TYPE937 TENDER Co.(テンダー)のAllotment Coat

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「消防記念日」だそうです。

そういやいつの間にか東京マラソン終わってた。

骨折以来全く走ってないので、ランに対する意識を遠のいてしまったと思われ。

温かくなったらまた・・・・・ね。

 

そんな中、ひょんなことから知ってしまった哀しい事実。

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これなんと、スタート地点の光景だそうな。

大型レースになると待ち時間が長いため、体を冷やさないようにカッパやらなんやらで暖を取るみたい。上級者はね。

でもレース始まっちゃうとどうしようもないから、予め安いカッパを買っておいて捨てていくんだそう。

 

こんな光景を見て、「我々フジロッカーはだな・・・」と始まってしまうフジロック厨の私です。

フジロックの参加者は、ゴミに対する意識が非常に強くて(もちろんその時だけの人もいますけど)、

ロックフェスの会場なのに、タバコの吸い殻1つ見つけるだけでも大変なくらい。

それくらいクリーンなフェスとして有名なんです。

(とはいえ実際は、その日の最後のステージが終わった後には、

100円ショップで買ったようなポンチョや椅子が置き去りにされてたりもしますけどね。)

 

ちなみに我々アパレル業界に関連するものですと、衣料品の廃棄量ね。

なんと、、、年間20億着。

景気後退と言われ続ける中、供給量・廃棄量ともに年々増えています。

なんでかって?分かりますよね?

 

私個人で世の中のゴミをどうにかできるわけではありませんが、(むしろ俺がゴ○人間。ゴム人間ではない)

服に限っては(限らないけど)、こだわりや思い入れのある服を選んで、捨てられないくらい着るのが一番いいなと思うわけです。

 

だから例えばこのブログに関しても、

「こんな素晴らしい商品が入荷しましたよ!」という売り上げのための宣伝だけではなく、

どこよりも正しく詳しい情報を記載して、なお且つ私がどこに価値を見出したかを表現することで、

お客様がまずその商品を理解し、私と価値観を共有していただけたら、気に入って長く着てくれるんじゃないかな~という狙いがあるんです。

(いや、もちろん情報だけ盗まれたらウチの店はつぶれますけどね。)

 

 

そんなわけでして、最近ちょっとブログが滞りがちでしたが、

手抜きのブログをちょいちょい更新するよりは、ガチンコブログを更新していこうと思う次第。一発狙いのハードパンチャー。

お店の方も、申告を(ため息交じりに)確定しましたので、これからガンガンやってきますよ!!!

 

 

じゃ、商品紹介です。

ドウゾ!

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【ブランド】TYPE937 TENDER Co.(テンダー)

【アイテム】Allotment Coat

【価格】¥84,240-(税込)

【コメント】

今シーズンの注目アイテムの1つ。テンダーのアロットメントコート。

これまた説明が長くなるので、最後までよろしくお願いします。

 

まずはノーカラーってとこが目に付きます。

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巷ではちょうどノーカラージャケットが流行ってしまっているようで悔しいのですが、

当然テンダーに関してはデザインのためのデザインではありません。

 

それを説明するにはまず、テンダーの今季のコンセプトから説明しなければならないでしょう。

コンセプトはAllotment=市民菜園

日本では市民菜園というと、後継者がいない農家の農地をシェアして農業体験をしましょうみたいなイメージが強いですが、

ヨーロッパではご近所同士で様々な作物を育て自給自足するという、割と古くからある慣習・制度なのだそう。

しかも市民菜園の始まりは1700年代のイギリスだとか!!!

ホント何でもやってんね!イギリス!バカ!好き!!!

 

で、その市民菜園=Allotmentの名を冠したこちらのアウターは、

今季のテンダーを代表するアイテムなんだろうなというのが想像に難くありません。

 

やっとノーカラーの説明に入りますね。

 

このノーカラーですが、ルーツは市民菜園の中でもマニアックな養蜂家(Beekeeper)が着るジャケットから。

ではなぜ養蜂家が着るジャケットがノーカラーなのかというと、

現代でも防護服とかを想像してほしいのですが、蜂に刺されないように長袖長ズボンを着ますよね、

さらにマスクをかぶると思うんです。

そのマスクをかぶった時に、襟やフードが付いているとマスクと上着にスキマが出来てしまい、

そこから蜂が侵入して刺されるのを防ぐために、首周りの装飾を一切無くしたというのがルーツとなっています。

 

ちなみに似たような理由で、軍物でもこんなのがあります。

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こちらはイギリスの60年代のガスコート。

ガスコートと言われるのは、ガスマスクを着用する時に着られていたコートだから。

こちらも同じく、ガスマスクをかぶった時にスキマができないように、ノーカラーになっています。

 

私はもともとガスコートは知ってましたが、養蜂家のジャケットに目を当てるのはさすがテンダーというべきか。

 

 

次。素材。

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こちらも先日ご紹介したニットと同じく、1960年代に紡績されたデッドストックの本物のアイリッシュリネンヤーンで作られたキャンバス素材です!

この素材のことを詳しく知りたい方は、こちらのリンクをどうぞ。→TENDER Co.(テンダー)TYPE722 Linen Rib Knit

 

で、ちょっとこれは色々あり得ない素材になってるんです。

まずは50年も前のデッドストックということで希少性がプラス。

また、先のリンクにあるように、糸の状態で見つけたので織り方・編み方で様々な生地を作れることができるという面白さがプラス。

そして今回のキャンバスなのですが、普通のキャンバスではありません。

どういうことかと言いますと、衣類用として作られたキャンバス生地ではなく、画材用のキャンバスを作る工場で作られた生地なんです!!!

 

この産業用の生地を使うところがテンダーらしいですね。

通常や縫いやすさや着心地を求めるあまり、優しくしなやかに作ってしまいますが、

画材用らしく粗くゴワゴワした質感で、ずっしりと重たいのが特徴です。

 

実はボタンもデッドストックのメラミン樹脂ボタンを使用しています。

 

こちらのコートには裏地も付いているのですが、

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これまたデッドストックリネン糸を使った、また別の生地。

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こちらはカレンダー生地といいまして、その昔、カレンダー用の耐久性のある紙を作る時は、

ハンマー状の物で叩いて密度を上げ強度を高めていたそうなんです。

その作り方を布に応用したもの。

密に織った上に、さらに叩いて鍛えられた生地というわけ。

まさにたたき上げでございます。

これが固そうに見えて、妙に肌触りがいいんですよ。

 

表のキャンバス生地と比べるとこんな感じ。

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キメの細かさがコントラストとなっているのが分かるかと思います。

 

というわけで、早速ですが着てみました。

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インナーのシャツだけテンダーじゃないのは、全身ワンブランドにならないよう、

セレクトショップとしてのせめてもの抵抗です。。。

 

後姿はこんな感じ。

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裾はワークウェアとしての動きやすさを考慮したスプリットテールとなっています。

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お客様のスタイリングを見せてもらったのですが、

おなじみテンダーのテールシャツを合わせると、非常に良いバランスでした。

 

 

サイズは今なら1,2,3と揃っています。

どうぞお早目にご覧ください。

 

 

それではまた。お店で会いましょう。