diaries blog | AUBERGE(オーベルジュ)| CARIB XX

※1/11(木)・1/17(水)・1/18(木)・1/19(金)・1/25(木)は、休店日とさせていただきます。

※夜は閑散としてるので、当面の間18:30閉店です。(割と19時まではいます。お電話いただければ!)

 

 

 

 

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「勝負事の日」だそうです。

これから僕らバイヤーは、1~4月にかけて2024年秋冬の商品をオーダーしていきます。

そんな話をお客様としていると、「博打ですね~」と言われることもあります。

確かに、次の秋冬が厳冬になるのか暖冬になるかも分からないのに、ラインナップを決めちゃうんですから、博打っちゃあ博打かも。

だけど、DIARIES創業当初はその博打に負けまくったので、考えを改めました。

売れる物をセレクトするのではなく、売りたい物をセレクトすること。

そのせいで、地味だけどクセが強い=一般的には売りにくい服ばかり並ぶようになりました。

何が言いたいかっていうと、商売が博打とは思ってなくて、勝ち負けはとうに諦めているってことですかね~!

なので日々淡々と、自分の納得のいく品を探し、DIARIESの純度を高めていくだけです。

今年も面白いのたくさんありますよ!

 

というわけで、本日ご紹介するのは、高純度な服造りへの思いと高純度(100%!)な素材が組み合わさった、あのアイテムを紹介したいと思います。

ドウゾ!

 

【ブランド】AUBERGE(オーベルジュ)

【アイテム】CARIB XX(1/9 0:00発売開始)

【価格】¥84,700‐

【コメント】

箱!?

そうです!なんと箱に入ったジーンズ!!!

それはあの、カリビアンシーアイランドコットン100%デニムで作られた、オーベルジュのカリブXX!!!!!

これにどれだけの価値があるのか?と問われれば、

人類の服飾史において、初めて誕生したものに触れることができる価値は如何ほどか?と、逆に問いたいです。

ありとあらゆるものが出尽くされた現代において、シーアイランドコットンとジーンズという、100年以上前からある物同士を組み合わせた全く新しい物。

このような物を、僕らは今後どれだけ目にすることができるだろうか?それはまた、後世に語り継がれるべき物であると考えます。

例えばバイヤーとしても、20年30年経った時に「俺あの時あれセレクトしたんだぜ!」って呼べるアイテムになる予感がします。

まさにネットで知る知識ではなく、リアルタイムで体験するべき事象なのでございます!!!

 

それでは詳しく見ていきましょう。

最大のポイントは、やはり素材ですね!

使用する生地は、West Indian Sea Island Cotton(西印度諸島海島綿)。

地球上で最も長い繊維長を持つ、超長綿の原種たる海島綿と、ヴィンテージXXデニムの融合というプロジェクトによって生まれた第1作目。

ジャマイカ島産海島綿を、贅沢に100%使用し、AUBERGEが考える1947年製造XXの個性的な表情を紡績段階から作りこんでいます。

100%ということは、タテ糸もヨコ糸もカリビアンシーアイランドコットン。

だからこの紋章を付けることができるのです!

この海島綿を100%使用したXX生地の挑戦は、世界中を見渡してもデニム史上初。

このために、西印度諸島海島綿協会(シーアイランドクラブ)にAUBERGEは入会するほどの力の入れよう。

AUBERGE小林さんが、デニムデザイナーとしてキャリアを積み始めてから32年。

その集大成とも言うべき素材なのでございます!!!!!

そうそう、たまに「西印度(West Indian)」と書いてあるので、インド製なのと思う方もいらっしゃいます。

これね、あのコロンブスのせいなんですよ。意欲に燃えるコロンブスのね。

コロンブスは、スペインからインドを目指したんだけど、最初にサン・サルバドル島に到着します。

でもそれをインドと勘違い!でもそれからずっとこの周辺諸島は西印度諸島になっちゃったんです。

500年前の勘違いが、未だ続いてるってわけですね!歴史の壮大さも感じるのが、カリビアンシーアイランドコットン!!!

ベースにしたモデルは、1947年のリーバイス501。

大戦モデル直後で、ポケットのスレーキのおさえステッチが長いタイプ。

生地は、ビングクロスビージャケットの生地の生地を参考にしつつ、裏側にはネップがありザラザラとした質感で、

当時の履きこんだ501が持つテロテロとした肌触りを、シーアイランドコットンを用いて表現しています。

 

紡績ではわざとらしい糸ムラを作らず、1940年代の生産背景から検証(糸の吹き出し口がレザー)し、

不可抗力によって生じた紡績番手の乱れを取り入れ、XXデニムのリアルを追求しました。

そのため自然なタテ落ちが生まれます。

部材の第一ボタンは大戦モデルよろしくドーナツボタン。

ボタンの素材は、当時と同じように鉄で作られています。

これはAUBERGE別注ボタンで、鉄が黒ずんでいく経年変化をお楽しみ下さい。

さらによく見ると、ドーナツの中央は1930年代ごろまで使われていたS字を2本の爪で留めるタイプと、こだわりのディテール。

リベットは銅の打ち抜き、革パッチはトスカーナ産のヌメ革で、タンブラーに4回通しているので既に焼け始めています

縫製糸はオレンジとやや黄色の糸を使用。

ベルトループは、真ん中を盛り上げたタイプ

バックポケットには隠しリベットと、XXらしいディテールがこれでもかというほど楽しめます。

シルエットはややゆったり目のストレート。

ヴィンテージの大戦モデルをベースにしながらも、耳を使用した時にパターン上生じる太腿回りのダブつきをすっきりとさせた、

AUBERGE独自のパターンで作られています。

納品はワンウォッシュ(4回タンブラーにいれています)若干糊が残っており、

最初から体に合わせた状態から色落ちを楽しむことができます。

そして初回ロットのみ箱付き。

箱は、パピエマシェをイメージした黒箱。

パピエマシェとは、1700~1800年代にかけてフランスで流行した素材で、紙を重ねてニカワで固めた素材のことです。

ブルーマウンテン、コットンボール、ジャマイカに登る太陽という、シーアイランドコットンにまつわる題材を用い、

グラフィックを作成。それを、金×黒のパピエマシェに見立てたボックスデザインになります。

 

ちなみにこれが当時のパピエマシェでできたトレーです。(ANDANTEANDANTE@千葉で買いました!)

おそらくお会計の時に、みなさんが目にしているはずなんだけど。気づいた人はいましたか?よかったら次回見てみて下さい。

 

というわけで、ウチにしては珍しいセレクトのジーンズですよね???

でもこればかりは手を出さずにはいられません。歴史的瞬間なんですから。

古くはドラクエⅢのカセットを開ける時。

あの限定CDのボックスセットを開ける時。

箱を開ける時のワクワクを、久々に味わってみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

それではまた。お店で会いましょう。