TENDER Co.(テンダー)のDart Jacket

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ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「柿の日」だそうです。
柿といえば、地元・石岡には献上柿と言いまして、宮内庁(皇室)に献上する「富有柿」というものがあるんです。
でも、柿ってそんな食えないわ~
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!
【ブランド】TENDER Co.(テンダー)
【アイテム】Dart Jacket
【価格】¥75,600-(税込)
【コメント】
テンダーから、最終兵器が届きました。(1か月以上前ですけど)
これだけテンダーを推してるくせにお恥ずかしいのですが、
Diariesではテンダーのアウターをセレクトするのは初めてになります。
久々に、どうしても欲しい!という服に出会えました。
頭の中から一切が消え失せ、「この服を着たい」という思考しか残っていない状態。
服好きの本能。
サッカーで例えれば、ポジションや戦略など難しいことは考えず、ただ思い切りボールを蹴るだけで楽しいようなもの。
服好きの純粋な行動原理。
これだから私は服屋なんかになってしまったのだ。
そんな服をこれからご紹介していきたいと思います。
本日もウンチク満載。どうぞ最後までお付き合い下さい。
まずは素材の説明から。
初めてご覧になったお客様の多くは、スエードかと思ったと口にします。
もともとコットンスエードという、スエードの風合いに似せたコットン生地は存在しますが、
そこはさすがのテンダー様、ただの生地ではございません。
今回は衣服用の生地ではなく、産業資材で作ってしました。
この素材はMOLLETON(モレトン)と言います。
モレトンは、スーツ用の生地を作る過程で使用される素材です。
スーツ用の生地はウール素材でもツヤがありハリがあります。
それは最終工程で熱と圧力を加えてプレスをかけるからなのですが、
モレトンはスーツ生地をプレスする機械に取り付けられている素材なんです。
何かの生地を探しに行ったウイリアムは、スーツ生地ではなくこっちの素材に目がいってしまったんでしょうか?
ヤバいですねー。
ちなみにモレトンの素材は綿です。
こんなゴツくても綿100%。
これだけ起毛してるので、この前着てみたんですが暑くて全然着られません!だから真冬もOK!
洗濯もできるので、気にせずガシガシ着られます。
俺の好きな服。
そんな独特の素材を使いつつ、これまた形もオリジナル。
秘密は商品名に書かれています。
Dart Jacket。
始めに展示会で聞いた時「Dirt Jacket」かと思いました。何かの作業のために汚れてもいいようなジャケットなのかなーとか。
しかし説明を聞いてみると全然違いました。
DirtではなくDart。日本語でいうところのダーツなんです。
もちろんダーツといっても的を狙って矢を投げるダーツではなく、(俺は最初ダーツ用かと思ったので・・・)
服のシルエットを調整する(ウエストを絞ったり)時に、生地をつまんで縫うダーツのことを言います。
よってこのジャケットは、「ダーツのみで構築されたジャケット」ということになるんです。
言葉だけだとまるで意味が分からないのと、写真を使ってもピンとこないと思うので、
ブログに書くのも面倒なんですが、一応説明しますね。
ポイントは、身頃が1枚のモレトンでできているということ。
まず後ろ身頃の裾からスタートしましょう。
そのままズンズンと肩まで登っていきます。
するとこの肩部分の三つ又に分かれた縫目にぶつかります。
この部分、通常であれば前身頃と後ろ身頃が縫い合わされているはずなのですが、
実はこう見えて1枚の生地がそのままつながっているんです!
そう!肩の立体感をまさにダーツによって構築しているんです!!!
裏側にして見てみましょう。
(「裏返して見てもカッコいい服は本物だ。」最近気づいた私の服の哲学。)
ダーツを取っていると分からないくらい、また着てみてもダーツのふくらみを感じないくらい非常にキレイに縫製されてますが、ダーツです。
さらにそのまま前身頃を下に降りていきましょう。
するとこの不自然なほどに大きいポケットに目が行くのですが、前身ごろの裾をよく見てみると、、、
なんとポケットは前身頃を折り返して作られているんです!!!
最後はリベット留め!
ボタンが上の方にしかないのは、きっと折り返している部分は生地が厚すぎてボタンホールを空けられないからでしょうか?
そしてダーツは肩だけでは終わりません!
なんとここもそう!
実は背中も全部つながってます!!!
裏返すとやっぱりキレイ。
これはまたすごいジャケットが世に誕生しましたーーー!!!
今まで全く見たことも聞いたことない作りのジャケットなので、またマニアックに過去の文献から発見したのかな~と思ったら、
ウイリアムが全くのオリジナルで考えた構造なんだそうです!!!
これはすごいことですよ。
今日び、全く新しいものって見たことありますか?
これが本物のクリエイティブ=創造なんですよ。
特に服なんてのは、2000年代以降はほとんど過去のリバイバル。
インスピレーションや再構築なんて言葉が多用されますが、本当にクリエイティブを感じる仕事はごくわずか。
もちろんこのジャケットにもインスピレーションを受けた元ネタはございます。
それはこのアイテム。
このTシャツもテンダーですが、ヴィンテージのスポーツウェアからパターンを起こしたもの。
特徴はやはり身頃。
これも肩に縫目がなく、体にフィットするように作られています。
ウイリアムはこのTシャツからヒントを得て、このダートジャケットを作ってしまいました。
まさかTシャツをヒントに極厚のジャケットを作ってしまうとは・・・
このモノ作り、軽く引くレベル・・・
私はこのジャケットが本当に好きで、なんとかこのアイテムを褒め称えようと言葉を探しました。
選んだ言葉は、、、
Serendipity(セレンディピティ)
Wikipediaによると、
何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。
何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見する「能力」を指す。
平たく言えば、ふとした偶然をきっかけにひらめきを得、幸運をつかみ取る能力のことである。

と書いてあります。
モレトンを使ったことや、ダーツのみで構築したプロセスはまさに発見によるものであると思います。
さらにこのジャケットはもちろん、これを作ったウイリアムを称賛したくて、
その為には「現象ではなく能力を指す 」この言葉が必要でした。
(また、セレンディピティという言葉はイギリスの小説家が生み出した造語なので、
イギリスに誇りを持つウイリアムに相応しいと思ったので。)
ぶっちゃけセレンディピティなんて言葉、前から知っていたものの書くのは恥ずかしくて使わないでいました。
なぜなら、大体は「偶然の幸せ」を表現するために使われているから。
このアホブログにはとても似つかわしくない言葉だと思ったんですが、、、、、
このジャケットを着てる私は幸せなんです。
はっきり言って、シルエットがどうとかは気にしてません。
決して良いとは言えませんから!
このジャケットは着る行為そのものに意味があるんだと思います。
私にも、セレンディピティという能力が身に付くんじゃないかってね。。。苦笑
というわけで、あまりに気に入ってしまったので、2色もご用意したのですが、ブルーはすでにお取り置きになってしまいました。
こちらは例によってWOAD染め。
数々のテンダーを見てまいりましたが、今季は非常に染まりが良いと思います。当たり年ってやつですね!
そして残っているのはこちら。
グレーに染まっているこの染料は「Logwood(ログウッド)」といいます。
これまたWiki大先生によると、ログウッドは日本語で「アカミノキ」というそうで、
ギリシャ語で血の木=ブラッドウッドとも呼ばれるそうです。
17世紀ごろからイギリスやフランスで使われており、
染まり方はアルカリや酸を調整して、紫・こげ茶・グレーにそまるそうです。
日本でも本黒といって、喪服にも使われるみたい。
さらにはログウッドの染料には、邪気を払うという意味もあるみたいです!!!
すげーな!ログウッド!
ちなみに私、ログウッドのジーンズもゲットしまして(これでテンダー3本目!129・130・132コンプリート!)、
ログウッドのセットアップ(これは常連のお客様からヒントを得ました。H本さんありがとうございます!)で着ております。
邪気すら寄せ付けない魔戒モードでございます!
参考までに、私(178㎝・85kg)でサイズ3を着ております。
サイズ展開は2と3しか用意しておらず、1は作っていないので2で日本人の大き目Mくらいです。
とりあえず見といた方がいいですよ。
よろしくー
じゃ、また。お店で会いましょう。
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