※10/22(水)・10/23(木)・10/30(木)は、休店日とさせていただきます。
※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ待ちます!)
※6月にオーダーいただいたOLD TOWNの製品は、10月下旬~11月上旬に入荷を予定しています。
※今後のイベント日程は以下。
・12/6,7,8にアンティークウォッチフェアを開催致します。
ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「あかりの日」だそうです。
というわけで、浄土平への旅は無事終了いたしました。
それまで来た猪苗代方面から、雲?霧?の中をそのまま進み、福島市側へ抜けていきました。

浄土って天国ですからね。たしかにずっとこんな雲の中なら、あの世かと思っちゃいますよ。
とはいうものの、僕が天国に行けるわけはないですからね。安全運転に越したことはありません。
帰りはおなじみ道の駅。
旅先の定番・道の駅ですが、「道の駅ふくしま」はちゃんとしてました。かなり品揃え良いと思います。
で、自分へのお土産がこちら。

買った理由は、ふくしまの「山ぶどう」で作られているというところ。
そろそろWORKERSの財布がくたびれてきたので、先日「山ぶどう」の財布を買ったんです。
その財布で使われている山ぶどうも、福島の山で採れたもの。
なので味も知っておこうと思いまして。
そしてこれがどういうワインかといいますと、

震災後に70歳のおばあちゃん(現在御年85歳!)が一念発起して作り始めたワインとのこと。
いいじゃあないか。
申し訳ないけど、ラベルのデザインからは期待できるようなものじゃないけどね。
と思ったら、これが大成功!!!!!!!!
おばあちゃんゴメン!すごく美味しいです!
これが山ぶどうか!まさに野性味溢れる味!スパイスが効いた肉料理に合いそうです。
そしてそれをどっしりと受け止めるソーヴィニオン。
攻守のバランスが非常に優れたワインだと思うので、どんな時でも飲めるワインだと思います。
なんか、おばあちゃんの優しさが伝わってくるなあ。
というわけでなので、是非とも秋の行楽は「ふくしま」へ!
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!


【ブランド】SKEWed WORKING(スキューワーキング)
【アイテム】Slack Pants
【価格】¥44,000‐
【コメント】
昨シーズン、突如現れて局地的に(それはもうホントに10人くらいしか)ザワつかせたあのパンツが、
今回はブルーデニムではなくブラックデニムでリリースされました!!!!!
半年ぶりの紹介となるので、まずはブランド説明からまいりましょう。(5人くらいはざわつくといいんですけど!)

2025年にローンチされたEDWINのスペシャルプロジェクト「SKEWed」skew(スキュー)は日本語で「斜め」「歪み」という意味であり、
デニム業界では斜行を表す言葉として使われてきました。(例:斜行止め=スキュー加工)
元々あるデザインを捻り歪ませ、実験的なプロダクトを生み出し、引いてはedwinをSKEWする。それがSKEWedというブランドです。
日本のジーンズの歴史と共に成長してきたEDWINは、労働力の安い海外に生産拠点を構えるのではなく、
国内(主に東北)に設備投資を続けて来た結果、現在は世界的に見ても類稀なる生産背景を国内に残すことになりました。
その工場と工場が持つ英知を結集させ生まれるプロダクトの数々をご覧ください。
WORKINGはTender Co.のWilliam Krollと、Middle Distance及びC.P. COMPANYが2023年に設立したMassimo Osti Studioに所属するRobert Newmanが、
デザインの視点を結集したコラボレーションブランドでありコンサルティングレーベルです。
スコットランドのグラスゴー在住のRobertと、ペンシルベニア州フェニックスビル在住のWilliamが協力するWORKINGの製品は、
2人が持つ強みを反映させつつ、生地・アートとデザインの歴史・ユニフォームの構造・作業服の拡張された概念を深化させたものになります。
プロジェクト名は、WKとRNという2人のイニシャルから構成されており、製品はイギリス(WORKING)と日本(WORKING×SKEWed)で生産されています。
というものになります。
初めて聞かされた人は、「えっ!?ちょっとちょっと、どういうこと???」と?マークでいっぱいになることでしょう。
なので順を追って説明しますね。(めちゃ長いよ!)
まず今回新しく立ち上がった「SKEWed(スキュー)」というブランド。
そのSKEWedを運営するEDWIN。
SKEWedとコラボするWORKING。
WORKINGを運営するWilliamとRobertという2人のイギリス人。
これらがキーワードとなっていきます。
ではまず「SKEWed」の背景に関して。
前述の通り、EDWINが手掛ける新しいラインです。
このラインを立ち上げた理由としては、本格的なリブランディングを行うことになったと言っても良いでしょう。
ではなぜエドウィンはリブランディングを行わなければならないか。
その背景に関して、エドウィンの現状と合わせて説明します。
皆さんご存じかどうか知りませんが、実は2012年に㈱EDWINは民事再生を行っています。つまり倒産寸前でした。
理由はファストファッションに喰われた???と思ったら、なんと為替デリバティブ取引による損失、その額なんと500億円。
と同時に、経理担当者の不審死が起こり、それを埋めるための粉飾決算が発覚し、会社が危うく無くなりかけてたのです。
しかしエドウィンが持つ技術は素晴らしいものでした。
バブルの残り香がある90年代、当時はあらゆる企業がコストの安い海外に生産拠点を移す中、
エドウィンは東北(秋田及び青森)を始めとした国内に、設備投資を続けました。
おそらく「日本を代表するジーンズメーカー」としての誇りがあったのだと思います。

そして時を経た現在、エドウィンの東北工場は世界的に見てもトップクラスの技術を持つジーンズメーカーとなっていたのです。
そんな素晴らしい会社を破産させるわけにはいかない!と手を挙げたのが、あの伊藤忠商事。
エドウィン社は、伊藤忠の完全子会社として再建にあたることになりました。
しかし時は2012年、東日本大震災直後であるにもかかわらず東北工場へ出資するなど、並大抵の判断ではございません。
そしてその傷が癒えて来たところでのコロナ禍。
この辛く厳しい十数年を乗り越え、ついにローンチされたのが、この「SKEWed」なのです。
そしてこのSKEWedは、エドウィンが持つ類稀なる生産背景を活かし、様々なデザイナーと協業していく方法を取っています。
現在は、日本人デザイナーが手掛ける「SKEWed SKEWed(スキュースキュー)」というラインと、
もう一つはイギリス人デザイナーが手掛ける「SKEWed WORKING」というライン。
それでは次に、この突如として現れた「イギリス人デザイナーが手掛けるWORKING」について、説明してまいります。
「WORKING(ワーキング)」は、TENDER Co.のデザイナーWilliam Krollと、Robert(ロバート)によるブランド。
そうです!!!DIARIESではおなじみ、あのウイリアムがデザインを監修しているんです!!!!!
ウイリアムがデザインしたエドウィンとか、もう夢がありすぎてアドレナリン出まくりですよね!?
それはさておきロバート君、あなた誰?って思うでしょ?僕もそう思いました。
しかしウイリアムとタッグを組むほどの実力を持つ彼も、またとんでもない実力を持つ方でした。

本名はRobert Newman(ロバート・ニューマン)と言いまして、当然彼もデザイナー。
ウイリアムとの出会いは、あの有名な「セントラルセントマーチン芸術大学」
TENDER Co.の説明で何度も書いてますが、ウイリアムはセントマーチンで教鞭をとっているのはご承知の通り。
ロバートは、10年ほど前にセントマーチンに学生として通っており、ウイリアムの授業を受けていたそうです。
さらには当時、TENDER Co.のセカンドライン「SLEEPER」というブランドがあったのですが(すげー懐かしい!)
そのスリーパーでモデルをやってたくらい、ウイリアムと仲が良かったそうです。
そして現在のロバートは何をやっているかというと???

なんと!MASSIMO OSTI STUDIO(マッシモオスティスタジオ)に勤めていました!!!!!
これは個人的にテンション爆上げ。
EDWIN、TENDER Co.と来て、MASSIMO OSTIはヤバイ。
まずMASSIMO OSTIについて軽く説明します。
MASSIMO OSTIとは、STONE ISLAND(ストーンアイランド)やC.P. COMPANY(CPカンパニー)創設者で、
ファッション界に多大なる功績を残し影響を与えて来た人物です。
ワーク・ミリタリー・アウトドアウェアをベースに、持てる技術の粋を集めて再構築するというイノベーションを起こしました。
このMASSIMO OSTIが行った方法論になぞらえると、例えば当店で扱っているブランドで例えるならば、
1ST PAT-RNやAUBERGEもその文脈にあると言ってもいいでしょう。
そのような偉大な人物でありながら、MASSIMO OSTI氏は2005年に亡くなっています。
ではなぜ今、ロバートは「MASSIMO OSTI STUDIO(マッシモオスティステュディオ)」に所属しているのか?
実はこのマッシモオスティスタジオは、MASSIMO OSTI氏のアーカイブを管理しつつ、新しいデザインを生み出す部署として、
C.P. COMPANYが2022年に立ち上げたのです。
そしてマッシモオスティスタジオは、MASSIMO OSTI氏の息子でありCPカンパニーの社長である、Lorenzo Osti(ロレンツォ・オスティ)が中心となって運営されています。

あ、これロレンツォの手書きサインです。
本人には会えなかったんですけど、サイン入りだけはなんとかゲットしました。
2019年の阪急有楽町7Fで。
そうです、ストレイシープが阪急にオープンした時です。
あの時阪急に行ったのは、ストレイシープに顔を出すのではなく、この本を買いに行くのが目的だったてのは、世田さんにはナイショだよ。
話を戻します。
そのロレンツォが立ち上げたマッシモオスティスタジオでは、ロレンツォと3人のデザイナーでチームを組んでいるのですが、
その内の一人がウイリアムの元生徒であるロバートだったというわけです。
そして僕の推測ではありますが、ロバートが「先生、何か一緒にやらない?」とウイリアムに話を持ち掛けてきたんじゃないかな~?と思ってます。
そうして生まれたのが、この「WORKING」というブランドです。

で、これも推測なのですが、EDWINからTENDER Co.のウイリアムに打診があった際、
EDWINとTENDER Co.では、同じデニムが強いブランド同士でケンカしてしまいますよね?
なのでEDWINとTENDER Co.ではなく、EDWINとWORKINGというコラボになったんだと思います。
長くなりましたが、これが「SKEWed WORKING」というブランドの背景。
それでは詳しく見ていきましょう。

形はWide Pantsという太目のストレートと、Slack Pantsというテーパードタイプの2種があるのですが、今回はSlack Pantsのみセレクト。
TENDER Co.でいうと、132と130みたいな感じでWideとSlackとお考え下さい。
商品名のSlackは、おそらくSlacks(スラックス)のことだと思います。シルエットがそんな感じなんでね。

ポケット周りのギミック性のあるデザインには、ロバートぽさを感じます。

コインポケットではなく、TENDER Co.のスノッブサムポケットでもなく、ミリタリー風のフラップ付ポケット。
ストーンアイランドとかCPカンパニーも付いてそう。

反対側はファスナーポケットですが、なぜか下から開けるという謎のディテール。
さらには指が4本しか入らない狭さで、とても使いにくいです。さっきのフラップポケットもね。
でもねこのジッパー、かなり良い部材使ってると思います。
開閉がとても滑らか。使わないポケットなのに!!!笑
いやでもこのジッパーの感触、私物のStone Island Shadow Projectのパンツに付いているやつと同じなんですよね。

ツマミの形も全く一緒で、おそらくロバートがマッシモオスティスタジオの伝手で調達したんじゃないかな~?と思ったり。
極めつけはコチラのディテール。

ダブルオープンシーム(脇割)!?!?!?
ブラックデニムなので赤耳とかは無いですが、それでも十分驚くデザインです。
普通に太く作ればいいだけなんですけどね。わざわざサイドステッチ部分に1枚はめ込んでいます。
この手法はTENDER Co.のシャツでもありましたね。
カットされた本来ならば捨てられてしまう細長い生地を、最後まで使いたいからという理由で生まれたパターンとか。
このSlack Pantsがそれにあてはまるかどうかは不明ですが、テンダーぽさを感じて好きですね~~~~~!
そしてもう一つご紹介しておかねばならないことがございます。
冒頭で、ブラックデニムと「もう一つ」画像が上がってましたよね?

私、あまりデニムの加工物ってやらないんですよね。色くらい自分で落とせと思うので。
ですが、これは取り扱うべきだと思いました。
それはなぜか?

この加工は「ストーンウォッシュ」というもの。
僕らオジサンには懐かしい響き。
読んで字のごとく、石で洗うからストーンウォッシュ。
そしてなぜこのストーンウォッシュを、「取り扱うべきだ」と思ったかというと?
今回初めて知ったのですが、実はストーウォッシュを世界で初めて開発したのはエドウィンだったんです!!!!!
なんかもうそれを聞いて、ストーンウォッシュを穿いてた中1の頃、平成元年あたりを思い出し懐かしい気分に。
そしてまた80年代という日本が一番元気だった時代、親達がモーレツに働いて生きて今の自分達があることに思いを馳せ、
強かった時代の日本を、少しでも後世に伝えていこう、その手伝いが少しでも僕にできたらと思ったのです。
で、実際このストーンウォッシュが凄いんですよ。
1980年に EDWINは、軽石でジーンズを洗った「STONEWASH」を日本で初めて工業生産化し、
ドイツで行われていた展示会である「ケルン・メッセ」に出展しました。
現在の様に、ジーンズのウォッシュ・マシンが広く普及していない時代、
金属製品などのバリ取りや研磨に使用する回転バレル研磨機を改造し、
ジーンズのストーン・ウォッシュ加工に代用したことが始まりです。
軽石は比重が軽いため、ウォッシュの際に底に沈むことなくジーンズ全体に「アタリ」を付けやすく、
また水も濁りづらいためジーンズへの汚染(インディゴの再付着)も低い傾向にあり、現在でもジーンズ加工の中心的存在です。
また様々な軽石を試した結果、鹿児島産(桜島)の軽石が日本では主に使われています。
ちなみにこれがその軽石。

もはやヤバイブツですね。

実際には、ゴムボールと一緒に洗うみたいです。

多分なんですけど、これで生地が揉まれて柔らかくなって、さらに軽石を砕きつつ、
デニム生地を傷めないようにしながら、色を落としていくんじゃないかと。
それにしてもこの、デニムの色落ちのためだけに、ここまでやり抜く覚悟!情熱!
ありとあらゆる軽石を試し、桜島の軽石に辿り着くなんて。
そしてまたデニムを色落ちさせるために、鹿児島の石を秋田にあるエドウィンの加工場に運ぶ!?
マジでヤバイ。ヤバイとしか言いようがない。
でも、こういう誰も見たことや聞いたことが無い、面白いものを追い求める夢のような技術に触れ、
その背景を知ると自分もワクワクしませんか?気分が上がりませんか?
40年前に作られた技術であるにも関わらず、その熱は今も冷めてない。
実際に、環境負荷が低い技術なので、今もなお使われている技術だというのが素晴らしいんです。
長くなって、僕も収拾がつかなくなってしまったので、結局何が言いたいかっていうと、
「服って面白いな~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!」ってことですね!雑!
というわけで穿いてみました。

ヒップ周りゆとりあり。

ほんの少しだけテーパードで、ひざ下スッキリ。

作りはクセ強ですが、合わせるのは簡単です!なんでもいけます!

やっぱり一番クセが強いのはココですね!笑
元気な日本の服がここにあります。
是非ともご覧ください。
それではまた、お店で会いましょう。
