1ST PAT-RN(ファーストパターン)のTrek

4/23(日)インディアンジュエリーフェア開催決定!

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「中央線開業記念日」だそうです。

いや僕ら茨城県民は常磐線で育ちましたけどね。

そりゃもう柏が都会すぎてびっくりしたもんです。上野が初めてのトウキョウでした。

明日はTOKYOで今季最後の展示会かな?バッチリ決めてこようと思いますよ!!!

中目黒の桜は散ってないかな~

 

 

というわけで、お店の方はというと1ST PAT-RNと別注のINDIVIDUALIZED SHIRTSの話題でもちきりです!

ありがとうございます!

またファーストパターンなんかは、デザイナーさんもウチのブログをSNSでシェアしてくれるなど、本当にありがたいです。

こんなクソブログ見られたら大変だ。

是非フェイスブックやインスタで1stpatrnと探してみてくださいね~!

 

それでは本日もファーストパターンからの紹介です。

ドウゾ!

【ブランド】1ST PAT-RN(ファーストパターン)

【アイテム】Trek

【価格】¥54,000-(税込)

【コメント】

ああ・・・と、ため息が出るほどのパンツです。

何度も言いますが衝撃を受けます。

しかし、前回ご紹介したインディゴのジャケットとは衝撃の質が違います。

まだそのブログをご覧になってない方は、まずは下記リンクからご覧ください。

1ST PAT-RN(ファーストパターン)のLaboratorio(Click!)

先日のブログの最後の方に、「セイジクロキやフィルソンイタリーコレクション以来の衝撃を受けたドレスワーク」と綴りました。

いずれにせよ、トラディショナルやクラシックを踏襲しつつ現代的な服として新しく生まれ変わったジャケットになります。

 

しかし、今回のアプローチは全く異なります。

今までに見たことのない素材を使用したグルカパンツ。

最先端とクラシック、ミリタリーという非日常性を帯びたディテールを持ちつつデイリーウェア(日常)としての圧倒的な存在感。

 

個人的には、この圧倒的=プレッシャーを約20年前にも感じたことがある。

その服とは、STONE ISLANDまたはC.P.COMPANY。

そしてそれらの歴史を刻んできた、Massimo Osti(マッシモオスティ)とPaul Harvey(ポール・ハーベイ)。

まあこの2人に関しては説明すると長くなるので、ご興味のある方はご自身でお調べいただきたいのですが、

特にマッシモオスティに関していえば、現代の服作りの神に例えられるなど、伝説の人になってます。

ざっくり言うと、マッシモオスティとマルタンマルジェラの2人だけで、現代の服はほとんど説明できるのではないか?

なんてそれっぽいこと言ってみた!www

 

その文脈で言えば、すでにマッシモオスティがやってたよと思う方もいらっしゃるかもしれません。

いいえ違います。

本日ご紹介するパンツは、先日のインディゴジャケットとはまた正反対の性質を持っていると思います。

それが1人のデザイナーから生まれるということが凄いことなのであります。

 

奇しくも、このファーストパターンもマッシモオスティも、それぞれフォッリーナとボローニャというイタリア北部の街を拠点としています。

何でですかね?

 

そんなわけで、次々と革新的な素材を組み合わせ新たなデザインが生まれてくるイタリアから、

これまで味わってきた興奮を1ST PAT-RNを通してまた味わえるのではないかと、勝手に期待しているわけです!!!

しかもまだほとんど日本国内で出回ってないしね!

ブランドの黎明期からピークに至るまでを体感できる、またとないチャンスでもあると思いますよ!

 

 

すいません。前置きが長くなってしまいましたね。

それでは詳しく見ていきましょう。

TREK(トレック)と名付けられたこちらのパンツ。

実はトレックと言っても山を登る意味でのトレッキングではなく、「長い旅行」を表しています。

つまり、旅の間ずっと履いていられることを想定して作られたパンツ。

 

ご覧の通りデザインは、もうみなさんご存じの「グルカパンツ」ですね。

2タックとウエスト部分のアジャスターが特徴でございます。

またグルカを採用したのは、その機能性からでしょう。

太もも周りにゆとりを持たせ、ググっとテーパード。

旅先でもそれなりのレストランなどに入れつつ、常に快適な着心地を実現してくれます。

 

実際に履いてみるとこうなります。

 

ジャケットを合わせれば、もはや立派なトラウザーズ。

 

 

で、本題に入ります。

今回こちらのパンツをセレクトすることになった理由である、この素材。

Batavia Nylonと名付けられたこちらの素材は、「コットンスピンシステム」という技法で作られたナイロン糸で織られた生地。

コットンだかナイロンだかよく分からないでしょ?

 

説明しよう!

この生地は、防水性・防風性・速乾性といったナイロンならではの特性を維持しながら、

コットンのような天然繊維が持つ不規則・不均等な糸を開発し、綿紡績を行ったものだそうです。

 

言い換えますと、ナイロンの良さとコットンの良さを合わせて、2で割らない!ここ大事!

相反する素材のメリットが合わさっているんです!いやむしろ掛け算!

こんな生地初めて見ましたよ!!!!!

 

またどうやって作ったのか聞いてみると、ナイロンをミクロ単位まで細くして、

綿と同じような繊維構造にしているんだとか。

よく分かりません!

 

そして実際のこの生地ですが、

知らないで触ってみると、最初戸惑いますね。

ナイ・・・ロン・・・なのか?ってね。

今まで我々が見て来たナイロンではないんです。まるで硬さが感じられない。

しかも、例えばどれくらいのコットン生地かというと、シーアイランドコットンに例えても足りないくらいの肌触りです!

 

さらにご覧ください。

ポケット袋までスレキではなく、同じバタビアナイロンを使用するという贅沢仕様!たまらん。。。

 

もちろん生地以外のディテールも抜かり有りません。

ボタンはコロゾボタンを使用。コロゾは象牙ヤシと言われる実を削って作られたものです。

ご覧の通り、象牙のようなマーブル模様が出てますね!またこの手の薄い色は、経年変化も楽しめます。

Zというジッパーはなんだかよく分かりませんが、まあいいやつなんでしょう!

またバックポケットもフラップ付きで、どちらもコロゾボタン。

太ももにあるポケットは、ピッタリiPhone6Sサイズだったので、恐らく携帯用です。

でもペンでもなんでもいいですけどね。

 

そして、これはもう体感しないことには、洋服屋としての名が廃るってもんで、早速買って履いてます!

なるほど、このパンツの品名「TREK(=長い旅)」の名の通り、12時間以上の飛行機だとか、

1週間以上履きっぱなしの旅行だろうが、まったくストレスを感じさせないでしょう!

肌触りはもちろん、ある程度太さがあるおかげで、動きを制限されることはありません!

そしてナイロンならではの防風性もそうですが、汚れてもサッと拭けば落ちやすいのもいいと思います!

あ、ただし防水性とありましたが、意外と沁みましたけど。撥水とかではないと思うなあ。速乾性の方が役に立つと思いました。

そしてずっと座ってても、全然シワにならないのがいいですね!

 

唯一デメリットを挙げるとすれば、生地がテロテロしてるのでロールアップができないくらい!

あ~オシャレが制限されちゃうよ~!www

ほんとそれくらい悪い所探すのが難しいです!

 

まあ正直、価格は高いとは思います。

実は普通の綿100%の生地にすれば1万は下がったんです。

でもね、これしか頭に残らなかった。

だから高いのは完全に生地代なんですよ。

でもね、この生地を使うことに意義があると思うんです。

 

ここからは私の想像ですが、

こういう生地って、作られたばかりだから、それまでの研究開発費を回収するために、どうしても高くなると思うんですよ。

なので、どのブランドが作ってもこれくらいの価格になるはず。

だからどうしても最初に使うのって、グッチとかプラダみたいな有名なスーパーブランドになると思います。

有名ブランドだったら10万でも売れるでしょ?それならなんだって作れます。

だからこそ、まだまだ(少なくとも日本では)無名のブランドが使うことに価値を感じるんです。

そしてそんなチャレンジ精神に溢れるブランドだからこそ、私もセレクトする価値があるように思います。

 

間違いなく価値のある服と、価値あるブランド。そしてそこに価値を見出し、diariesも価値のあるセレクトショップになれたらと思います。

そこにあるのは、私が正しいと思う価値の連鎖。

そしてその連鎖をデザイナーへと最後につなげるのは、お客様なのかもしれません。

 

価値カチカチ価値うるせーなと思われるかもしれませんが、

つい熱くなってしまうのは、多分この服が熱い想いで作られてるからなんでしょうね!

 

 

それではまた。お店で会いましょう。