※4/5(水)・4/6(木)は休店日です。(展示会シーズンは休みが増えます)
※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ!)
※コロナ対策実施中です。
ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「オーケストラの日」だそうです。
今夜でBjorkの来日公演もお終いですね。寂しいなあ。
あれからずっとビョークばかり聴いてて、未だ夢の中というか覚めないで欲しいというか。
初めて桜が咲いているところを見たビョーク。
散るところまでが桜の美しさなので、是非とも心に焼き付けていって欲しいものです。
ちなみに今のお店の前の桜はこんな感じです!!!
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!
【ブランド】LOUNGE ACT(ラウンジアクト)
【アイテム】1 Tuck Trousers
【価格】¥36,300-
【コメント】
着実にファンを増やし続けている?と思われるラウンジアクト。
繊細で確かな技術に裏付けられた服造りは、着れば着るほど奥深さを実感することでしょう。
とはいえあまりに奥深いので、DIARIESではまだシャツとパンツしかオーダーできてないんですけどね。
僕が未熟なせいで・・・申し訳ない・・・
テーラー仕込みのジャケットやコートもあるのですが、すごすぎてまだ僕の手には負えないんですよ。それくらいすごい。
なので、もうそろそろ皆様に色々と見てもらえるようにする予定です。
というわけで、詳しく見ていきましょう。
ラウンジアクト定番のトラウザーズは、自然なテーパードと履き心地の良さを意識して作られた1タックトラウザー。
いわゆるドレスチノ?と言いたいところですが、チノパンの要素なんて「色」くらいしかありません!
もはやここまで来ると、完全な、しかも最上位クラスのドレスパンツです!!!
ちなみに素材も「チノ」ではないしね!(そこはまた後で説明します。)
デザインはインタックのワンタック。
インタックとは、タックが内側に向いていることです。
ちなみに、内向きと外向きで何が違うかというと、性格が違います。パンツにも性格があるんです。
なので、このパンツを穿くと内向的な性格になります。いや、内向的な性格だから選ぶのかもしれません。
鶏と卵ですね。
そんなくだらない事言ってる場合じゃなくて、タックの向きと生地の張りが組み合わさることで、
太もも部分が外に広がろうとしたり、逆に内に向かってシルエットを抑えようとしてくれます。
文字で説明するのが難しいので省略しますが、ドレスパンツはインタックで、
カジュアルなパンツはアウトタックがいいんじゃないかな。
また、ポケットはナナメで手を入れやすく、上下にカンヌキ留めを施しタフに使えます。
ウエスト部分の帯幅は3.5㎝とドレスパンツのそれですが、意外にもベルトループは6㎝とかなり広め。
ベルトの幅は選びませんね。(Martin FaizyのDress Beltも楽々通ります!)
ちなみに、本格的なドレスパンツの造りなのに、なぜこんなにベルトループが太いのか?
その理由は、おそらくサイドアジャスターが付いているからだと思います。
アジャスターの上にベルトが通る場合も考慮した上での、ベルトループの長さというか幅。
厚みのある生地でストラップを作っているので、アジャスター自体の厚みがあります。
なので、その上からベルトを回した時のことを考えると、ある程度のベルトループの太さが必要ですからね!
裏の造りを見ると、これはもうドレスパンツですね。
ストライプの部分をマーベルトと言います。
このマーベルトの役割は、もちろん履き心地を良くするため。
具体的には、シャツが出にくいようなど色々ありますが、こちらは肌への当たりを柔らかくするためかな?
このパンツを穿いて思うことは、これだけ作りこまれているのに「軽くて柔らかい!」こと。
逆に重くて硬くなる理由は?ってことなんですけど、それはディテールにこだわってあれもこれもと作りこんでいくと、
結果的に生地が重なって硬く重くなっちゃうこともあるんですね。
ですが、ラウンジアクトのトラウザーズは腰回りのフィット感が尋常ではありません!
その秘密は、ベルト芯。通常は接着芯を使うところを、アイリッシュリネンフラシ芯を使用しているので、
柔らかい上に穿く人の腰によりフィットし、フィットした結果として重さが分散される=軽く感じるんでしょう。
また、接着芯ではなくアイリッシュリネンの芯を使うメリットとして、通気性が良くなるというのも挙げられますね!
パンツって、構造上どうしても腰回りは生地が重なってしまいます。
だから、アイリッシュリネンを使用すれば、少しでも熱が逃げやすくなるのではないでしょうか?
たとえば例のシャツでハンドステッチが使われていたように、とにかく「着る」ことへの執着がハンパないのがLOUNGE ACT。
そしてこちらのトラウザーズは、この造りを実現するために、青森県のトラウザーズ専門の縫製工場で仕立てられています。
おそらく、LOUNGE ACTのアイデアを実現できる工場は、数少ないのではないでしょうか?
そして見た目で最も好きなのがこの部分!
折り返した脇割の部分を見てください!
予め言っておきますが、ミスではないですよ!
脇割のミミの長さが前と後(写真では左右ですが、左側が前身頃で右側が後ろ身頃になります。)で違うのは、
後身頃の生地を「イセ」こんでいるから。
出ました~!服好きの方(特にクロージング)の方と話すと必ず出てくるイセ込み!
でも、ジャケット以外でイセを使うのはあまり聞いたことがありませんね!ちなみにLOUNGE ACTのシャツの袖もイセ込んでますよ!
これ、本当にすごくて、後ろ身頃の生地がたっぷりとられているので、立ったり座ったりが非常に楽なんです!
お尻の部分を見てもらうと分かるんですけど、絶対に平面に置けないくらい、生地がふくらむんですよ。
それだけ立体的に生地が取られているということなんですが、まるで太目のイージーパンツを履いているような感じ。
全くストレスを感じません。
それなのにシルエットは非常にスマート。
最後に生地。
こちらは、岡山県倉敷にある生地メーカーの「備前ギャバジン」というもの。
ここで先ほど「チノではない」と書いた理由がこれ。
超高密度でさらさらとした肌触り。握るとコシがありヌメっとした感触。チノクロスとは全くの別物ですね!
ギャバジンといえば、そもそもは1879年にあのバーバリーが開発した素材ではありますが、
こちらの備前ギャバジンは、昭和30年代(1950年代)から織られているもので、
ベルギー製シャトル織機「ピカノール」でゆっくりと作られるため、非常に生産効率は悪いです。
では実際にこの生地がどのように良いのか?と言いますと、艶や肌触りは高密度ギャバジンらしくサラサラと。
しかし、太目の番手でしっかりと織られているので、チノ以上のタフさを併せ持っているのです。
とんでもないですよ!コレは!
なので、ドレスパンツながらガシガシ穿いて味を出してほしいんですね。
そんなこんなで、手間のかかる縫製と手間のかかる生地を掛け合わせてできたのが、タフで繊細なトラウザーズ。
というわけで履いてみました。
もし、トラウザーズの「正解」という物を知りたい方がいらっしゃったら、これを履いてみてください。
一つの「解」であることは間違いないと思います。
そしてまた、本当のドレスパンツは窮屈ではないというのも知って欲しいですね。
ちょっと色々書きすぎて仰々しく思わせちゃったらスイマセン。
LOUNGE ACTのコンセプトとしては、最高の造りの物を普段から着てほしいってことなんです。
これすごく大事なことで、良い物ってのは「普段から着る」ことが大事なんです。
ハレの日だけではダメ。気負い過ぎて着られちゃうから。だからガシガシ着て欲しいんですよ。
センタークリース無しでもOKなので!!!
それではまた。お店で会いましょう。