ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「東急の日」だそうです。
昨日は展示会で代官山・目黒まで。
東横線に乗ると、下北から横浜まで通勤していた辛い時期を思い出しますが、
副都心線がつながったおかげで、渋谷駅のホームに立って憂鬱になることもなくなりました~。
そして昨日で展示会最終日!!!やっと休める!!!
と思ったら、来週あと1件だけ残ってた・・・か・・・かか・・・
それにしても来季も良いのが集まり過ぎちゃって困ってます。
昨日も新しいブランドの展開が決まってしまったし、
Semohは今までにない安定感を発揮し、diariesに非常にフィットしたラインナップになることでしょう。
詳しくは店頭で、写真などもご覧いただけるようにしておきます。
もちろん個人オーダーも可能なので、ご興味のある方はお気軽にどうぞ!!!
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!
【ブランド】WORKERS(ワーカーズ)
【アイテム】Reversed Sateen Trousers
【価格】¥16,200-(税込)
【コメント】
こう見えてね、diariesにしては変化球的なアイテムだと思うんですよ。
どういうことかと言いますと、ウチの店のラインナップって割と基本に忠実なアイテムが多いように思うんです。
そりゃ確かに私がトラディショナルとかスタンダートとかベーシックとかオーセンティックってワードが好きだからなんですが、
都内のヒップでトレンディでスノッブなファッショニスタの方たちからすると、「つまらないよ」とバッサリ着られるのかもしれません。
保守的なんですね、私。
ですが10数年もの間洋服を楽しんで来た私としては、
クリエイティヴ溢れる洋服が決して着やすいものではないことを知っているし、
瞬間的なデザインは、すぐ飽きられてしまうことも知っています。
だから私は「服好き」として、お客様にもずっと服が好きでいられるように、こういったセレクトになっているのです。
とはいうものの、やはり服好きは新しい物も好きでございます。
見たこともない服を見るとワクワクします。
そんな時、それを仕入れるかどうかは、服好きとして過ごしてきた経験値でもって判断を下すわけです。
前置きは長くなりましたが、本日ご紹介するアイテムは、
今までずっと見てきた服をベースに、でもちょっとこれ新しいんじゃない?と思わせ、
さらに飽きずに長く着ることができ、そして経年変化も楽しめるアイテムになっています。
まずはシルエットから。
ワーカーズにしては、なかなか細身のシルエットになっていると思います。
ですがもちろん太もも周りはしっかり余裕を取って動きやすく、
ひざまでギュギュっとテーパードをかけて、スッキリとしたシェイプに仕上がってます。
同ブランドのWorkers Officer Trousersよりも、さらにちょっと細く仕上げたトラウザーズだそう。
名付けて「Utility Trousers」といったところでしょうか。
分かりやすく言うと、ガシガシ履ける綺麗なシルエットのパンツです!!!
と言ったら乱暴すぎますかね。いやそれなりに的を得ているとは思うのですが。
Utilityとは「実用的」という意味もあり、ガシガシ履くというのは間違いないです。
しかし、このパンツのUtilityにはもう一つの意味が込められています。
それはUtility(=実用的)に使われる有名なパンツがあります。それがFatigue pants=ベイカーパンツにです。
兵士が一般的な作業をする時(=Fatigue)に履かれていたものです。
だから普段履きにピッタリのパンツになるわけです。
そしてこのパンツのディテールは、ベイカー(=Fatigue pants)ぽさがチラホラ。
強度を高めた打ち込みのフロントボタン。
13スターのメタルボタンが、1950年代頃のベイカーパンツぽくていいですね!
このサイズ調節用のタブも、当時のベイカーパンツのディテールを踏襲してます。
しかしこちらは打ち込み式メタルボタンではありません。
え~ここもメタルでやってよ~と思うかもしれませんが、そこは着る人の事を考え、
ベルトを通してもボタンが当たらないようにできるたけフラットなボタンが付けられています。
もちろんトラウザーズとして、シルエットのバランスも考えているとのこと。
確かに細身のシルエットで、ウエスト周りだけゴテゴテしているのもおかしいですからね。
そして私が一番面白いと思ったのが生地!!!
ただディテールを応用して、「ハイ、シルエットが綺麗なベイカーができましたよ。」ってだけではありません!
ちょっと生地の説明が文字だけになってしまい、分かりにくくて申し訳ないですが、
なんでもデザイナーさんが、ベイカーパンツで使われる「バックサテン」という生地で何か作れないかと考えていたそう。
そこで秋冬に履けるちょっと暖かいトラウザーズを作ろうということになりました。
そして色はシックな色でということで3色作ったのですが、diariesではこの「Indigo」をセレクト。
実はこの生地、タテ糸に硫化染めしたブラックの糸を使い、ヨコ糸にインディゴ染めした糸を使っています。
ちなみにデニムはタテ糸がインディゴ染めで、ヨコ糸が白い糸です。
だから皆さんもご存じの「タテ落ち」するんですけど。
また、基本的にはタテ糸が表側になるので、インディゴが擦れて色落ちするんです。
だからこの生地がヨコ糸にインディゴ染めした糸を使っているということは、本来は生地の裏面がインディゴになるんです。
しかし!ベイカーパンツは飽くまでも「バックサテン」を使用しています。
バックサテンとは文字通り、Black(=Reversed=裏返した)Sateen(=サテン・朱子織)のことなんです。
というわけで、このインディゴバックサテンのパンツは、表がヨコ糸のインディゴで、裏がタテ糸のブラックという面白い生地になっているんです。
そして、これをロールアップするとこんな感じになるんです。
先ほど、「今までずっと見てきた服をベースに、でもちょっとこれ新しいんじゃない?と思わせ、
さらに飽きずに長く着ることができ、そして経年変化も楽しめるアイテムになっています。」と書きましたが、
お分かりいただけましたでしょうか?
きっと生地の説明がさっぱり分からないと思いますけど!!!
ま、気になる方はお店で聞いてください。
インディゴ部分がヨコ糸になることでどんな色落ちが楽しめるんでしょうか!?
最初はジャケパンスタイルでキレイ目に履いていただいて、
後半は色落ちを楽しんで下さい!
それではまた。お店で会いましょう。