ダイアリーズの今日は何の日?
今日は「日光の日」だそうです。
先日飛び込んできたニュースが、パリのColetteが店閉めるってよ!て話。
ああ~聖地巡礼する前に無くなりそうだよ。
片手で数えられるくらい(少ね~)ヨーロッパ行ってるのに、まだパリ行ってません!
お前それでもアパレルか!?
そんなわけで、あそこまで行ったお店がなんで閉めちゃうんだろうね~って話で、
セレクトショップの端くれの中の端くれの私が思うに、
コレット女史が立ち上げたお店は、コレットがいなくなったら終わりというのは、
そこまで自分の店を大事に思えたなら幸せだろうなってことですかね。
コレットくらい有名になれば、他の人に店を任せて、上がりだけもらえばいいし、
いざとなったら企業にできるだけ高く売ればいいはずなのに、それをしない。
それだけ資産があるのかもしれないけど、物でもないのに自分の店を誰にも渡したくないというのは素晴らしいです。
というのが感想ですかね。
セレクトショップかぁ~、時代にフィットしてないのかな~???
さて、仕事(セレクトショップ)しよ。
じゃ、商品紹介です。
ドウゾ!
【ブランド】Phil Howard(フィルハワード)
【アイテム】Slip-on
【価格】¥37,800-(税込)
【コメント】
さて、そろそろ2017年春夏も終わりが見えてまいりました。
そして、今季もたくさんのマトモな靴や変な靴を扱ってまいりました。
でもやっぱりdiariesなので、今季最後にご紹介する靴はマトモじゃないです。
昨年に引き続きですが、改めてご覧ください。
まずはブランド紹介からどうぞ。
Phil Howard Clogs and Leatherworkは、イギリスの民族舞踏「モリスダンス」の靴を作るメーカーとして、
マンチェスターのストックポートという町に1982年に設立されました。
その靴は伝統的に木のソールを成型して作られ、ダンサーがステップを踏めるよう独特の形をしています。
このような靴を作る工場は、1800年代にはイギリス北部からスコットランド南部にかけて数多くありましたが、
1900年代半ばにはラバー製品などの広まりと共に殆ど消滅してしまいました。
現在は数人の職人がその伝統を継承するのみとなっています。
製造工程は全て一人の職人が行っています。
木は森に生えているハンノキ・ブナ・プラタナスなどを伐採し、丸太の状態で1年間寝かせ水を抜き、組織を安定させます。
そこから旋盤やナイフなどを使い、削りだしていきます。
またアッパーに使用する革のなめし、ネイル打ちに至るまで手作業で行われている貴重なシューズです。
というブランドです。
ちなみに職人さんはこんな人です。
ちょいと飲み過ぎ。赤ら顔のイギリス人ですね。
そしてこの方もまた、、、(閲覧注意!)
指をカットしてしまいました・・・
フェルナンドレザーを作ってたスティーブに続き、なんでウチの店の靴ブランドのおじいさん達はこうなんでしょうか???
というわけで、先ほどマトモじゃないなどと言ってしまいましたが、数百年の歴史を持つ民族的な靴で、
一生懸命おじいさんが作ってくれている貴重な靴でございました。すいません。
改めて、フォークロアな靴と言い換えましょう。
まあご覧の通り「木」なわけなんですよ。ソールが。気になるでしょ?
こんなソールが木のやつなんて、ヴィヴィアンウエストウッドのロッキンホース以来です。
余談ですが、ヴィヴィアンともコラボしてるみたいです。
ロッキンホースかと思ったら、なんとアーミーラストのブーツでしたけど!!!
このソールでブーツって!?!?!?
話は戻りまして、どう見ても木ですね。
これがね、歩きにくいかというと、意外とそうでもなかったりして。
ブランド説明にもある通り、そもそもダンスを踊れるくらいの代物なのです。
ケルト民族系の〇〇FOLK FESTIVALとかで画像を探すと、結構みんな履いて踊ってます。
こんな感じで。
意外と動けるその秘密は多分これ。
このクイッと上がったつま先。
こんなの歩きにくいと思うでしょ?
でもね、diariesではとっくの昔に似たような形の革靴を扱っておりました。
比較画像がこちら。
そうです。William Lennon(ウイリアムレノン)です。
このウイリアムレノンもHill Shoesというモデルで、羊飼いが履いてた靴。
どちらも古くから伝統的に履かれてきた形なんです。
そしてなぜどちらもつま先が上がっているかというと、当然ソールが固いから。
普通の革靴は、最初はソールが平坦でだんだん反りかえってきて馴染んでくるのですが、
木はそもそも曲がらないので最初から反らせているのはもちろん、
ウイリアムレノンもトリプルソールなので硬すぎるからか、最初から反らせてあるんだと思うんです。
ちなみに気になる履き心地ですが、意外と良いです!
もちろん「見た目は履き心地が悪そう・・・」という思いの分、補正されてもいますがね!
ただ、実際に履いてみた私の感想としては、
ウイリアムレノンや、別注したクイルプのようなダブルソールのトリッカーズと同じくらいだと思います。
さらにもう一つ地味に面白いのが、アウトソール。
こちらは木そのままではなく、ハーフラバーで仕上げてあるのですが、
一見ダイナイトのコマンドソールかと思いきや???
Logger?=ロガー?木こり???
まさかの山歩き用のソールが搭載されておりました。
ガンガン歩いてくれということなのか?
それとも、ウッドソールにかけてこれを選んだのか?
どちらにしろ、これだけで靴好きの私は興味をそそられるってもんです!!!
さらには、この部分の雑な仕上げも思わず笑っちゃいますけどね!
削りだしというか、削りっぱなし!あえてバフはかけませんよ!
また、つい特徴的なソールばかりに目が行ってしまいますが、レザーもハイクオリティ。
アッパーはHorween(ホーウィン)社のレザーを使用しております。
ヌメ革もツヤがあって素晴らしいのですが!
色物の革は、天然染料を使用して職人自ら手作業で染めております。
ゆえに、よく見るとムラのある質感に仕上がってます。
ディテールの説明はこんなところです。
次は、どうやって履いたらいいの?ってとこですかね。
初めて見る靴だけに、すぐには思い浮かびませんでした。
個人的には、女性ならサボとして簡単に合わせられますね。
セモーのワンピースに合わせて。
もちろん、レディースサイズで23.5㎝からご用意しております。
で、問題のメンズ。
言ってもね、テンダーには合いますよ。なにせウイリアムレノンと木型が似てるんですから!
素足に木ってのが、とても気持ち良いです!!!
パンツは太くてゆるめのシルエットが合いそう。
あと、この状態よりもうちょっと色が落ち着いてくれたら、色が濃くなってくれば合わせやすくなると思います。
秋になったらソックスを履いて合わせてました。なので夏以外も履けますよ!
というわけで、この1年履いてきたのがコチラです。
トゥルンとしててシワが入ってないんですけど、
そもそもソールがしならないのでシワができません!www
それじゃあ経年変化が楽しめないじゃん・・・と思われそうですが、
ご覧の通り、しっかり色が変わってきてます。
1年ほどなのでまだまだですけどね。
それにずっとシワができない革靴ってのも面白いですよ!
木の方ももっと汚れるかな~と心配してましたが、そうでもありませんでした。
ちなみにクッション性はゼロです。立ち仕事だとさすがに疲れますね。
でも、俺なんかはベッドロック履いてランニングとかしてるので、靴にクッション性は求めてません。
またベアフットランニングをしてみると分かりますが、人間には元々、足元からの衝撃を吸収する能力が備わっています。
クッション性が高い靴は、その能力を減退させているんです。
なので健康的にもいいかもしれないですね!(←無理矢理)
総じて、自信を持ってオススメする靴には違いありません。
ちなみにハーフサイズは無し。
26㎝またはUS8またはUK7ハーフでEワイズの私で、サイズは7を履いてます。参考までに。
➡Phil Howard-Clogs and Leatherwork
それではまた。お店で会いましょう。