Russell Moccasin(ラッセルモカシン)のSporting Clays Chukka -Triple Vamp-

ダイアリーズの今日は何の日?

今日は「こころの日」だそうです。

さて今日から2015年の下半期スタート!下ですシモ!

私的には今月から2016年春夏物の展示会もスタートするということで、

つまりは休みが月に2日程度になるということです!!!あ~忙しい!

 

知ってました?忙しいって心を亡くすと書くそうです!!!!!へぇ~~~っ!

でもどう見ても「小」と「亡」ですけど。

忙しくたって別に心はなくしません!ちょっとした(小)忘れ物(亡)をするだけです!

俺なんて忙しくないとお店がヤバい!余計こころが荒むわ!!!

忙しいほど研ぎ澄まされていくんじゃ!忙しいくらいで心を亡くしてたまるかよ!

 

というわけで、今日はヒマなので荒れてます。気にしないでください。

下半期は忙しくなるといいな~!

 

 

じゃ、その為の商品紹介。

ドウゾ!

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【ブランド】Russell Moccasin(ラッセルモカシン)

【アイテム】Sporting Clays Chukka -Triple Vamp-

【価格】¥96,120-(税込)

【コメント】

久々に入荷しました。ラッセルモカシンのこのタイプ。

全く同じ仕様の物は、約2年ぶりです。

今まで何度か入荷させられる機会はあったのですが、実は価格の高騰を理由に今まで取りやめておりました。

何でも高けりゃいいってもんではないと思っているので。

 

しかし、ここに来て事情が変わってしまったんです。

先日トリプルヴァンプをご紹介した時に、生産中止になるという内容のことを書いたと思います。

私も半信半疑でした。

しかし詳しくラッセル側の内情を調べてみると、ちょっとヤバい状態になっていることが分かりました。

ヤバイと言っても経営状態ではなく、経営方針が。

長くなるのでここでは書きませんが、もし知りたい方がいたら店頭でのみお答え致します。

 

そんなわけで個人的には絶滅危惧種指定、モンゴルのレッドリスト登録というわけです。

 

それでは、いつまたご紹介できるか分からないので、詳しく掘り下げてみたいと思います。

まずはブランド紹介からどうぞ。

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Russel Moccasin(ラッセルモカシン)は、1898 年にアメリカのウィスコンシン州に設立。
創業者のWill Russell氏が、森林伐採作業を行うきこりのために、ハンドメイドでブーツを作ったのが始まりでした。
そのクオリティーは、すぐに他のハンター達にも評価されるようになり、ラッセル社の評判が広がります。
その後、1920 年代に加わった Bill Gustin 氏の手腕により、
現在の製品群に近い幅広いラインアップが開発・生産されるようになりました。
設立から 100 年以上たった現在でも、昔とまったく変わらない製法で、
少数の熟練した職人によりすべての靴が作られています。
もちろん、ラスト(靴型)の制作、皮の裁断から縫製にいたるまでの全工程が手作業で行われています。
また自分達が作るモカシンシューズに誇りを持って「True Moccasin Construction」(=真のモカシン構造)と呼んでいます。
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個人的に、ラッセルモカシンの立ち位置って「孤高の存在」という気がします。
それには何点か理由があるんですが、先ずはモカシンに誇りを持ったブランドというところ。

ラッセルモカシンって、厳密に言うとワークブーツではなく、飽くまでもアウトドアブーツの部類に入ると思うんです。
例えるならレッドウイングよりもダナーに近い存在。
だけど、ダナーみたいにハイテク素材に走らないところが、ラッセルぽいなーと思うんです。

またモカシンシューズのメーカーだと、よく知られるミネトンカとかクオディ、J.L.クームス、アローモカシンなど
様々なブランドがありますが、どれもインディアンインディアンし過ぎてて、コーディネートが限定されてしまうんですね。

(ちなににクームスってのはこんなの。もう無いブランドだけに、見かけたら即ゲットしたい。)

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さらにモカシンシューズって、日本人にとって馴染みが薄いのか濃いのかよく分からないところがあって、
このモカシン独特の縫い目が苦手だったり、おっさんくさいと言う方もいれば、
若いころ履いたけど、もう履かないよねとおっしゃる方もいます。

そんな中、モカシンにプライドを持って、ローテクな技術で作り続けるラッセルモカシンは、孤高の存在だなと思うんです。

そして、ラッセルが孤高の存在と思える、もう一つの理由はその製法。

キーワードは「ダブルヴァンプ」または「トリプルヴァンプ」。

ここからいきなりラッセルモカシンの核心に入ります。

先ずは、ラッセルモカシンの靴の中を見てください。

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内側のレザーが、ぐるっと足を包み込むように貼られているのが分かりますか?単純に縫い目が見えません。

それでは普通のモカシン(私物のQuoddy)の靴の中です。

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普通はこうですよね?ヴァンプ(甲)と全体を包む2枚の革で構成されているのがモカシンですから。
(※Quoddyクオディだって、立派なモカシンシューズメーカーですよ!)

まさにこの構造こそがラッセルモカシンの真骨頂だと思うんです!
ラッセルはこれらを「True Moccasin Construction」(=真のモカシン構造)と呼び、
自分たちの作るモカシンこそが、真実のモカシンなんだと言ってるんですね。

そして今回入荷してきたトリプルヴァンプは、その中でも最高峰の作りになっているんです!

ラッセルのホームページにはこんなイラストもあります。

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左から、「シングルヴァンプ」「ダブルヴァンプ」「トリプルヴァンプ」。
シングルはよくあるモカシンですが、靴底が付いてるだけでも素晴らしいです。
で、次にダブルと来るんですが、本当はシングルヴァンプとダブルヴァンプの間に
「ダブルモカシン」っていうのもあるんですが、後ほど紹介するのでお待ちください。

ダブルヴァンプになると、足をぐるっと覆う革があるのが分かります。
さらにトリプルになると、ダブルのさらに外側に「モルデッドソール」という革が付くんですね。
ちなみにこの下の革の部分。

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なんでここまでやったかって、防水性と耐久性を高めるため。

そんだけ。。。

HPを和訳して隅々まで呼んでも、それ以上の理由が見えて来ません。。。。。

でもたったそんな事までのために、ハイテク素材を使わずここまで頑張っちゃう、
不器用でちょっとおバカなアメリカがたまらなく好きなんですよ!!!

ぶっちゃけ!こんなに革を重ねたら重量も相当なものになるし、重いなんてのはアウトドアで致命的ですから!
だからラッセルモカシンファンの中には、トリプルヴァンプ派とダブルヴァンプ派がいるそうです。

確かに、軽さと耐久性のバランスはダブルヴァンプの方がいいかもね?
そうそう、展示会ではメーカーさんが分かり易くディテールを説明する為に、大事な靴をぶった切ったサンプルがあるんです。

トリプルヴァンプの断面図。

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ダブルヴァンプの断面図。

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シングルは普通のモカシンなので割愛。
そして、シングルとダブルの間には「ダブルモカシン」という構造もあります。
その断面図がこちら。
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トリプルヴァンプでも使われているモルデッドソールを追加してあります。
このダブルモカシンなんかは、ラッセルの中では比較的手ごろなので人気がありますね。
以上の製法が、True Moccasin Constructionを称するラッセルモカシンの矜持ってわけです。
True Moccasin Construction=TMC(←言いたいだけ)
そしてレザーはおなじみクロムエクセルレザー。

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ホーウィン社のクロムエクセルレザーは、原皮を「コンビなめし」という方法でなめし、
牛脂、蜜蝋(みつろう)、魚脂など数種類のオイルを塗りこみ浸透させた独特の牛革です。
油分が多い為、革の表情にムラがあり水にも強く、使い込むほど味が出やすい素材です。

 

そして2年前にお買い上げいただいたお客様の経年変化です。

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エグイッ・・・
ヤバいツヤ出してます・・・
個人的に、クロムエクセルレザーにはビーワックスをお勧めしております。
そして、なんと昨日新しいビーワックス&オイルが届きました!!!
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おそらくもっともクロムエクセルレザーに合うと思われます。(届いたばっかりでまだ使ったことないので)
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もはや幻と言ってもいい5アイレット。
それではまた。お店で会いましょう。