な考えで、本来のシャツはセンタープリーツで

ユニフォーム・ワークウエアー・軍服などがサイドプリーツであるとの理由からです。

最後に素材。

本日ご紹介した生地は、ケンブリッジオックスフォードというライトな生地。

その名の通りブリティッシュトラッドにも合いそうな上品な表情となっています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

いかがでしょうか?

着てみたくなりましたか?

これでまたファンが増えてくれるといいなぁ~

 

 

それではまた。お店で会いましょう。