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ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「ダーウィンの日」だそうです。
ダーウィンといえば進化論ですが、僕は立派なトンカジョンになってしまいました。
人間の次の進化は、食い溜め、寝溜めができるようになることですね。
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!
【ブランド】Kanell(カネル)
【アイテム】Bonaparte
【価格】¥14,960-(税込)
【コメント】
昨シーズンから取り扱いが始まった、DIARIES定番のボーダーカットソー。
この前Fileuse d’Arvor(フィルーズダルボー)紹介したばかりじゃん・・・?
と思ってくれた方はDIARIES通。嬉しいです!
実はかくかくしかじかで、フィルーズは昨年買収されちゃいましてね。
コロナ関係なく、元から経営状態が危うかったようなのです。
そして買収元というのが、フランスでも最大手のカットソーメーカー。
なので、これまでの小さなメーカーらしい細かい動き、
例えば小ロット生産などが出来なくなってしまったんです。
そこで白羽の矢が立ったのが、今回ご紹介するブランド。
まずは初めての紹介となるので、ブランド説明からどうぞ。
フランス北西部に位置するブルターニュ。
そこで暮らす若き青年Pierre Brestは、複数のアパレルメーカーのセールスマンとして働きながら、
ひとつの構想を思い描いていました。
ブルターニュに古くから伝わる横縞模様のニットセーター。
船乗りに愛され続けるこのセーターは、昔からフランスを代表する象徴的なマリンウエアの一つと考えられていました。
当時、このアイコニックなセーターを商業化しているメーカーは他になく、
ピエールはそこに大きな可能性を感じていました。
意を決したピエールは、セールスマンを続ける傍ら、Kanell Industrielという個人会社を立ち上げ、
知り合いの工場から中古の編み機を買い取り、自社での製品製造の可能性を模索していきます。
試行錯誤を続ける中で、現代にも引き継がれる様々なディテールを備えたモデルが生まれます。
のちにブランドのアイコンとなっていくモデルの原型はこの声に産声をあげました。
1923年、ピエールは自身のブランド”KANELL”を立ち上げ販売を開始。
得意のセールスにより徐々に取引先を増やしていきました。
それはブルターニュに最古のマリンボーダーメーカーが生まれた瞬間でもありました。
ビジネスが軌道に乗り始めた1927年、ピエールは正式に彼の会社を法人化。
社名とブランド名を刷新し、さらにビジネスを加速させていきます。
新会社は順風満帆に成長を続け、フランスで認知される傍ら、
その特徴的なディテールからデザイン面での評価も高く、
国内外のデザイナーからも支持され多くのコラボレーションモデルを生み出しました。
時を経て現在、様々なマリンウエアブランドが誕生する中、ブルターニュ最古のマリンボーダーブランドとして、
ピエールが思い描いた理想のマリンウエアを今一度具現化すべく原点回帰し、
彼の生み出したオリジナルブランド”KANELL”が一世紀の時を経て再始動します。
というブランド。
ざっくり言うと、フィルーズダルボーの前にあったブランドです!
物は同じ。機械も同じ。なんなら従業員も同じです!!!!!
だから再始動。
いや、そんな生易しいもんじゃないと思います。
諦めきれず、残りの人生の全てを懸けて取り組むこのカットソーからは、思いが伝わってくるようです。
それでは、肝心の商品の方を詳しく見ていきましょう。
品名はBonaparte(ボナパルト)。
そうです、ナポレオン・ボナパルトのボナパルトです。
その理由を説明します。
La Veritable Mariniere(真のフレンチマリンボーダーシャツ)
Mariniere=船乗りの服を意味するフランス語で、マリンボーダーカットソーを
指し示す際に、最も多く用いられる言葉です。
マリンボーダーの聖地フランスで脈々と受け継がれる、真のマリンボーダーとは何か?
その理由を知るために様々な文献を紐解いていくと、ある一つの有力な説が浮かび上がりました。
マリンボーダーを彩るボーダーの本数には、「意味」と「制約」が存在するらしいのです。
今でも崇拝者(ボナパルティスト)がいるフランスの英雄ナポレオン・ボナパルト。
近代戦術の基礎を作り上げた彼が残した連勝記録が、その数36勝。
古より船乗りのユニフォームとして愛されてきたマリンボーダーを、
1858年にフランス軍が公式に下級兵の制服として採用しました。
その際、ナポレオンの連勝記録に敬意を表し、白い部分がボディには21本、
袖に15本のボーダーを配置し、その合計が36になるものが正式な
マリンボーダーであると規定したと伝えられています。
しかし、この規定をいざ商品化するとなると、難しい条件が浮かび上がりました。
洋服にはサイズ展開が必要ですが、女性用のXSから屈強な男性が着るXLまでだとしても10㎝以上の差が出ます。
そのために全てのボーダーの幅を、その都度調整して生産することは困難を極めました。
そしてこの度、フレンチマリンボーダー発祥の地と言われるブルターニュで産声を上げた
Kanell Industriel(カネル・アンデュストリエル)は、
彼らの編み機の特性を活かしボーダーのピッチを微調整して、全てのサイズにおいて
「真のマリニエール」を再現することを試みました。
それがこのモデル「Bonaparte」です。
というもの。
また疲れるウンチクすみません!www
もはや都市伝説的な気もしますが、信じるか信じないかはアナタ次第です!wwwww
なるほどそう言われてみれば、この肩抜きと呼んでたボーダーの配置は、
もしかするとボーダーの生産工程において必要なバッファなのかもしれませんね!?
ファッションって、正直何が真実なのか?エビデンスは?といった部分が不明瞭ではありますが、
あれこれ物思いに耽るのも楽しみの一つかもしれません。
ファッションもまさに「耽美な世界」ですからね!
ちなみにフィルーズ時代の肩の二重構造はそのままです。
ワッペンの方は変わってます。カネルのK。
よく見ると、わきの下にはガゼット(ガセット)が編地で設けられていたりと、
細部までとにかくこだわった作りです。
ウーム。これは現時点で最高のボーダーカットソーのような気がします。
ボーダー最終兵器!
そうそう、あとたまに「フランス人なんてボーダー着てないよ!」という意見もあります。
私もパリしか行ったことありませんが、本当にそうです。(冬しか行ってないけど!w)
だけど、エールフランスの機内安全ビデオをご覧ください。
「マリンボーダーの聖地フランス」と書きましたが、フランスを代表する航空会社が作る映像ですからね!
今年の冬は買い付け行けなかったなあ・・・
それまではこのKanellのボーダーを着て、またフランスに行ける日を想像したいと思います。
それではまた。お店で会いましょう。