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ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「生命保険の日」だそうです。
僕は貯金が出来ない人間なので、保険を使って貯金する感じですね。
先日、ふと気づくとDIARIESの近くの建物が壊されて更地になったのですが、その跡に見えてきたフォントに釘付け!
つくばに唯一ある繁華街「天久保」。
おそらく天久保という町名ができたと同時に作られたと思われる「スナック ロンド」
歴史が無いつくばに突如現れた昭和の残り香。
㈱くいだおれも良い味だしてる。くいだおれだけに。
これもそのうち取り壊されちゃうんでしょうね。
昭和良いよ。
というわけで、本日は昭和に因んだアイテムをご紹介。
ドウゾ!
【ブランド】SEIKO(セイコー)
【アイテム】KING SEIKO 1st
【価格】¥253,000-
【コメント】
これにて、先月のアンティークウォッチイベント終了の際、DIARIESで引き取った3つの時計の紹介が終わります。
連日の時計の紹介でお客様と話すことも多く、改めてアンティークウォッチの良さに気づく毎日です。
まだアンティークウォッチに触れたこと無い方のためにまとめると、
・ほど良いボリューム感が良い。現代の時計に比べ、腕に馴染む控えめな存在感が上品。
・落ち着いた佇まいが良い。現代の時計に比べ、仕上げがギラギラしていない。
・視認性が良い。現代の時計に比べ、時計という道具としての機能を突き詰めているため、余計な装飾が無くシンプル。
というように、そりゃアンティークというからにはどうしても現代の時計と比べることにはなってしまいますね!
スイマセン!
でも不思議で、僕は洋服なら新品も古着も同列に考えることができるんですけど、
時計の現行とアンティークは全く別物になってしまうんです。
なぜか。
たぶんDIARIESでセレクトする服には、アンティークの時計の方が合うってことなんでしょうね。
ちなみに新品で欲しいのは、ランゲⅠとノーチラスとポルトギーゼだけど、もっとドレッシーな服装する時だね。
あ、唯一ルクルトのレベルソだけは、新品でもアンティークでもどっちでも良いわ。
というわけなのですが、本日ご紹介するアンティークウォッチは、まさかの国産時計。
DIARIESで最初にご紹介する国産時計は、これまた捻くれてるっちゃあひねくれてるかな!?
その名もKING SEIKO(キングセイコー)。
え?SEIKOっていったらGRAND SEIKO(グランドセイコー)じゃないの???
KINGってwwwwwwwwww
普通の感性では、身に着けるのがちょっと恥ずかしいキングセイコー。
なのでちょっと普通じゃない人に付けて欲しい時計です!!!
なんて色物扱いしてはいけません。
今でこそSEIKOの高級機はグランドセイコーですが、昭和後期にセイコートップの座をグランドセイコーと競い合ったのが、このキングセイコーなのです。
面白いのがSEIKOという会社の中の工場同士で競い合ってたんですね。これは強い。
ちなみにグランドセイコーを作っていたのが、長野県諏訪工場。現セイコーエプソンです。
そしてキングセイコーを作っていたのが、なんと東京都亀戸にあった第二精工舎。
第二精工舎は亀戸工場閉鎖とともに一旦はその歴史を閉じる物の、その系譜は現在の岩手県雫石工場に受け継がれるんです。
グランドセイコーの諏訪工場はエプソンになっちゃったけど、キングセイコーの流れを汲む雫石工場は、
今もなおSEIKOの最高の技術を結集してグランドセイコーを作っているんです。
もうそれ、日本の技術を結集したドリームチームじゃん!って考えると、胸が熱くなりますね!!!
以上が私のKING SEIKOに対する雑感といったところです。
ちなみにディーラーさんからは、下記のように情報をいただいております。
「1961年から製造された亀戸(第ニ精工舎)工場の高級機です。
同時期に諏訪精工舎で製造されていた「グランドセイコー」に対抗して設計されました。
男性用腕時計「クロノス」の系譜に乗るモデルで、当時ではロービートで高精度を出していた時計としても有名です。
グランドセイコーと比較すると、歩度証明書と秒針規制が無いためコストを抑え、
リーズナブルな価格で販売されていましたが、全体的なつくりとしては劣ることは無いと思います。
ケースの金張りはグランドセイコーの80ミクロンに対して100ミクロンとなっています
文字盤はサンバースト仕上げされたシルバーダイヤル。
多面カットされたバーインデックス、ドルフィンハンドとシンプルなデザインとなっています。
ダイヤル6時位置にはAD(Applique Dial)文字盤を示す△とY字をくっつけたようなマークがあり
これはインデックスが真鍮にSGP硬質金メッキ(銀色の場合はロジウムメッキ)の固体にのみ描かれた文字盤となります。
裏のメダリオンもクリアで前のオーナーが大事に使っていた事が伺えます。
去年、セカンドの復刻がリリースされましたがファーストは別格です。
状態も問題なし、精度も良好、ファーストヴィンテージやカレンダーが無いモデルですので、
コレクションされている方にもオススメです。」
とのこと。
この頂いた説明の中で覚えておきたいのは2つ。
ダイヤル6時位置のAD文字盤=△とY字を重ねたようなマーク。通称コママークとも呼ばれています。
ちなみにこのAD文字盤は、1963年春から1964年頃までしか製造されていなかったとのことで、
こちらの時計は昭和30年代の大変貴重な時計になります。
もう一つは、裏のメダリオン。
それはこちら。
裏蓋のことですね。この盾マークがカッコイイ。先日のTUDORと2つ持ちしたい。
さらにマニアックな事を言うと、ラグの形や裏蓋のKING SEIKOの「O」がややつぶれぎみなことから、
この個体はKING SEIKOファーストの後期と考えられますね。ファーストの後期って、、、微妙!w
そしてこの裏蓋を開けるとムーヴメントがあるのですが、その説明もディーラーさんにしていただきましょう。
「ムーヴメントは、Cal.54A。
1958年に、諏訪のマーベルに対抗して、亀戸で製造開始されたクロノスというモデルがあります。
そしてこのクロノスのCal.54Aをアップグレードしたのが、KING SEIKOの1stのムーブメントになります。
型番は同じ54Aでテンワを支えるブリッジが少し細くヒゲ持ちの位置も変わっています。
その他変更点もありますがあまり目立たないところに溝を入れたりと芸が細かく間違え探しの様な感じで探してて楽しいです。
クロノスで使用した亀戸の独自設計による初のセンターセコンド(中三針)モデル。
多少、手は加えられたものの殆どがクロノスの純正ムーブ、当時としては最新の独自設計でイジる所が無かったのでしょう。
今、見ても美しい機械で個人的にこのテンプを支える両持ちのブリッジは大好きなんです。(現在は片持ちが主流)
当時の亀戸の最新にして最高級品です。」
とのこと。
ん~~~、マニアックすぎてちょっと分からないな。
やっぱり僕はまだデザインとストーリー重視ですね!
この無駄に太いインデックス。
当時は貴金属ぽさを強調し豪華な見た目にしようとしたのでしょうけど、今となってはこれがチープさを醸し出してます!www
でもそれが憎めないんだよなあ。
また独特なのは風防も。これは横から見た方がいいですね。
当時はドーム型の風防が多い中、やたら角ばった風防がKING SEIKOらしいディテール。
やっぱり昭和の男は角刈りですね!(知らんけど)
そして時計べるとは、あえて渋いやつにしました。
黒のリザード。
金ケースにリザード。昭和でしょ!?!?!?
こんな金×黒なんて組み合わせ、10年前では考えられなかったけど、
俺もそろそろこういうの付けても良い歳になったのかもしれないね。
というように、自らの老いすらかんじさせてくれる時計なんです。。。
そういや我が故郷・石岡にも、昔は「石岡精工」があったんですよね。
あれもまさに昭和40年代がピーク。石岡が一番栄えた頃かもしれません。
石岡精工があった土地は、今は「ウェルサイト石岡」というショッピングモールになってます。
そういや東京の亀戸工場跡地も、ショッピングモールになってたみたいね。
最後に亀戸工場の歴史をご紹介して終わりにしましょう。
こちらもディーラーさんより。
「諏訪と亀戸
服部金太郎は服部時計店を興し、1892年に自社で時計を生産する工場をつくる。この工場の呼び名が精工舎。
精工舎ではまずクロック(掛時計・置時計)を生産を開始し、ほどなくウォッチ(懐中時計・腕時計)にも進出する。
1937年にウォッチ製造部門を分離し「第二精工舎」という社名で法人化しクロック部門はそのまま精工舎が生産を継続。
1970年に精工舎も服部時計店から独立し、株式会社精工舎となる。
精工舎から1937年にウォッチ部門として独立した第二精工舎ですが本拠地は亀戸にありました。
その後1941年に太平洋戦争が勃発。本土空襲に備え、精工舎は工場をいくつかの場所へ疎開させる事になり
1943年に諏訪に疎開させた工場が諏訪精工舎の元となる第二精工舎諏訪工場となります。
そして終戦後、東京は壊滅状態の中、1949年に諏訪工場以外の疎開工場を再び亀戸へ集約し、本格的な生産を再開する事になります。」
そしてそんな亀戸の男達の胃袋を支えたのが、菜苑。
違うかな?いや絶対そうだろ!!!
それではまた。お店で会いましょう。